開発物語

はじめに

「カンロ」と「国立音楽大学」のコラボレーション。
1人の女性社員がはじめた、産学共同のプロジェクト。そこには、企業と学校の違いがもたらす思いもかけない苦労や困難が立ちはだかっていました。
最後まで「学生たちの期待に応えたい」という強い想いを貫いた、3年という長きにわたって挑み続けた商品づくり、そのキセキの物語をお伝えします。

※ANA機内番組「イノベーティブチャンネル」およびCSフーディーズTV「Wのキセキ~創造の先に~」第5話にて放送された、ボイスケアのど飴の開発ストーリーをダイジェスト版でご紹介します。

きっかけ

お菓子として初めてのど飴を発売したのはカンロ。以降のど飴の文化を築いてきたが、今では市場が飽和状態。のど飴の新たな市場を切り開いていきたいと感じていた。

当時開発を担当したのは、開発企画部 片桐であった。
「今こそ、のど飴の原点に返りましょう!」
この一言がすべての物語の始まりである。

初めて発売されたのど飴【健康のど飴】

開発担当者 片桐

「今こそ、のど飴の原点に返りましょう!」

「のど飴のヘビーユーザーはどんな人なのだろう。」片桐は、最初に担当したのど飴を誰よりも喜んでくれたのは、当時音楽大学で声楽を学んでいた友人であることを思い出す。

様々な分析を重ねる中で、のど飴の話題には、『声』というキーワードが頻繁に登場していることを確認。
開発の核となるキーワード、『のど飴』と『声』が結びついた。

次に、『日頃から声を使う人』をリストアップした。歌手、劇団員、俳優、お坊さん。。。
その中で、行きついたのが、生の声を売り物にしている「オペラ歌手」だった。

のど飴の関連ワード上位に「声」

「のど飴」と「声」が結びついた

日頃から声を使う様々な業種をリストアップ

出会い

片桐は早速、国立音楽大学へ足を運び、
本場イタリアで学び、海外でも活躍したオペラ歌手、小林一男教授に出会った。
「オペラ歌手にとっては、のどは世界でたった一つの楽器。24時間のどを気づかっている。」
という小林教授ものど飴のヘビーユーザーだった。

「声を大切にする人のためののど飴を真剣に追求したい。」
小林教授は片桐の熱意に打たれ、協力を快諾した。

通称『歌のくにたち』国立音楽大学

開発協力者 小林一男教授

「歌い手にとって、のど飴は必需品であり、腕時計をいつもしているようなものだ。」
小林教授は、のどにいいものは、国内外問わず様々なものを取り寄せ、日々ケアを行なっていた。

さらに、プロの稽古のように厳しい大学院オペラコースの授業で、のどを酷使している彼らを目の当たりにし、「彼らに納得してもらえるのど飴が作りたい!!」と片桐は奮い立った。

教授に教わった様々なのどケア用品

プロの稽古のように厳しい授業

挑戦

片桐は早速、小林教授に教わった素材の成分分析を研究室 杉村に依頼。杉村は、分析した成分を参考に、こののど飴のために新たなハーブエキスを作り上げた。

半年以上の時間をかけ、ようやく一つの試作品が出来上がった。片桐は急いで試作品をもって国立音楽大学を訪問し、学生たちにアンケートを依頼した。

開発担当者 杉村

新たなハーブエキスを調合

ようやく出来た試作品

後日、アンケートを回収。そこには厳しい意見がならんでいた。
「のどへの使用感だけではなく、毎日おいしく食べられることも大切。」
片桐は大切なことに改めて気づかされた。

厳しいアンケートの声

味を食べやすいものに変更し2回目の試食を依頼。
結果は、更なる酷評。期待外れの答えだった。

声への意識が高い人たちが期待しているのは
「効き目が感じられ、しかも食べ飽きない味。」
手さぐりでそれを目指さなければならなかった。

開発は長期化し、最初の企画会議から2年以上が経過。片桐は学校との共同開発の難しさを痛感した。

試作が60種を超えた頃、徐々に「これなら毎日食べられる」「のどの調子がよくなった」という感想も増え、とうとう商品化の候補が3つに絞られた。

2回目にも、厳しい感想が多く開発は困難に直面する

開発が長期化し、更に困難を極めた

最終候補の試作品が3つに絞られる

ゴール

「最後まで学生の意見を聞いて決めたい」と学生へ最後の試食を依頼。長いディスカッションの末、意見が一つにまとまった、最後の「ひと粒」にたどり着いた瞬間であった。

最後の試食会でも活発な意見が挙がった

ついに完成した一粒の飴

パッケージにも学生の意見を取り入れた

「原点に返りましょう!」の一言から、3年以上開発に費やし、2010年9月、カンロとしての自信作、「声を大切にする人のためののど飴」その名も「ボイスケアのど飴」が発売された。

企業と学校の垣根を越え、「1粒のキセキ」が生まれた。
今では、口コミで評判が広がり、声を大切にする人の間で着実に愛用者を増やしている。

ついに商品化

声を大切にする多くの人に受け入れられている