夏目漱石も愛した、笹に包まれた飴「笹飴」


「笹飴」をご存知でしょうか?
実は夏目漱石の小説、「坊ちゃん」の一節に「清が越後の笹飴を笹ぐるみむしゃむしゃ食べている」とあることでも有名な、その、「越後の笹飴」とは日本一古い飴屋、髙橋孫左衛門商店の笹飴です※1。
そんな伝統ある飴は、栄養価の高い健康食として、人々から親しまれてきました。
ここでは、笹飴が持つさまざまな魅力について紹介していきたいと思います。

笹飴はいつからある?


約400年近くも飴を作り続けている寛永元年(1624年)創業の老舗「髙橋孫左衛門商店」で、笹飴は1800年のはじめに作られました。
粟飴翁飴本舗の建物は観光名所にもなっており、国の登録有形文化財として登録されているものです※2。

当初は粟を材料に用いていましたが、江戸時代の中頃の1790年に四代目の孫左衛門が餅米に変えたことで透明琥珀色の水飴を作ることに成功しました。
そうして生まれた飴を笹で包んで二つ折りにしたものが「笹飴」で、飴はひょうたんの形をしています※2。
創製されてから110年以上の歴史を重ねた1904年には、アメリカ・セントルイス万博にも日本を代表するお菓子として出品されました。
また、明治期を代表する文豪の夏目漱石も笹飴を愛し、先にご紹介した小説、「坊ちゃん」の一節にも登場させているほどです。
現在は新潟県上越市が「メイドイン上越」に認証しており、地元の人や観光客からも広く愛されています※1。
 

甘いけど体には良い? 笹飴の作り方


笹飴に使われる「粟飴」は餅米を蒸して麦芽とお湯を加え、麦芽酵素によって餅米のでんぷんを糖化させていきます。そうしてできた原液をこして不純物を取り除き、その液体を煮詰めて水分を飛ばして飴になります※3。

これは古くから伝えられた製法によるもので、砂糖を一切使わずに麦芽酵素に含まれる成分からできる美しい琥珀色と、しつこさのない上品な甘さや風味が特徴となっています。
人工添加物を使用していない自然食品としても知られ、自然な甘さのためそのまま食べたり、紅茶などに砂糖の代わりに使用されることもあるそうです。

この飴は「甘いけれど砂糖は使われていない」、お菓子としての甘味を楽しみながらも健康的という食べ物ですね。

本家の髙橋孫左衛門商店では十四代目の孫左衛門が、初期の粟を原料として粟飴を作る製法を復元することに成功し、その製法で作られたものを「粟の古代飴(笹飴)」として販売しています※3。

笹飴の食べ方には注意が必要

笹飴は、飴菓子には珍しい、「食べ方」に注意書きのあるお菓子です。
箱書きにも「絶対にかまずに最後まで舐めて」という内容の指示があります※3。
まず笹からひょうたん型の飴を取り出して口に入れます。
そして、口の中で少しずつ溶けていく飴を嚙まずに舐めていきます。
上顎に引っ付けていれば普通に話すこともできます。
何かしながら話をすることもできるので、食べる時間や場所を選ぶ必要もありません。
もし噛んでしまうと、そのまま歯に引っ付いて取れなくなります。
これを避けるためにも最後まで舐めきるようにしましょう。
引っ付くのが苦手な方は、笹飴を前もって冷やしておくと食べやすくなります。
 

粟飴を使用しているお菓子は笹飴の他にもある?


粟飴を十分に練って熊笹に挟んで二つ折りにして乾燥させたものが笹飴です。
この他に粟飴に寒天を加え、四角くゼリー状に固めよく乾燥させてから時間をかけ戻したものが「翁飴」です※4。
高田城主が江戸へ参勤交代に出向くときの土産として、持参されていたそうです※3。
また、「瑠璃飴」は粟飴に寒天を加えるところは翁飴に似ていますが、乾燥をせずに水分のあるまま仕上げた菓子の中はとろりとした食感があります。
ひとつひとつがゴムのような丸い袋に入っていて、食べる時はそれから取り出して食べます※5※6。

実は粟飴、笹飴は健康食?

粟飴は古くから滋養強壮や健康食に用いられてきました。
出産直後の女性の栄養補給・赤ちゃんの食事・疲労回復など幅広い目的で食べられます。
また、粟飴をお湯に溶くと「あめ湯」となり、病気で体力が落ちている時の滋養強壮にもなるほか、ここに生姜を数滴加えて生姜湯にすると体を温め、風邪や発熱などに効くとされてきました。
さらに粟飴を大根やレンコンにかけておき、そこから出てきた水分を飲むと、咳をはじめ喉の病気全般に効果があると言われています※5。

お菓子としてはもちろん、健康食としても利用され、愛されてきた伝統の飴。
日本人はこうして飴とともに時代を歩んできました。
新潟に行った折には、ぜひ笹飴を食べてみてはいかがでしょうか。

参照元
※1 上越特産市場 新潟県上越市 越後の飴「笹飴」
https://www.joetsu-tokusan.jp/item/30.html
※2 髙橋孫左衛門商店 
http://www.etigo-ameya.co.jp/
※3 髙橋孫左衛門商店
http://www.etigo-ameya.co.jp/menu.html
※4 新潟・食品名産図鑑
http://nigata.japanfoods.net/specialty/awa-ame/
※5 伝統のお菓子!笹団子と粟飴
http://www.e-ippin.jp/omiyage/sasadango.html
※6 髙橋孫左衛門商店
http://www.etigo-ameya.co.jp/newpage7.html

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