注目の機能性食品! そのままでは食べられない“ホップ”の持つ魅力とは

ホップはビールの香り付けに使用されているハーブの一種です。ハーブにはたくさんの種類があり、それぞれ違った体への効能があると考えられています。
ホップには殺菌効果があり、ビールの品質を保つと共に体内の炎症反応を鎮めるといわれています。※1 その殺菌効果はハーブの中でも強く、私たちの健康づくりにも貢献してくれるでしょう。そこで、機能性食品としての「ホップ」について詳しく解説していきます。

ホップってどんなもの?

ホップは和名を「せいようからはなそう」といい、ヨーロッパ原産のアサ科に属するつる性植物です。※2※3 独特の苦味を持ち、一般的にはビールの原材料として使用されています。
ホップがビールに積極的に使われるようになりはじめたのは12世紀頃からで、ホップを添加することにより香味が増し、泡が美しく盛り上がるようになったとされています。また、ホップを使用することによりビールが腐りにくくなったというのも、ホップを使用したビールが広がった理由の1つです。※4※5

ホップの機能や効果は?

ホップを使用することでビールが腐りにくくなったという事実があるように、ホップにはビールの品質を保つ作用があります。これはホップの殺菌効果によるもので、雑菌の繁殖を抑えてビールの保存性を高めることが知られています。※1

また、この殺菌作用はビールに対しての効果だけではありません。

私たちの体は、外部から菌やウイルスが侵入することによって炎症やさまざまな病気が引き起こされます。例えば、のどの痛みはのどの粘膜からA群溶血レンサ球菌が侵入することによって起こります。この菌を排除しようとして炎症が生じ、痛みや腫れに繋がるのです。

カンロが独自に研究した結果、123種のハーブエキスを用いた殺菌力の強さを調べる実験では、11種類にA群溶血レンサ球菌を殺菌する効果があり、ホップエキスはその作用が最も強かったという結果が得られています。

ホップはその他にも効果がある?

ホップには殺菌作用の他にも、さまざまな可能性があると考えられています。まずは不眠症の改善作用です。不眠症は寝つきが悪い、眠りが浅いといった症状を持ちますが、就寝前にホップを摂取すると睡眠の改善が見られたという報告があります。乾燥したポップの花を詰めておくと眠りを誘い、質の良い睡眠が得られるそうです。※1※5※6

次に挙げられるのがアレルギー症状の改善作用です。※6※7 花粉症シーズンにホップ抽出物を連日摂取すると、くしゃみや鼻水のようなアレルギー症状が改善されるといった報告があります。これは、ホップに含まれるポリフェノール成分のホップフラボノールによるものです。

また、ホップにはイライラ・不安といった精神的な症状を鎮静させる効果も示唆されています。※6※8 特に女性は生理前のPMSや自律神経の乱れ、更年期障害などで精神のバランスを崩してしまうことがありますが、そのような症状にも効果が期待されているようです。※1※2※5 また、毒素の排出を促すことから、ホップエキスが入った化粧品も開発されています。

最近では肥満や生活習慣病への有用性も研究されており、これからますます健康効果が期待できる成分として広がっていくことでしょう。※6

人の腸内には細菌がたくさんいる?

細菌というと体に良くないイメージがあるかもしれません。
しかし、私たちの腸内には実に約100兆個の細菌が生息しています。これを腸内フローラ、腸内の花畑といいます。このなかには、例えば、乳酸菌やビフィズス菌のような善玉菌も含まれており、有害物質を体外に排出したり免疫細胞を活性化するといった、体にとって良い働きをしてくれています。

また一方で、腸内のいわゆる悪玉菌が増えてしまうと、お腹の調子が崩れる・肌荒れ・肩こり・生活習慣病といったさまざまな症状を引き起こしてしまいますが、悪玉菌はタンパク質を消化吸収する手助けをしたり免疫力を高める働きも持っているため、少なすぎてもいけないのです。

このように人と細菌の共存にはバランスが大事です。食品の機能性を活かして菌とうまく付き合っていくことこそ、生活の知恵といえるでしょう。ホップの殺菌力もこのバランスを保つためにとても役立つかもしれません。※9※10※11※12※13

ホップを上手に生活に取り入れるには

ホップはビールの原材料として有名ですが、ヒトに対してもさまざまな良い効果をもたらす機能性ハーブとしての一面もあります。
そのままホップを食べることはできませんが、ホップを利用した食品や飲み物が増えてきているので、これからますます身近なものになっていくと思われます。

プロフィール

片村優美(かたむら ゆみ)
管理栄養士免許取得後、病院で給食管理や栄養指導に従事したあと独立。現在は特定保健指導や食育教室、健康に関する講座などさまざまな分野で活動しています。また、コラムの執筆や監修も行っており、2018年6月からはAll About食事ダイエットガイドを務めさせていただくことになりました。栄養学は幅広く奥深いものですが、正しい情報をわかりやすい言葉で伝えられるように心がけています。

参照元
※1 ビール酒造組合 飲酒(ビール)の効用
http://www.brewers.or.jp/contents/koyo/koyo04.html
※2 Timeless Edition ホップの効果効能/ハーブティー・メディカルハーブ・スパイス辞典
※3 水と生きるSUNTORY お客様センタQ&A
https://www.suntory.co.jp/customer/faq/001687.html
※4 BREWING JAPAN コラム ビールの魅惑の秘密 ホップ編
https://brewing-japan.com/column/fine-aroma
※5 KIRIN ようこそキリンのR&D 健康
https://www.kirin.co.jp/company/rd/case/health/?id=anchor_07
※6 サッポロビール株式会社 ホップ抽出物の花粉症症状軽減機能を実証
http://www.sapporobeer.jp/kenkyu/frontia/kafun.html
※7 ヘルすぐ ホップはさまざまな健康作用をもたらしてくれる!?以外な効果が盛りだくさん
https://www.kirin.co.jp/company/rd/case/health/
※8 厚生労働省 e-ヘルスネット 腸内殺菌と健康
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/food/e-05-003.html
※9 Glico 腸内環境を改善する方法はなに?運動とも強い結びつきがあった!
http://cp.glico.jp/powerpro/sports/entry86/
※10 日本ビフィズス菌センター/腸内細菌学会 ヒトの腸内にはどのような微生物が棲んでいるのですか?
http://bifidus-fund.jp/FAQ/FAQ_02.shtml
※11 厚生労働省 e-ヘルスネット 乳酸菌
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-026.html
※12 厚生労働省 e-ヘルスネットビフィズス菌
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-029.html

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