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eスポーツに日本中が注目! 世界で活躍するふぇぐ選手にとってのエネルギーとは? ~eスポーツを始めるきっかけ~(前編)


近年注目を集めるeスポーツの種目のひとつに『シャドウバース』というオンラインカードゲームがあります。今回お話をうかがったのは、eスポーツのプロとして活躍し、2018年の世界大会で優勝を果たしたふぇぐ選手。今回の取材が実現したきっかけは、話題のふぇぐ選手の好物がカンロの「金のミルク」という話を聞きつけたところからはじまります。
前編ではふぇぐ選手がeスポーツを始めたきっかけや、練習やゲームプレイを支えている糖分に迫ります。
 

「うまくなりたい」と思って打ち込んだシャドウバース

Q:eスポーツ、とくにシャドウバースに打ち込もうと思ったきっかけはなんですか?
ふぇぐさん:きっかけとしては2017年3月に「ファミ通カップ」で優勝してから、シャドウバース関連の仕事が増えました。当時は自分がまあまあ強い方だと思っていました。しかし2017年の世界大会で当時の優勝者に0勝3敗で負けてしまい、自分の準備が甘かったと痛感しました。それからは「もっとうまくなりたい」という一心でシャドウバースに打ち込みました。大学に通いながら練習するのは厳しかったので、1年休学して打ち込んで、ダメだったらあきらめようと思っていました。

Q:最初からシャドウバースをeスポーツとして意識していたのでしょうか。
ふぇぐさん:もともと大学の先輩に「面白いゲームがある」とすすめられたのがシャドウバースを始めるきっかけだったので。eスポーツという言葉も、「ゲームのことをeスポーツと呼んでいる」という程度の認識でした。

Q:シャドウバースには戦略的なかけひきがあります。プレイするときにはどのようなことを重視しているのでしょうか。
ふぇぐさん:才能のなさを練習量で補っています。
ただ、ときには直感を信じる場面もあります。2018年の世界大会決勝戦では、今までやったことがなかったプレイもしました。そのときの相手は、今までよりも早いペースでプレイしてきたので、相当強い手札を持っていると予想しました。「普段通りの動きをすると負けそうだ」と思ったので、いつもとは違う動きをしてみました。不安はありましたが、積み重ねてきた知識や経験を信じました。そのおかげで、最後はいちばんいいカードで勝つことができたと思います。プレイ中はまったく実感がなかったのですが、観客が盛り上がるようなプレイになっていたようでよかったです。

 

食事の代わりに「金のミルク」


Q:普段の練習は長時間にわたると思います。かなり頭を使うゲームなので、脳に糖分を補給したくなることもあると思うのですが。
ふぇぐさん:自分は1日1食が基本なので、練習中によく飴を舐めています。練習中は仲間と通話していることも多いので、舐めながらでも話せる飴が気に入っています。
食べないと集中力が下がるのはわかっているのですが、食事は面倒です。もともと甘いものが好きだったので、食べるなら甘くてシンプルなミルク系の飴がいいと思っていました。だから練習中には「金のミルク」を食べることが多くて、たまに口直しに酸っぱい味の飴を食べています。
 

オンオフの切り替えはしっかり

Q:練習時間以外は、どのように過ごしているのでしょうか。
ふぇぐさん:シーズン中は週1回程度、今はオフシーズンなので久しぶりに週3~4回は飲み会に行っています。eスポーツ仲間と飲むこともありますが、大学時代のシャドウバース系の友だちと飲むことが多いです。ただ、オンとオフを分けたいタイプなので、シャドウバースの話題になると自分からは話しません。昔からの知り合いが多いので、近況報告や共通の知人の話が中心になります。

Q:お酒以外にも気分転換方法はありますか?
ふぇぐさん:YouTubeで、自分がやったことのないゲームの実況を見ています。実況を見て面白そうだと思ったのでオフシーズンに『ドラゴンクエストビルダーズ』を買って、3~4日でクリアしました。初めてゲーム漬けの生活ができて楽しかったです。

 

唯一熱中できたシャドウバース


Q:シャドウバースに出会う前は、自由時間をどのように過ごしていましたか?
ふぇぐさん:小学生の頃からカードゲームをやっていて、高校生になっても続けていました。それでも大学に入るときにはやめてしまったので、ハマり切れていなかったのだと思います。大学に入ってからはゲームを一切しないでずっと友だちと遊んでいましたね。

Q:シャドウバースに熱中することができた、というのは、なにか決め手になったポイントがあったのでしょうか。
ふぇぐさん:「相手のターンでは自分の動きがないのに、とても考えることが多くて、これほど難しいのか」と戦略性の広さに惹かれました。だからこそ、「うまくなりたい」と思って続けています。

敗戦をきっかけにより真剣に打ち込んだ結果、シャドウバースでプロになったふぇぐ選手。長時間の練習を支えているのは、手軽に糖分を摂取できる飴でした。
後編では、ふぇぐ選手が世界大会優勝後に感じたことや、今後の展望についてうかがいます。