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梅シロップをつくろう。初夏にオススメ! 美味しくて体に良い!


梅の実が出回る時期になると、初夏の訪れを感じますね。梅の実を使って、梅酒や梅干し、梅ジャムなどを作ることを「梅しごと」といいます。「梅しごとをしてみたいけれど手間が掛かりそう」と、これまで避けてきてはいませんか? 梅しごとの中で、簡単ですぐに楽しめるのが「梅シロップ」です。梅のエキスが染み出たさっぱりとした味わいは、食欲が低下する暑い時期にピッタリです。

風味良く仕上げるための下ごしらえ

初めて梅シロップを作る場合は、緑色の「青梅」を用意しましょう。黄色やピンク色に色付いた「完熟梅」でもシロップを作ることはできますが、発酵が起こりやすく対処が難しくなります。

梅しごとの基本は下ごしらえです。まず、大きなボウルへ梅の実とたっぷりの水を入れ、汚れを落とします。梅の実は傷つきやすいため、ひとつひとつ手に取り優しく扱いましょう。青梅の場合は流水で流したら、たっぷりの水に1~2時間浸けてアクを抜きます。完熟梅の場合は、アク抜きの必要はありません。

アク抜きが終わったらザルに上げて水を切り、梅の実をひとつずつ手にして、布巾やキッチンペーパーで優しく拭き上げます。水が残るとカビなどの原因になるためです。特に、ヘタの部分はくぼみに水分が残りやすいため、しっかりと拭きましょう。

次に、竹串や爪楊枝を使ってヘタを取り除きます。ヘタを付けたままだとシロップが完成するまでにヘタが実から離れ、シロップ中に浮かんで使いにくいほか、えぐみが出てしまうからです。竹串や爪楊枝の先端でヘタを引っかけるようにすると、ポロッと簡単に取り除くことができますよ。このヘタを取り除く作業は、梅の実を傷つけやすいため注意しましょう。

保存食には欠かせない保存容器の消毒


梅シロップを作るのに欠かせない道具が保存容器です。ガラス製やプラスチック製、ホーロー製など、さまざまな素材の保存容器の中で、酸に強くて中身の確認ができるガラス製がおすすめです。

保存容器の大きさの目安は、梅の重さに対して3~4倍量です。例えば、梅1kgに対してでは3~4Lの容量を選びます。また、保存容器の口が広く、なおかつ密閉できるものを選ぶと、材料を入れやすく、フタの隙間からシロップが染み出る心配がありません。

梅の実を入れる前に、カビの発生や雑菌の増殖を防ぐため、保存容器をアルコールや熱湯で消毒します。アルコール消毒では、食品に使える消毒用アルコールや、アルコール度数の高いお酒を使用します。保存容器の内側に霧吹きで吹きかけるか、キッチンペーパーに染みこませて内側を拭き上げましょう。

熱湯消毒をするときは、保存容器の耐熱性を確認してから行います。鍋に水と保存容器を入れて火に掛けることが理想ですが、梅シロップに使用する保存容器はサイズが大きく、十分な大きさの鍋がない場合もあります。そのようなときは、やかんや鍋に湯を沸かして保存容器に流し入れ、火傷に注意しながら熱湯が内側全体にいきわたるようにします。

しかし、沸騰した湯を保存容器に流し入れると割れることがあります。まずは、60℃ほどに熱した湯を入れ、保存容器を温めてから沸騰した湯を流し入れると、割れる可能性が低くなります。熱湯消毒をしたあとは、自然乾燥させましょう。

作り方はシンプル! 梅シロップの作り方


梅シロップの作りやすい分量は、梅の実1kg、氷砂糖1kgです。作り方は、保存容器の中に梅の実と氷砂糖を交互に入れていくだけです。フタをしっかりとしめ、冷暗所に置きます。

仕込みをした次の日からは、1日1~2回ほど保存容器のフタを閉めたまま持ち上げ、保存容器を傾けて砂糖を梅の実に絡ませましょう。2~3日経つと、梅の実と触れている氷砂糖が少しずつ溶け始めます。この作業を毎日続け、10~15日ほど経ったら梅シロップの完成です。

梅の実をシロップの中にそのまま入れておくと渋味がでてきます。梅のエキスがしっかりと染み出し、皮がしわになった梅の実は取り出しましょう。※1

シロップは別の保存容器に入れ替えて煮沸すると、常温で長期間保存できます。煮沸しない場合は冷蔵庫で保存し、ひと夏で使い切るのがおすすめです。取り出した梅の実は、そのまま食べるほかに梅ジャムなどにすることができますよ。

また、梅シロップに使う砂糖は、氷砂糖のほかに上白糖や黒砂糖などでも大丈夫です。黒砂糖ではコクのある味わいになるなど、砂糖の種類を変えて作ると風味が変化します。

完成したシロップは暑い時期に飲みたくなる味わい

できあがった梅シロップは、シロップに対して3~4倍量の水や炭酸水で割って飲むのが定番。氷をたっぷりと入れた梅シロップは、乾いた喉をうるおしてくれますよ。酸味のある爽やかな味わいで、暑い時期の食欲を刺激します。

そのほかにも、かき氷やヨーグルトのシロップとして、梅ゼリーや梅シャーベットの材料など、夏にピッタリのスイーツに使うことができます。料理では、サラダのドレッシング、煮物に加える砂糖の代わりに使うこともおすすめです。

梅シロップは、仕込んでから日々変化していきます。変化を観察していると思わず愛着がわいてきて、完成したときの喜びはひとしおです。梅しごとをして、初夏を感じてみてはいかがでしょうか。

 

参考

※1 白ごはん.com 梅シロップ(梅ジュース)のレシピ/作り方
https://www.sirogohan.com/recipe/umeju-su/