糖と健康

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睡眠と糖との密接な関係とは?!

皆さん、最近は毎日きちんと寝られていますか?コロナ禍の影響や不況の影響もあり、色々考えすぎて不眠に悩まされている方もいるかと思います。実は、睡眠と糖には密接な関係があります。今回はこの観点から見ていきたいと思います。

そもそも睡眠とはどういうものか??

睡眠は体内時計や自律神経など色々なものが関係していて、精密に制御されています。種類としては、大きく分けて2種類あります。1つは「レム睡眠」で、もう1つは「ノンレム睡眠」です。この2つが約90分周期で変動することで、入眠から覚醒までをコントロールします。

睡眠状態はよく休息状態だと表現されがちです。しかし、「レム睡眠」と「ノンレム睡眠」では大きく状態が異なります。レム睡眠のレムは英語では「REM」と表現され、「Rapid Eye Movement」の略になり、言葉通り眼球が素早く動いている状態になります。脳が完全に休んでいる状態ではないので、浅い睡眠と言われています。これに対してノンレム睡眠は「non-REM」のことで、全身の筋肉が弛緩され、エネルギーを節約して身体を休めるための深い睡眠になります。入眠直後は深いノンレム睡眠と短めのレム睡眠が繰り返されますが、次第に浅いノンレム睡眠と長いレム睡眠を繰り返すというリズム変調が起こり(レム睡眠の割合が増えていき)、これにより覚醒へ向かっていくという流れになります。

なお、深いノンレム睡眠に関しては、大脳皮質が発達した高等生物ほど多く見られ、日中にたくさん使用した大脳皮質の疲労を睡眠の前半で集中的に休ませるという機構と考えられます。ちなみに睡眠時間の理想は、健常成人で7~8時間を確保することとされています。

糖質を摂りすぎても制限しすぎてもダメ??

糖質を制限することで睡眠に良い影響があるという研究成果が一時期話題となり、糖質制限ブームの火付けの一助になりました。これは糖質の摂取が多い食生活を続けると、交感神経優位となって興奮状態が維持され眠りづらくなるものの、糖質制限をすることで副交感神経が優位となり、リラックスモードになるため良い睡眠を得られるという考えによります。ただし、他の研究によると急激な糖質制限はむしろ逆効果ということも分かってきています。急激な糖質制限で低血糖状態が長期継続されることで、血糖値変動による眠気が起こらず、逆に睡眠不足になってしまうこともあるのです。

また、糖質には睡眠ホルモンの原料となるトリプトファンの脳への移行を助けてくれる働きもあることも睡眠が良くなる一因と考えられます。また、脳の重要なエネルギー源が長期的に不足してしまうことによって、脳の働きが鈍って体内時計調節が異常となることがあり、これにより不眠につながることもあります。つまり、睡眠においても糖質摂取のバランスが大事になるということです。糖質制限を行う場合にも、自身の体調ときちんと相談しながら行うことが大事になります。具体的には、野菜、タンパク質などを先に摂るようにしたり、寝る2時間前までには食事を終わらせたりすることが有効です。

糖質の「量」以上に「質」が大事??

前述したように、糖質量のバランスはもちろん睡眠にとって大事なことですが、実はそれ以上に糖質自体の質がより大事になってきます。

糖質と一口に言っても色々な種類があります。砂糖や精製糖質などのいわゆる「単純糖質」を多く含んだ食品を摂取すると、血糖値が早期に急上昇しインスリンが分泌されます。この機構に続いて、アドレナリンやコルチゾールなどの覚醒に関するホルモンが多く分泌されてしまい、血糖値が上昇して眠りに入るのが早くなったとしても、夜中に途中覚醒する回数が増えるという一見矛盾した現象が起こってしまう可能性があります。

そのため糖質を摂取するなら、単純糖質ではなく、食物繊維と一緒に「複合糖質」を摂取した方が有効です。例としては、全粒穀物や豆類などが該当し、摂取した際には血糖値は上がるものの安定することがわかっています。夜に食べれば血糖値が安定し、良い睡眠につながることが期待できるのです。さらに、複合糖質にハーブやスパイスなどを合わせることで、より効果が上がることもわかっています。例えば、夜ご飯以降の時間は飲み物をハーブティーに切り替えると効果的になるでしょう。ただし、アスリートなどエネルギー消費が多い人達は、単純糖質でエネルギーを作ることが必要になるため、場合によっては複合糖質よりも単純糖質を多めに摂った方が良い睡眠につながる場合もあると言えます。

睡眠と糖の関係はまさに「複雑」です。各々にあった糖質ライフを意識し、ぜひ良い睡眠につなげてみてください。

【ライター紹介】

宮川 隆 (みやがわ りゅう)

名古屋市立大学薬学部卒業、南カリフォルニア大学(USC)国際薬学臨床研修修了、東京大学大学院理学系研究科修了
薬剤師、理学博士のほか10種類くらいの資格を持つ。
現在は、東京大学医学部附属病院 放射線科 核医学部門  助教&「放射性医薬品の管理責任者」、環境省「原子力災害影響調査等事業」メンバー、日本アイソトープ協会 放射線取扱主任者講習・作業環境測定士講習講師、リクルートメディカルキャリアコラム執筆など本業の合間に、わかりやすくサイエンスを伝える活動に力をいれており、近年は全日本情報学習振興協会にて講師としてYouTube動画の配信も行っている。
【全日本情報学習振興協会YouTube】
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