カンロの9つのブランドからエールを毎月発信するシリーズの第8回目は「健康のど飴」です。カンロは、1981年にお菓子としての「のど飴」である「健康のど飴」を日本で初めて発売。その後、バリエーションを増やして「健康のど飴」ブランドを確立しています。そしてブランド立ち上げから40年目を迎えた2021年、大幅なリニューアルを実施しました。
今回は「ボイスケアのど飴」と兼任で「健康のど飴」のブランド室長も務める平野修司さんに、「健康のど飴」のブランドで進めている取り組みの内容やブランドに対する想い、ブランド室長としての考え、今後の展望などを伺い、「健康のど飴」ブランドからのエールをお贈りいたします。
発売から40周年を迎えるロングセラー「健康のど飴」のブランド室長に就任
Q:2019年1月に「ボイスケアのど飴」に加えて、「健康のど飴」のブランド室長に任命された時の気持ちをお教えください。
平野:「健康のど飴」は、2021年でちょうど発売40周年を迎えるロングセラーブランドです。発売以来、高水準な売上げの時代を重ねてきたことで、カンロの礎を築いたようなブランドでもあります。今では1955年に発売された「カンロ飴」と並ぶくらいの存在となり、売上げ的にカンロの大部分を占めていた時期もありました。このような歴史あるブランドの室長を任された時は大きな責任を感じました。
一時期は売上げも右肩上がりで推移してきた「健康のど飴」ですが、近年では競合商品も増えて苦戦することが多くなってきました。そんな状況もあってブランド室長に就任した時は、「健康のど飴の売上げを立て直してV字復活を成し遂げなければいけない」という思いを強く持ちました。社員だけでなくお客様にとっても思い入れの強いブランドですので、そこをどうやって今風に変えていくべきなのかと悩みながらブランド室長に就任した思いがあります。
Q:「健康のど飴」と「ボイスケアのど飴」はそれぞれどのように棲み分けをされているのでしょうか。
平野:「健康のど飴」は一般の方たちに向けた元祖のど飴です。一方、「ボイスケアのど飴」は、2010年に国立音楽大学の合唱サークルに所属する学生たちの声を聞きながら作り上げた商品で、声を専門的に使う人にターゲットを絞り込んだ「声に特化したのど飴」です。
パッケージデザインやハーブエキスの配合などを大幅リニューアル
Q:最近、「健康のど飴」ブランドがリニューアルされましたね。
平野:はい。「健康のど飴」ブランドが発売40周年を迎えるタイミングで、パッケージデザインやハーブ(和漢素材)エキスの配合を大幅にリニューアルしました。
これまで「健康のど飴」ブランドは、パッケージデザインや素材を基本的に40年間ほとんど変えることなく発売し続けてきました。ただ、「健康のど飴」のお客様層が高齢化して売上げが低迷しているという問題点があり、今回、売上げ回復のためにそれらを一新することにしました。メインターゲットを30代女性にして、そのターゲット層に響くパッケージデザインや味、配合などを考え、リブランディングを実施したのです。
具体的には、これまでのラインナップである「梅」「たたかうマヌカハニー」に「紅茶」を加え、パッケージデザインを大幅にリニューアルしました。皆様、旧パッケージデザインに様々な思い入れがありますので、消費者調査やテスト販売を行い、「どこまで変えるとお客様が離れてしまうのか」ということを色々と検証しながら、ようやくこのパッケージデザインに行き着きました。
Q:今回、「健康のど飴」ブランドのメインターゲットを変えたのには、どのような理由がありますか。
平野:「健康のど飴」はもともと若い層にも支持されており、私の妻も「学生時代によく舐めていた」と言っていました。そこで、売上げの最も大きなボリュームゾーンである30代女性に再び手に取ってもらえるようにしたいと考えました。
特に「健康のど飴 梅」は従来から女性ファンが多い商品で、「この味が好き」「雰囲気がいい」という形で認知されていました。競合商品と比較しても「健康のど飴」は30代女性のポテンシャルが高かったことから、メインターゲットに決定しました。
Q:「健康のど飴」のブランドパーパスについてお聞かせください。
平野:リニューアル後における「健康のど飴」のブランドパーパスは、「日々の暮らしをちょっと心地よくする“いたわり”のど飴」です。のど飴には機能性を重視するような商品が多く、「配合成分が良ければ、どののど飴でもいい」という扱われ方をしています。ただ、のど飴に愛着を持ってもらうためには、機能性だけでなくその商品ならではの情緒感も大切になります。そこで、機能性に加えて“いたわり”を感じられるような商品設計を行い、それが共感を呼ぶというコンセプトの下、「健康のど飴」のリニューアルを実行しました。
また、これまでの「健康のど飴」に使われていたのは29種のハーブだったのですが、「体をいたわる」ことを考えてハーブの種類や配合を見直し、「31種のいたわり素材」へと変更しました。
「健康のど飴」に配合されているハーブは、発売時の40年前に様々な試行錯誤が繰り返され、29種に行き着いたという経緯があります。しかし今回、ハーブの種類を原点からもう一度見直すことを決めて、研究所や香料会社の方たちと何回もディスカッションを行い、「どんなハーブがお客様にとって本当に良いものなのか」「そのハーブはブランドの価値を上げていくか」ということを突き詰めて素材を選び抜いていきました。味も変えていますので、食べてみるとすぐに変化がわかると思います。
抗菌パッケージにして“いたわりのど飴”へ
Q:今後、「健康のど飴」ブランドをどのようなブランドにしていきたいと考えていますか。
平野:「機能+情緒」がしっかりと認知されるブランドにしていきたいですね。ブランドパーパスにもある“いたわり”を持つのど飴にしていくことで、ファンをさらに増やしていきたいと考えています。
今回、新しいパッケージデザインを制作する際に、30~40代の女性から圧倒的に支持されているメディアサイト「北欧、暮らしの道具店」様にご協力いただいているのですが、このサイトとのコラボキャンペーンとして、「北欧、暮らしの道具店と叶える いたわり時間キャンペーン」を2022年3月まで実施しています。こうした施策を通して、ターゲット層にアピールしていきます。
また、キャンディエール活動の一環として、12月から受験生向けの「健康のど飴 梅」を5種類の受験応援仕様パッケージで発売し、受験応援キャンペーンを実施予定です。
Q:コロナ禍の今だからこそ活きる、「健康のど飴」ブランドの社会的存在意義はどこにあると思いますか。
平野:最近は「喉のケア」ができるのど飴が重視される傾向にあり、そうした状況を念頭に、リニューアル後の「健康のど飴」は“いたわりのど飴”をコンセプトにしています。
また、より安心感を持って愛用してもらうために、今回のリニューアルからパッケージ表面に抗菌加工を施し、お菓子ではあまり見ることができない抗菌加工の認証マーク「SIAA」を取得しました。このように、ストレスなく手に取ってもらえる存在ののど飴になれるよう、日々努力しています。
Q:最後に、「健康のど飴」ブランド室長からお客様に向けたエールをお願いします。
平野:今回「いたわり時間の創出」をテーマに「健康のど飴」を大幅リニューアルしましたので、自分自身をいたわるためにもぜひお試しください。「以前は購入していたけれど、最近は買わなくなった」という方にも、新しくなった「健康のど飴」を手に取っていただき、舐めてホッと一息ついていただけると、とてもうれしいです。
北欧、暮らしの道具店と叶える いたわり時間キャンペーン
https://kanro.jp/blogs/campaign/nodo_itawari