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固体? 液体? 水飴やようかんは何でできている?


水飴や水ようかん、水まんじゅう……和菓子には「水」とつく名のものが多くあります。
ということは、個体ではなく液体なのか? と思うとそうではなく、どちらも柔らかさの中にも存在感がありますよね。そこで今回は飴とようかん、水飴と水ようかんはそれぞれ何でできているのか、違いは何かについてご紹介しましょう。

 

水飴はどのようにして作られるの?

とろりと優しくそのまま食べてもおいしく、調味料としても重宝する水飴。
和菓子や洋菓子、飴玉作り、大学芋や佃煮、照り焼きなどさまざまなものに使用されています。水飴は固形である飴玉とは違って水という名が付くようにとろりとした柔らかさが特徴的です。したがって飴玉のように個包装ではなく、瓶やパウチなどの容器に入れられています。
固い飴を作る時の材料にもなる水飴は、主に穀物やイモ類に含まれているデンプンをアミラーゼという糖化酵素や麦芽酵素を使用し分解させて作られた酵素糖化水飴と、酸と熱でデンプンを分解した酸糖化水飴とがあります。※1
エッ? お砂糖に水を入れて煮詰めたものではないの? とビックリされる方も多いと思います。
もちろん、さっと自宅で作るという時は砂糖と水を煮詰めても作れますが、一般的に売られている水飴はサトウキビや甜菜からつくられる砂糖とは違い、穀物やイモ類などが原材料なのです。※2
また、砂糖の主成分はショ糖ですが、水飴の主成分は麦芽糖です。
なめるのが目的であれば手間暇かけて作られる昔ながらのおいしい水飴として知られる麦芽糖がおすすめですが、料理などに使用するのであれば価格も安い酵素糖化飴、着色したりするには酸糖化水飴を使用するなど、使い道に合わせて選ぶと良いでしょう。
 

 

飴は優れた栄養チャージ食品

飴玉は口にポンと入れるだけで優しい甘さが広がり、思わず笑顔になれる、老若男女問わず多くの方に愛されているお菓子ですね。
砂糖と水飴が主原料の飴は日持ちもして栄養価に優れ、疲れた体に必要な糖分を摂取できるという点で注目されています。
防災食として、常時携帯する人も増えていますし、山登りの携帯食として、戦場における兵士の手軽な栄養食として、自衛隊の野戦食としても重要視されています。
飴の常備をしておけばいざという時にとても役に立ち、疲れた体をほぐし、リラックスさせ、栄養を補給したいときにすぐに食べることができます。※3※4

 

ようかんと水ようかんの違いは?

昔ながらの和菓子の定番として長年愛されているようかん。
包丁で切る時にもなかなかの手ごたえを感じる練りようかんと、夏の風物詩の甘味として、口に入れるととろける水ようかんが代表的です。
他に葛粉などを加え、良く練って蒸しあげた蒸しようかんも存在します。※5
練りようかんと水ようかんの原材料はほぼ同じ。小豆・砂糖・寒天の3種類とごくごくシンプルです。練りようかんは砂糖が多めで水分が少なめ。
寒天を使用し、煮詰めながら良く練って型に入れ、固めたものです。しっかりと煮詰めて練り上げるほど固いようかんとなります。
水ようかんは練りようかんよりも砂糖と寒天を少なめにし、煮詰めないところが違います。
水と寒天を煮溶かし、砂糖と餡を加えてしっかり混ぜた後、火から下ろして粗熱が取れるまでしっかりと良く混ぜてから冷やし固めます。
水ようかんと言っても決して水で薄めたわけではなく、水分が多いので水ようかんと名付けられたのです。
作り方とお砂糖や寒天の量の違いで全く異なった舌触りと味を楽しむことができます。
ダイエット中の方の中には水ようかんと練りようかんのカロリーは差があるのかどうか気になる方も多いのではないでしょうか。

ようかんについては下記の記事でもご紹介しています。
ういろうと羊羹ときんつば。違いと歴史を知ろう

それぞれの個性と味を楽しもう

水飴と飴、ようかんと水ようかん、どれも同じ甘味ですが、食感、舌触り、甘みの強さなどが違うので、それぞれに個性と味を楽しむことができます。
心身共に疲れている時、なんだかとてもイライラしているときは脳がエネルギー不足となっている場合が多く、そういう時は自然と甘いものが食べたくなることがあります。
身体というのはとても良くできており、汗をかいたときは水分や塩分が欲しくなるなど、自然と身体に必要なものが食べたくなるのです。
身体が欲するものを適量摂取することは身体に必要なものを満たすことになるので理にかなっていることと言えます。
甘いものを食べたくても太るからと我慢しすぎてしまうのはかえって逆効果になる場合もあります。適度な糖分は身体に大切です。精神を安定させ、脳や身体に元気を与えてくれます。
甘いものはティータイムに食べる、夜寝る3時間前には甘いものは食べない、食べる量をあらかじめ決めておくなど自分なりのルールを決めておけば、食べ過ぎたり、食事に影響したりすることはありません。
飴やようかん、ケーキなど個性と味を楽しみながら賢く上手に糖分を摂り入れてみてはいかがでしょうか。


 

参考URL 
※1 水飴とは
http://www.kyoame.co.jp/syrup

※2 水飴
https://kotobank.jp/word/%E6%B0%B4%E9%A3%B4-138565

※3 登山における行動食の重要性とは?
http://tozanyouhin.net/energyfood/

※4 【防災グッズ|防災セットに】6年間保存可能な飴が新登場!
http://firefightings.club/pid-pidlink-12088.html

※5 和菓子入門 栗蒸し羊羹
https://www.hontaka.jp/guide/js/06.html