サトウキビ? テンサイ? サトウカエデ? 人間を支える糖分いろいろ!


砂糖は紀元前から人間に利用されてきたと言われています。
砂糖の原料となるのは、サトウキビなど糖を蓄える植物です。
糖を蓄える植物から抽出して作られた砂糖は、甘味を付ける調味料としてだけでなく、人間の食生活に役立っています。
そこで今回は、人間を支える糖分についてまとめました。

 

砂糖の原料になる植物は?

世界で砂糖の原料として利用されている植物は、主にサトウキビとテンサイです。そのほかには、サトウカエデやサトウヤシなどがあります。
古くからこれらの植物を栽培することで、砂糖が作られてきました。※1

日本へ伝わった時代はさまざまな説がありますが、中国から遣唐使によってもたらされたと言われています。
当初は手に入りにくい品だったため大変貴重で、薬として扱われていました。
日本で砂糖の製造を始めたのは江戸時代初期。薩摩藩の管轄である鹿児島県南部の奄美大島・喜界島・徳之島でサトウキビが栽培されていました。※2
 

 

砂糖の原料になる植物ってどんなものがある?


・サトウキビ
サトウキビは、太い茎に糖分を蓄えて育つイネ科の植物です。
温かく湿った気候で育ち、日本では沖縄や奄美大島などで栽培されています。
サトウキビを収穫したあとに、茎を細かく砕いて砂糖を抽出します。
サトウキビから作られた砂糖を「甘しゃ糖」「きび砂糖」と呼びます。※3

・テンサイ
テンサイはカブのような形をしており、根の部分に糖分を蓄えるヒユ科の植物です。
ヒユ科の植物にはホウレン草があり、テンサイもホウレン草のような濃い緑色の葉を付けます。
寒冷な気候を好み、日本での主な産地は北海道です。
収穫されたテンサイは、カブのような根を細かくして糖分が抽出されます。
テンサイから作られた砂糖を「テンサイ糖」と呼びます。※4

・サトウカエデ
北アメリカ原産の落葉樹で、カナダの国旗のデザインになっているのがサトウカエデです。
サトウカエデの樹に穴を開けて集めた樹液は、メープルウォーターと呼ばれます。
さらさらとしたメープルウォーターは煮詰めるとメープルシロップになり、
メープルシロップをさらに煮詰めて結晶化させたものが「メープルシュガー」です。
琥珀色の砂糖で、料理やお菓子作りに使われています。※5※6

・サトウヤシ
サトウヤシは、東南アジアを原産とするヤシ科の植物です。
「ヤシ砂糖」は、サトウヤシの花序(かじょ)の先端を切断して集めた液を煮詰めて作られます。※7
濃い茶色の砂糖で、まろやかな甘味とコクが特徴です。
インドネシアではヤシ砂糖が主に使われています。
固形で売られていることが多く、粉末状になったものもあります。
 

甘味を付けるだけじゃない砂糖の役割


甘味を付けるだけじゃない砂糖の役割サトウキビやテンサイから抽出された糖は、加工されて上白糖やグラニュー糖などになります。
砂糖は、食材に甘味を付けるために使われるだけではありません。砂糖には水分と結合しやすい特徴があり、この特徴を利用してさまざまな効果を生み出します。

肉に砂糖を揉み込んで下処理をすると、加熱しても柔らかく仕上がります。これは砂糖が水分を引き寄せて肉の組織に結び付けるためです。
また、スポンジケーキを作る時、卵白を泡立ててメレンゲを作りますが、泡立ての途中で砂糖を小分けにして加えると、卵白の水分と砂糖が結び付いてしっかりとしたメレンゲになります。
クッキーなどバターをたっぷりと使う焼き菓子は、油脂中の水分と砂糖が結び付くことで酸化しにくくなり、味の劣化を防ぐ働きをします。
ジャムなどの砂糖をたくさん使用した食品は、食材の水分を砂糖が抱え込むため、カビや細菌が繁殖しにくくなり腐敗防止にも効果的です。

このように食材の水分と砂糖が結び付くことで、食感や味わいを良くするのみならず、さまざまな効果をもたらします。
 

おいしそうな焼き色を付ける


砂糖は水分と結び付くほかにも働きがあります。
マドレーヌやパンなどを焼き上げるとキツネ色になり、食欲をそそる香りが漂いますよね。
これは砂糖と小麦粉・牛乳・卵などに含まれるアミノ酸が反応してメラノイジンと呼ばれる物質ができるからです。この反応をアミノカルボニル反応、またはメイラード反応と呼びます。

お菓子やパンを作るとたくさんの砂糖を使うのに驚くこともありますが、おいしそうな焼き色や香りをつけるためには必要なのです。
料理ではアミノカルボニル反応だけでなく、さまざまな反応が起こり風味を作っています。
 

加熱によって状態が変化する

粒状の砂糖は加熱することで形状が変わります。
形状が変わる性質を利用して、飲み物の甘味料、風味付け、着色などに活用されています。

砂糖を加熱して103℃を超えると、無色透明の液状となります。
加熱を続けると粘りが出てきて、冷やすと固まります。この性質を利用して飴などが作られています。
165℃を超えるとキツネ色から濃い茶色に変化し、190℃になるとプリンなどに使われるカラメルになります。コクや香りが増した状態に変化するのです。

紀元前から活用されていた砂糖は甘味を付けるだけでなく、食材の保存性を高め、おいしそうな焼き色や香りにするなどの働きがあります。
また、加熱によって形状が変化する性質も料理やお菓子作りには深く関わっているのです。
このように人間は砂糖の特徴を活用しながら、食生活を彩り豊かにしているのですね。



 

参照元URL
※1 https://www.alic.go.jp/content/000114774.pdf4
砂糖は安心な自然食品
※2 https://www.alic.go.jp/koho/kikaku03_000078.html
砂糖の歴史
※3 https://kotobank.jp/word/サトウキビ-766258
サトウキビ
※4 https://www.alic.go.jp/koho/kikaku03_000770.html
砂糖の原料について~てん菜~
※5 https://kotobank.jp/word/サトウカエデ-1539114
サトウカエデ
※6 http://maplefromcanada.jp/about/2_index_detail.php
メープルシロップとは メープルシロップができるまで
※7 https://kotobank.jp/word/サトウカエデ-1539114
サトウカエデ
※8 https://worldchefsbible.com/知識の宝庫/食材の知識/砂糖/温度による砂糖の変化8種類/
温度による砂糖の変化8種類
※9 https://sugar.alic.go.jp/japan/view/jv_0405a.htm
「菓子と砂糖のおいしい関係」(2)