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実は日本が少数派? 海外では糖分なしのお茶は少ない?


日本で売られているお茶にはいろいろな種類がありますが、砂糖などの糖分を加えた甘いお茶は紅茶ぐらいで他はほとんど甘くありません。しかし、海外では甘いお茶が多いことをご存知でしょうか。
欧米やタイなどは甘いお茶というのがスタンダードなので、日本のお茶を飲むとびっくりされる方が多いそうです。
そこで今回はそんな海外のお茶と糖分の関係についてご紹介しましょう。
 

日本では甘くないお茶が主流だけど世界のお茶はどうなの?


日本人の多くが飲む緑茶はほのかな苦みと心地よい爽やかな香り、自然な甘みとコクが特徴です。飲んだ後はさっぱり、すっきりとして何杯飲んでも飽きません。※1
しかし、この自然な甘みと苦みのある緑茶の味が美味しく感じられるというのは日本人の感覚で、海外のお茶は糖分がしっかりと加えられ、かなり甘いのが常識。
アジアでも、苦みや渋みを抑えるために大量の砂糖、乳製品を加える国が多いようです。
お茶の1人当たりの消費量が多いタイ、ベトナムなどでは紅茶や緑茶に大量の砂糖を入れて飲みます。
ベトナムはお茶だけでなくコーヒーにもたっぷりと砂糖や乳製品を加えます。※2※3
中国のお茶は日本と同様に甘くないのでは? というイメージがありますが、中国も場所によっては甘いお茶のほうが多いようです。※4

インドの紅茶は甘くて濃いチャイなどが有名ですよね。
お茶がこのような味になっているのは、国それぞれに理由があります。
タイの食文化は日本とは違い、辛さと甘み、そして酸味のどれかが入っているのが当然。甘みが強いお茶は当たり前のものであり、はっきりと甘くないものは逆に受け入れることが難しいと言えます。※5※6
また、海外でお茶は日頃の疲れをとる意味があり、疲労回復のために糖分を多く入れる傾向があります。
そして、国によっては高級品である砂糖、糖分を摂ることにより、満足感を得たい、贅沢さを味わいたいという意味や思いもあるのです。またお店だけではなく、コンビニエンスストアのお茶もほとんどが加糖だそうです。


日本にいるとお茶は甘くないものというイメージが普通なのですが、グローバルに見るとそれはとても不思議であり、なぜお茶が甘くないの?とビックリされてしまうことが多いのです。
ところ変われば品変わるとはこのこと。
日本以外の国のお茶事情は、糖分をたっぷりと入れて飲むのがごく一般的。緑茶にもお砂糖を入れるのが普通で、糖分なしのお茶を好むのはごくごく少数派なのです。
 

世界のお茶ランキング、日本の消費量は?


日本人はお茶が大好き。特にお茶の産地の方などは食前、食中、食後、ティータイムなど一日中水分補給代わりにお茶を飲む方もいらっしゃいます。
日本では緑茶をはじめ烏龍茶、麦茶、ほうじ茶といったお茶の種類も多く、自動販売機でもいろいろなお茶が販売されて人気となっているほか、最近ではトクホのお茶もあります。
そのため、世界の中で日本はトップクラスのお茶の消費量と思っている方も多いのではないでしょうか。実は消費量のトップはインドです。ついで中国、ロシア、イギリス、日本の順番だそうです。※7
また、日本の生産量はというと2016年の調査では紅茶・烏龍茶などを含めても世界では10番目ほど。ダントツに他の国より人口が多いこともありますが、中国、その次がインド、ケニア、スリランカ、トルコ、ベトナム、インドネシア、ミャンマー、アルゼンチンと続いて日本となります。※8
お茶というと日本では緑茶が主流ですが、世界ではお茶というと紅茶が多数派。
飲み方はやはりお砂糖とともに淹れられ、甘みがあります。

なお、抹茶やほうじ茶についてはこちらでご紹介しています。
抹茶と緑茶の違いは? お抹茶の淹れ方や抹茶スイーツも紹介
抹茶スイーツ人気は健在! トレンドは濃い抹茶
砂糖とミルクとの相性抜群。ほうじ茶スイーツの魅力

アメリカで人気の甘い緑茶とは?

アメリカでも緑茶の人気が高まっており、その消費量が増えるとともに、日本からアメリカへ輸出する量も多くなっています。しかし、緑茶といっても人気なのは日本のような甘くないお茶ではありません。
抹茶を使用したアイスクリームやスイーツ、そして飲むとガツンと甘い緑茶ドリンクのAriZona(アリゾナ)が人気です。
AriZonaは1992 年にビールを扱っていた企業が販売を開始。アメリカでは緑茶と言えば甘くて冷たいAriZonaドリンクを思い浮かべる人が多く、大量にまとめ買いする人も多いとのことです。
「緑茶100%ALL NATURAL」と記載されていますが、想像を絶する甘さで日本人が飲むと大きな違和感を抱く味となっています。健康に良い朝鮮人参とハチミツも加えられているので、日本で普段飲む緑茶とは甘みだけでなく香りも風味もかけ離れています。
緑茶は身体に良いと、アメリカではアイスティーを頼むと緑茶が出てくるほどに一般化していますが、実際に出てくるのは甘いAriZonaであることがほとんどのようです。
アメリカではお茶というのは甘いのがやはり当然であり、紅茶やコーヒーにもたっぷりとお砂糖を加えて飲むので、お茶が甘くないというのはそちらのほうが不思議なこと。
ニューヨークの回転ずしや和食のお店では出された緑茶にテーブルに備え付けてある砂糖を加えて飲むのだとか。当たり前にお砂糖が備え付けてあるということは甘くないお茶を飲む人がごくわずかなのだということが分かります。※9※10

海外に行く時はお茶とは甘い飲み物であると頭に入れておき、郷に入っては郷に従えで甘いお茶にチャレンジしてみるのも良いでしょう。意外にもすんなりと美味しく飲めるかもしれませんし、新たな味覚の発見に新鮮さを感じることができるかもしれません。

参照元
※1 お茶の里城
https://www.ochanosato.jp/chieinfo/ochanituite/0056/
※2 コーヒーの歴史35~ベトナムのコーヒー産業~ 
https://coffeemecca.jp/column/trivia/10502
※3 あじわうアジア
http://asiwauasia.asia/2015/09/23/ベトナムコーヒー/
※4 人民日報社 中国人に学ぶ 健康に良いお茶の飲み方
http://j.people.com.cn/94475/7976219.html
※5 タイ国政府観光庁日本事務所 タイ料理
https://www.thailandtravel.or.jp/about/thaicuisine/
※6 JTBタイ支店 タイ料理の歴史や特徴を知る
https://www.jtb.co.jp/kaigai_guide/report/TH/2014/07/thai-cooking.html
※7 公益財団法人世界緑茶協会 世界の茶消費量
http://www.o-cha.net/teacha/ryutsu/sekaisyouhiryou.html
※8 国際統計データ 世界の茶 生産量 国別ランキング・推移
https://www.globalnote.jp/post-1255.html
※9 (アリゾナビバレッジ) 緑茶
https://www.drinkarizona.com/product/green-tea-with-ginseng-honey
※10 楽園ハワイと私
http://www.mo-hawaii.com/tigger/647.html