ハロウィンの伝統のお菓子って知ってる？ ハロウィンの元祖はケルトの暦って本当？

秋になると、カボチャのインテリアや仮装のアイテムが店頭に並びます。日本でもすっかり定着したハロウィンのルーツは、ケルト人のお祭りです。ケルト人たちは、日本で知られているハロウィンとは少し違った風習を行っていました。

そこで今回は、ハロウィンのルーツと伝統的に食べられているスイーツをご紹介します。

ハロウィンの発祥は古代アイルランドのお祭り

10月31日のハロウィンは、古代アイルランドに住んでいたケルト人の特別なお祭が起源だと言われています。秋の収穫を祝うとともに、悪霊などを追い出す宗教的な行事です。

ケルトの旧暦の元日は11月1日で、その前日であるハロウィンには死者の魂がよみがえり、その人が生まれた家に帰ると信じられていました。死者の魂は、幽霊や妖精、悪魔などの姿をしており、家に戻ったときに機嫌を損ねないように食べ物や飲み物を用意しておくのが伝統です。また、子どもが悪魔やお化けなどの怖い仮装をすることで、死者の魂に気づかれないようにしていたのです。

現在でもアイルランドでは、伝統的にハロウィンを祭事しています。日本でも、大晦日から新年には年越しそばやお雑煮などを用意するように、アイルランドでもキャベツをマッシュポテトに混ぜた「コルカノン」など、伝統的な食べ物を用意して過ごしています。

多くのアイルランド人がほかの国に移住したことで、アメリカにハロウィンが伝わり、世界的な人気につながりました。日本でおなじみのハロウィンも、アメリカから伝わったものです。　※1

アイルランドで親しまれているハロウィンの伝統的な食べ物

アイルランドでハロウィンに食べられているお菓子は、レーズンなどのドライフルーツを入れたケーキの「バームブラック」です。

バームブラックの名前の由来は、アイルランド語の「バーム＝イースト（酵母）」と「ブラック＝斑点のある」からきていると言われています。バームは、材料にイーストが使われていることを表し、「斑点のある」は、生地に混ぜられたドライフルーツが切り分けたときに斑点のように見えることを表しています。現在では、イーストを使わずに作られることもあるようです。

10月の終わりごろになると、アイルランドではお店にバームブラックが並び、家庭でも手作りされます。31日の夕食時に食べるのが伝統ですが、バームブラックが店頭に出始める時期になると、ハロウィン以外のアフタヌーンティーにおやつとして食べることもあるほど親しまれている食べ物です。

紅茶に漬けたドライフルーツをたっぷりと入れたバームブラックは、お菓子というよりも甘いパンのような味わい。そのまま食べるほかに、バターを添えて楽しみます。長方形のパウンドケーキのような形で焼かれるほか、ハロウィンでよく食べられるのは丸くふっくらと焼かれたものです。

バームブラックには、指輪、コイン、小枝、ボタンなどが埋め込まれています。生地を焼く前に小物を油紙に包んで埋め込み、切り分けたときに出てきた小物から運勢を占うそうです。指輪は「結婚する」、コインは「お金持ち

になる」など、出てきた小物で違う意味が込められているそうです。新年を迎える前に占いをする風習は、日本のおみくじのようでもありますね。　※2

アメリカで変化したハロウィンの行事

アイルランドから大陸を渡って伝わったハロウィンは、アメリカで変化します。各家庭を回り「トリック・オア・トリート（お菓子をくれないといたずらしちゃうぞ）」と言って子どもたちがお菓子をもらう習慣は、アメリカでもともと行われていたキリスト教の行事と組み合わさり、広く伝わったといわれています。

家を訪ねてきた子どもたちにチョコレートやキャンディなど、さまざまなお菓子を配りますが、そのなかでもアメリカで欠かせないお菓子は「キャンディコーン」です。

キャンディコーンは、とうもろこしの粒の形をしたキャンディです。アメリカが農業社会であった100年以上前に登場し、そのころから親しまれています。白、オレンジ、黄の3色で色付けされたキャンディは、カラフルで色鮮やか。砂糖とコーンシロップを主な材料にして作られ、味はとてもスイートで、食感は柔らかいのが特徴です。日本ではあまり見かけないお菓子ですが、アメリカのスーパーではハロウィンの時期にキャンディコーンが並び、甘い香りがただよいます。

またアメリカでは、リンゴに棒をさしてキャラメルを掛けた「キャラメルアップル」を食べるのが定番です。日本のお祭りで食べるリンゴ飴のようなもので、フレッシュなリンゴのシャキシャキ食感とキャラメルの香りを楽しめます。日本のリンゴ飴とは違い、ナッツやチョコレートなどでデコレーションされているものもあります。このように、海外のハロウィンでは、いろいろな食べ物を用意して過ごしています。　

10月になると、日本でもジャック・オ・ランタンが街を飾ります。ショッピングモールではスタッフに「トリック・オア・トリート」と言うとお菓子がもらえたり、街で親子の仮装パレードが行われたりと、ハロウィンを楽しむ姿を見掛けるようになりました。外出先だけでなく、家庭でも子どもたちが大好きなキャンディやお菓子を用意して、海外で親しまれているお菓子を食べて楽しんでみてはいかがでしょうか。　

参考URL
※1　https://www.inside-games.jp/article/2016/10/31/103073.html
そもそも「ハロウィン」の起源って？駐日アイルランド大使がコメント
※2　https://www.ireland.com/ja-jp/what-is-available/%E3%83%95%E3%83%BC%E3%83%89%E3%83%89%E3%83%AA%E3%83%B3%E3%82%AF/%E8%A8%98%E4%BA%8B/halloween-recipes/
アイルランド政府観光庁　恐ろしいハロウィーンの晩餐