ローカーボが気になる女子に。糖質制限の課題を知って、上手にダイエット。 ローカーボという言葉をよく耳にするようになったのは、ごく最近のことです。「糖質制限をすると体重が落ちやすい」、「糖質は身体によくないから」と糖質の摂取を極力減らすような動きが見られ、低糖質という意味の「ローカーボ」という言葉が誕生しました。
ここでは、ダイエットにおいてローカーボは本当に有効なのかを考え、糖質制限を行う際の注意点などについてみていきたいと思います。
ローカーボってなに? どうして痩せられるの?
「ローカーボ」とはすなわち低糖質という意味を表す言葉です。近年ではレストランやカフェでも、ローカーボメニューと表して提示するお店が増えてきました。
ローカーボというと「厳しい糖質制限食」のことをイメージする人もいるかもしれませんが、実はそうではありません。ローカーボは極端な糖質制限という意味ではなく、「適正な糖質を摂りましょう」という意味合いがあるそうです。
しかし、正しい意味を理解している人は少なく、かつて流行した糖質制限ダイエットの名残りから、いまだに「糖質=悪者」と考えてしまう人も多いのが現状です。なぜ糖質制限がダイエットに良いと考えられるようになったのか、改めて見ていきたいと思います。
まず、糖質は脂質・たんぱく質とともにエネルギーを産生する栄養素ですが、その中でも一番初めに代謝されます。その次に脂質、たんぱく質と、エネルギー産生に使われる栄養素が続きます。
そのため、この糖質の摂取を控えることで、次に燃やされるはずの脂質が効率よく使用され、痩せやすくなるというのが糖質制限の基本的な考え方です。
ダイエット中は緩やかな体重減少よりも、いかに結果を早く得られるかということを期待してしまいますよね。早いスピードで体重減少の実感が得られやすく、効率良くダイエットができるというのが糖質制限の人気の秘密なのでしょう。
本当に糖質は悪者なの? 摂らないほうが良いといわれる理由とは?
近年ではローカーボメニューを提供する飲食店が増えていることからも、どうしても糖質=悪者と考えられがちです。糖質を減らすとスルスルと体重が落ちるとの口コミも横行しており、いち早く結果を出したい人には魅力的なダイエット法に映るのではないでしょうか。
しかし、実際それは一時的なものであり、食生活をもとに戻すと高確率でリバウンドしてしまいます。また、糖質制限をしすぎると脳に栄養が届かずに疲れやすくなったり眠くなったりといった症状も現れることがあります。
多くの場合問題となっているのは、ごはんを大盛りにしたり間食や夜食などから糖を摂りすぎたりした場合であって、バランスのとれた食生活を心がけて適度な糖質を摂取している分には肥満に直結するようなことは起こらないでしょう。
確かに糖質を摂りすぎてしまうと中性脂肪を増やす原因になることもありますが、糖が悪いというわけではなく、「過剰な糖質」が良くないだけのようです。
これは他の栄養素に置き換えることもできます。脂質はもちろん、たんぱく質でさえも摂り過ぎれば太ってしまう原因となります。糖質だけではなく、どんな栄養素でも摂りすぎが身体に良い作用をもたらすことはありません。
糖質は身体を動かすエネルギーとなる大事な栄養素であり、脳の活性化にもつながっています。悪者とされがちな糖質ですが、適量を摂っている分には害のない栄養素であり、むしろ健康を維持するためには欠かせない大事な栄養素であるということを知っておきましょう。
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ローカーボは適度に。糖質との上手な付き合い方
糖質は摂りすぎず、適度に摂取するというのがポイントです。主食の量だけではなく甘い飲み物やおやつの摂りすぎなど、必要以上に糖質を摂取していないかどうかを見直してみることからはじめましょう。糖質制限とは、「過度な制限をすることではなく、糖質の過度な摂取を控えるもの」と考えておくのが正解のようです。
今までのダイエットは、食事の量を減らし、カロリーを制限するという方法が主流でした。しかし、今では摂り方の工夫次第では何を食べても良いという考え方へと変わってきています。
糖質は決して摂ってはいけないものではなく、むしろ健康のためにも摂って欲しい栄養素です。あくまでも「適正」の量を守ったうえで糖質を摂ることが、健康への近道といえるのではないでしょうか。
糖質と上手に付き合うためのツールの一つとして、低糖質甘味料というものがあります。低糖質甘味料は血糖値上昇の原因となるブドウ糖を含んでいないため、血糖値の上昇を抑えられるというのが特長でしょう。※1
血糖値の急激な上昇はインスリンを大量に放出することからも、体重増加の原因となる場合もあります。低糖質甘味料を使うことで血糖値の急激な上昇を抑えられれば、ダイエットにも効果が期待できます。※2
糖質は完全な悪者ではないということやローカーボについて正しく理解をし、量を意識しながら摂ることで、上手に健康管理をしていきましょう。
参考
※1 糖尿病ネットワーク 「低カロリー甘味料は血糖値に影響しない ただし食べ過ぎには注意」
https://dm-net.co.jp/calendar/2018/028163.php
※2 クラブパナソニック ダイエットナビ 血糖値の上昇を抑えるインシュリン
https://club.panasonic.jp/diet/kiso/insulin/
ライタープロフィール
佐々木優美(管理栄養士)
病院にて給食管理や栄養指導に従事しフリーランスとして独立。webメディアでは健康・栄養系のライターとして記事を執筆しています。その他、食育教室や自治体主催の料理教室、短期大学の非常勤講師などの仕事を通じて、食の大切さを伝える活動をしています。