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適糖ライフのススメVol.1 「遊離糖類とは」



「遊離糖類」とはご存知でしょうか?

なかなか聞かない言葉だと思いますが、世界保健機関(WHO)が2015年のガイドラインに、肥満や虫歯予防を目的に、1日の遊離糖類の摂取量を一日に摂取するエネルギー量の5%未満相当に控えると、より健康につながる可能性があると推奨しているものです。 具体的に心臓疾患や肥満、糖尿病、虫歯になるリスクが下がることが期待できると言われます。

そもそも遊離糖類とは??
 

それではここで言う遊離糖類とはどのようなものでしょうか?

WHOの定義によりますと「蜂蜜やシロップ、果物ジュースに天然に存在する糖類および製造元や消費者が食品に添加する糖類」のことを意味します。

そうは言ってもなかなかわかりにくいですよね。
まずは「糖」について整理してみましょう。

「糖」はたんぱく質や脂質と並ぶ3大栄養素の1つです。これらはからだのエネルギー源やからだを作る材料になります。

糖の一番小さな単位を「単糖」と言い、主要なものとしてブドウ糖や果糖があります。単糖が2個つながったものを二糖と言い砂糖(ショ糖)や乳糖、麦芽糖、トレハロースなどがあります。そしてこれらをまとめて「糖類」と呼びます。

糖のつながる数が増える、また、構造が変わることでオリゴ糖やでんぷんになり少糖類、多糖類、糖アルコールなどと言います。 そしてこれらを合わせて「糖質」と言い、そこに食物繊維が合わさったものを「炭水化物」と言います。ごはんやパン、麺類などは糖質と食物繊維が合わさった「炭水化物」です。

糖質というと最近は悪いイメージを持たれがちですが、これだけの種類に分類されます。 そのため、どの食べ物も「糖イコール悪」という発想はおかしな話で、様々な食材から「糖」を上手に食べて楽しい食事になるようにするのが理想です。

遊離糖類は単糖類と二糖類のものを指し、特に調味料として多く摂取しすぎないようにWHOは警告しています。 遊離糖類の摂取目安量としては成人で1日あたりの砂糖の摂取量を小さじ6杯程度くらいにするとより健康的な生活と言われます。

ちなみにアメリカやイギリス、フランス、北欧、中国や韓国は糖類摂取量の推奨量を示していますが日本ではどれくらいの糖類を摂取すると健康に影響がでるのか、日本人がどのくらいの糖類を摂取しているのかほとんど明らかになっていないことから目標量は設定されていません。諸外国の数値を目安に明らかに食事がおろそかで食べるものは甘いものに偏り過ぎている・・という方は注意が必要かもしれません。
 

おすすめレシピ紹介

「適糖ライフのススメ」では、今後1日のおすすめ献立、また、レシピの遊離糖類の目安をご紹介していきます。
しかし、野菜や果物などに含まれる遊離糖類はガイドラインの対象となっていません。
リスクを確認したきちんとしたデータがないことと、果物や野菜をしっかり食べることでのメリットの方が断然大きいからです。
となるとしっかりごはんやパンを3食食べて、野菜や果物をしっかり食べてもおやつに甘い楽しみを食べられる余地は十分にあります。

今回ご紹介する3食の献立の遊離糖類は合計で約14.2gです。
その中の夕食「鶏のヨーグルトクリーム風煮込み」のレシピをご紹介いたします。
朝・昼メニューのレシピは次回以降にご紹介しますのでお楽しみに。
 

朝:「レンチン味噌汁」遊離糖類約1g(野菜・果物は除く)

・マグカップ1つで材料を入れてレンジでチンするだけ。
・栄養バランスも良いお手軽マグカップ味噌汁。

<合わせる献立>
・ごはん一人 150g
・ししゃも 一人2本
・トマト一人1/6個

昼:「そうめん冷製トマトパスタ」遊離糖類約5.8g(野菜・果物は除く)

・遊離糖類が多くなりがちなめんつゆを少量でも美味しく仕上がるよう、パスタの代わりにそうめんを使用。
<合わせる献立>
・果物 ぶどう60g

晩:「鶏のヨーグルトクリーム風煮込み」遊離糖類約7.4g(野菜・果物は除く)

・遊離糖類を多くとってしまいがちな肉料理のソースですが、乳製品を使ってクリーミーに。
・ヨーグルトの酸味を使うことで遊離糖類が多い調味料を使わずに美味しく仕上げることができます。

<材料(2人分)>
鶏もも肉 200g
塩・こしょう 少々
薄力粉 大さじ1
玉ねぎ 1/4個
しめじ 1/2パック
オリーブオイル 大さじ1
牛乳 1カップ
プレーンヨーグルト 100g
塩 少々
白こしょう 少々
ごはん 300g
ベビーリーフ 40g

<作り方>
1.鶏肉は一口大のそぎ切りにして塩、こしょうをする。プレーンヨーグルトはボウルにザルをのせてペーパーを敷いてのせ、水気を切る。
2.玉ねぎは繊維に沿ってスライスする。しめじは軸を切りほぐす。
3.フライパンにオリーブオイルを熱し、鶏肉を炒めて肉を表裏3分ずつ焼いたら取り出す。
4.3のフライパンにバターを入れて熱し、しめじと玉ねぎを炒め、鶏肉を戻し薄力粉を加えて1分程さらに炒める。
5.牛乳を少しずつ加えなめらかになるまで混ぜ、ヨーグルトを加え全体を混ぜ塩、こしょうで味をととのえる。
6.器にごはんを盛り付け、5をかけベビーリーフなどを飾る。

<調理ポイント>
玉ねぎを炒める時に焦がし過ぎないように。中火から弱火でしんなりするまで炒めると白いクリーム煮が茶色にならず、美味しそうにできます。

<合わせる献立>
・ごはん 150g
・コンソメスープ(2人分)水300ml、コンソメ顆粒小さじ1、キャベツ30g、にんじん10g、塩こしょう少々


食事をおろそかにして甘いお菓子ばかり食べては疾病リスクが上がるばかり。
しっかり食事を食べて、おやつも楽しめたら日々の食事も楽しいことだらけですよね。
上手に「きちんとした食事」と「適度なおやつ」を楽しんで、健康な体を手に入れましょう。
 

(参考文献)
・厚生労働省. 日本人の食事摂取基準(2020年版)
・世界保健機関(WHO)、ガイドライン「成人及び児童の糖類摂取量」
・国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所 「炭水化物と糖類について」

ライタープロフィール


渥美 まゆ美
【管理栄養士/フードコーディネーター/健康運動指導士】

保育園栄養士、健保組合、大手料理教室の講師を経てフリーランスで活動後2016年株式会社Smile meal設立。
現在は出版、メディア出演、レシピ開発など体にプラスな料理の提案をすると共に、企業向け健康セミナーの講師や従業員の健康をサポートする料理教室、高齢者向け介護予防教室など健康サポート事業にも携わる。