糖と料理

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適糖ライフのススメVol.6 ステイホーム中お酒を楽しむ適糖ライフ

家飲みでのお酒と食べ過ぎを楽しみながらコントロールする工夫

コロナの影響でなかなか積極的に人と会えない時期が続いていますが「家飲み」が定着化した人も多いのではないでしょうか?

そして在宅ワークやステイホームが多くなって新たに悩みとなるのが「体重の増加」「食べ過ぎ、飲みすぎでの胃腸の疲れ」。 今回は美味しいお酒を楽しみながら、「食べ過ぎた」「飲み過ぎた」といった罪悪感なく、健康を害することなく、健やかなステイホームを過ごすコツをお伝えしていきます。

お酒の適量とは?

アルコールに起因する疾病は1987年には年間1兆957億円が医療費としてかかっていると試算されており、アルコール乱用による本人の収入源などを含めると社会全体で約6兆6千億円の社会的な費用になるとのことです。 ※1)
お酒によって健康を害することや社会的地位を失うことがないよう、上手につき合っていきたいものですね。
それでは適度な飲酒量とはどれ位を言うのでしょうか?
適度な飲酒量は厚生労働省によると1日平均純アルコールで20g程度の飲酒と言われます。実際飲む量で示すと下記の分量になります。

お酒の種類 ビール
(500ml)
清酒
(1合180ml)
ウイスキー
ブランデー
(ダブル60ml)
焼酎(35度)
(1合180ml)
ワイン
(1杯120ml)
アルコール度数 5% 15% 43% 35% 12%
純アルコール量 20g 22g 20g 50g 12g

ただ一般的に女性や高齢者は男性よりもアルコール分解能力が低いため、飲むと赤くなったり頭痛や吐き気を催したりする人はもっと少なめに。あくまでも目安量として判断してください。※2)

お酒の糖質量を知って上手にコントロール

お酒にも糖質量があります。そしてその量はお酒によっても様々なので、よく飲むお酒の糖質量も把握しておくと良いですね。

  • ウイスキー:焼酎:0g
  • 赤ワイン:約1.5g
  • 白ワイン:約2g
  • ビール:約3~4g
  • 日本酒:約3.5~4.9g
  • 梅酒:約20g

※3)

ウイスキーや焼酎は糖質がほとんどゼロ。ワインよりもビールに多く、日本酒はワインの倍ほどの糖質が多く含まれます。 甘いお酒ばかり飲む人は要注意。ジュース割にする人は、ジュースの糖質量の記事(Vol.4)も参考にしてみてください。

賢いおつまみチョイス5選

お酒を飲むときは飲酒量、糖質量だけならず、おつまみの食べ方や選び方によっても先々の体調や体重にも大きな影響が。
アルコールを摂取することでアルコール分解に大量のビタミン・ミネラルが消耗されます。そのため、消耗される栄養素をしっかり食べ物で補ってあげることが体調を管理する大きなポイントになります。

おすすめおつまみ5選

1.枝豆

糖代謝や脂質代謝を促すビタミンB1やB2、アルコール分解を促し肝臓の働きを助けるメチオニンを含みます。まず、小鉢注文は枝豆で。

2.ナッツ

糖質を多くとりがちなお酒の席に低糖質なナッツはおすすめの一皿。ビタミンやミネラル、食物繊維も豊富な優れものです。ただ脂質も高いので、おかわりには注意。

3.豆腐

低脂肪でたんぱく源でもある豆腐は糖代謝を助けるビタミンB1や肝機能の働きを助ける大豆サポニンが豊富。冷ややっこや鍋などにしても。

4.魚介類

アルコール代謝に忙しい肝機能の働きを助けるタウリンが豊富。牡蠣やホタテ、ミル貝やあさりなど特に多いです。カツオやブリなど魚にも豊富なので、お刺身盛り合わせとしてオーダーするのもオススメです。

5.チーズ

チーズの脂肪分は胃腸の粘膜を保護する効果があるので飲酒前に先におつまみで頼むことをおすすめします。胃壁をアルコールの刺激から守ることができます。

普段食事で栄養バランスを気にしていても、せっかく食べたビタミン・ミネラルがアルコール分解の忙しさに消耗ばかりされて、日常に必要な代謝機能で不足してはもったいないですよね。
少しでも体のコンディション、体重のコントロールを助けてくれる賢いおつまみ選びも忘れずに、ステイホーム中のお酒を楽しんでください。

参考文献

※1) 高野健人,中村桂子.アルコール関連問題の社会的費用.河野裕明,編.我が国のアルコール関連問題の現状.厚健出版.81-89, 1993
※1) Nakamura N, Tanaka A, Takano T. The social cost of alcohol abuse in Japan. J Studies on Alcohol, 54: 618-625, 1993
※2)厚生労働省ホームページ.21世紀における国民健康づくり運動(健康日本21)
※3)7訂食品成分表2020

ライタープロフィール

渥美 まゆ美
【管理栄養士/フードコーディネーター/健康運動指導士】

保育園栄養士、健保組合、大手料理教室の講師を経てフリーランスで活動後2016年株式会社Smile meal設立。
現在は出版、メディア出演、レシピ開発など体にプラスな料理の提案をすると共に、企業向け健康セミナーの講師や従業員の健康をサポートする料理教室、高齢者向け介護予防教室など健康サポート事業にも携わる。