麺料理に含まれる遊離糖類の量
時間がないとき、食べるのに便利なのが麺料理。早く済ませたいお昼ごはんや夜ごはんの際につい選ぶ人も多いのではないでしょうか? しかし普段何気なく食べている麺料理も、選び方によっては1日に良いとされる遊離糖類の摂取量を大幅にオーバーしてしまう食べ方になってしまいます。
そこで今回は代表的な麺料理に含まれる遊離糖類の量に着目し、健康的に麺をチョイスして食べる工夫を紹介します。
麺に含まれる遊離糖類の量
1日に摂取する遊離糖類の量は、総エネルギー摂取量の5%未満相当に抑えるとより健康につながると言われています。※1)
それでは実際のところ、麺類にはどれくらいの遊離糖類が含まれているのでしょうか?
麺に含まれる遊離糖類の量
- うどん(ゆで100g) 約0.3g
- そうめん(ゆで100g) 約0.4g
- 中華麺(ゆで100g) 約0.2g
- スパゲッティ(ゆで100g)約0.6g
(七訂食品成分表2020)
それぞれの麺を見てみると、そんなに遊離糖類の量は多くないことがわかります。炭水化物に含まれる麺はついつい「糖」が多く体に悪い・・・といったイメージが先行しがちですが、「糖」の値をしっかり見てみると、ごはん同様に、麺類についても注意が必要と言われるほどの遊離糖類は含まれていないのです。
麺料理で着目するのは調味料
それでは麺料理の遊離糖類の量は何で左右されるのでしょうか?
それは調味料です。
遊離糖類量にダイレクトに該当する砂糖は目安量として考えた時にわかりやすいですが、麺のつゆやケチャップ、みりんなどの調味料は知らぬ間に多くの量を使い必要以上に遊離糖類を摂ってしまいがちなので注意が必要です。
調味料に含まれる遊離糖類の量
- 冷やし中華のたれ(30g) 約5.9g
- 中濃ソース(30g) 約7.7g
- トマトケチャップ(30g) 約6.8g
- 淡色辛みそ(30g) 約3.1g
- こいくちしょうゆ(30g) 約0.4g
- キムチの素(30g) 約3.6g
- みりん風調味料(30g) 約5.2g
- カレールウ(約30g) 約3.0g
(七訂食品成分表2020)
冷やし中華のタレや中濃ソースなどしっかりした味の調味料には、思っている以上に多くの遊離糖類が含まれていることがわかりますね。濃厚なケチャップが効いたナポリタンやカレーうどんなどをよく食べていると、知らず知らずのうちに遊離糖類を多く摂取している、と頭に置いておくと良いかもしれません。
美味しく正しく健康的に麺を楽しむ方法
いかがでしょうか?健康的な体作りのために、成人は遊離糖類を1日約25g未満に抑えるとより健康につながると言われています。※2)3食で均等に割ると1食に摂っていい遊離糖類は8.3g程度になりますが、おやつも楽しむことを加味すると摂取量はもっと控えたいものです。となると、調味料にどれだけ遊離糖類が多く含まれているか予め知っておくことで、「お昼は遊離糖類が多い食事だったから、おやつは甘いものを控えめにしよう」などと調整することができます。
「甘いものは何もかも悪」と決めつけず、遊離糖類の摂取量が過剰にならないよう日々気を付けながら食事を摂ることで、息苦しくなく様々な食事を楽しめるのではないでしょうか。
※1)世界保健関(WHO)ガイドライン「成人及び児童の糖類摂取量」
※2)国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所 「炭水化物と糖類について」
ライタープロフィール
渥美 まゆ美
【管理栄養士/フードコーディネーター】
保育園栄養士、健保組合、大手料理教室の講師を経てフリーランスで活動後2016年株式会社Smile meal設立。
現在は出版、メディア出演、レシピ開発など体にプラスな料理の提案をすると共に、企業向け健康セミナーの講師や従業員の健康をサポートする料理教室、高齢者向け介護予防教室など健康サポート事業にも携わる。