おやつは何を境に良い、悪いと判断していますか?
おやつは人々の空腹を満たしたり、楽しさをくれたり、疲れを癒してくれたり、ときにはコミュニケーションツールとしても活躍してくれます。また、成長期の子どもにとっては成長に必要な栄養を補給するものであったり、多方面に渡って大きな役割を果たしてくれるものでもあります。
一方で、食べ過ぎると体重が増え過ぎたり生活習慣病に警告信号が灯ったり・・やたら食べて良いものでもありません。
かといって口にする全てのおやつに罪悪感を持つ必要もありません。今回は楽しく、体にもプラスとなるおやつの食べ方について触れてみたいと思います。
おやつはどれくらいなら食べて良い?
1日のおやつの適量は、1日の食事の10%程度を目安にすると良いとされています。※1
例えば、1日の食事の適量が2.000kcalの人なら、200kcal程度が1日のおやつの適量になります。目安は下記位の量ですが、普段食べているお菓子の量とくらべて多いでしょうか?少ないでしょうか?
※2)農林水産省 子どもの食育;おやつの工夫 より
こういったおやつは、心の癒しや楽しみ、コミュニケーションツールとして大変重要な役割を果たすものなので、上記量を目安に、「適量」で上手に楽しみたいものですね。
ただこれらのおやつはやはり「心の栄養」の役割を果たす部分が多いので、おやつばかり食べてきちんとした食事がおろそかになるのでは、健康な体作りに黄色信号が灯ります。
上記の量以上におやつを食べていても体重が増えない、という方は普段の食事量が少なくおやつが占めるウェイトが多くなってしまい、野菜や果物、主食から摂取できるビタミン、ミネラル、たんぱく質などが不足気味になっている可能性もあります。
しっかりと食事をしたうえで、適度なおやつの量、というものを意識しましょう。
また意外に飲み物から甘いものを摂取していることが多いので、それらは前回のコラムを参考に見てみてください。
そしておやつにはスナック菓子だけでなく、果物も含まれます。コンビニで飴やグミ と一緒に果物も適宜取り入れることで、普段不足しがちなビタミンやミネラルを補うこともできます。コンビニなどで飴やグミを選ぶと共に、カットフルーツも一緒に選ぶこともお勧めします。
果物50kcal(キロカロリー)の目安
もも1個 / みかん1個 / りんご半分 / なし半分 / ぶどう半房 / かき1個 ※2
おやつはいつ食べる?
食事と食事の間隔が空き過ぎると、人は次の食事でエネルギー源になる糖質や脂肪を蓄積しようとしたり、空腹により次の食事の量が多くなって過食をしたりと、デメリットも多くなります。食事と食事の間隔は4~5時間が理想とされているので、もっと時間が空くときは軽めのおやつをとることも良いとされます。(※3農林水産省;子どもの食育:おやつの工夫)
食後数時間が経過すると、脳の栄養源であるブドウ糖が体の細胞内に吸収されるため、血糖値が下がり、脳の働きが低下します。そのため、軽くおやつを食べたいときは、お昼前の10時ごろや午後15時~16時頃にするのが理にかなっているのでおすすめです。また夜遅くまで仕事をする人は、深夜にたくさんの食事をして体や胃腸に負担をかけないように、夕方しっかりめのおにぎりやヨーグルトなどおやつを食べるのも良いです。
普段のライフスタイルの中で、自分にあった適量のおやつを適した時間にとることで、健康を害することなく楽しく、おやつと付き合っていくことができます。日常生活の中で、なるべくおやつを食べる時間、食べる量を決めるようにしていくといいですね。
参考文献
※1食事バランスガイド:1日分の適量について
※2農林水産省 “子どもの食育「おやつの工夫」”
https://www.maff.go.jp/j/syokuiku/kodomo_navi/oneday/idea1.html (参照2020-12-01)
ライタープロフィール
渥美 まゆ美
【管理栄養士/フードコーディネーター/健康運動指導士】
保育園栄養士、健保組合、大手料理教室の講師を経てフリーランスで活動後2016年株式会社Smile meal設立。
現在は出版、メディア出演、レシピ開発など体にプラスな料理の提案をすると共に、企業向け健康セミナーの講師や従業員の健康をサポートする料理教室、高齢者向け介護予防教室など健康サポート事業にも携わる。