糖とカンロ

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新しい生活様式の今だからこそ! キャンディを添えて家族に感謝を伝える「キャンディエール」を


新型コロナウイルス感染症の拡大によって多くの人が新しい生活様式への対応を余儀なくされている中、カンロでは2020年8月から、キャンディを通してエールを贈る「キャンディエール」プロジェクトをスタートしました。
2021年3月には、“感謝の言葉は、自粛しないでください。”をキャッチコピーとした新聞一面広告を掲載し、「家族へ“ありがとう”を伝えよう」キャンペーンを実施。また4月より順次、カンロが持つ全9つのブランドからもエール施策を開始します。ブランド担当者へのインタビューを通して、どんなエールを展開するのかご紹介しますのでお楽しみに。

第1回となる今回は、「キャンディエール」プロジェクトを始めた経緯やそれに込めた想い、さらに今後のプロジェクトや展望について、三須和泰社長に伺いました。

コロナによる様々な影響に対して、3つの柱で「キャンディエール」


Q:まず、「キャンディエール」を始めた経緯についてお聞かせください。

三須:カンロでは以前から、台風や地震などで被災された方やボランティアの方のために我々ができることとして、被災地にキャンディを届ける活動を行っていました。

「キャンディエール」もその延長線上で、コロナ禍において日夜奮闘されている医療従事者の方々をはじめ、感染拡大で大きな影響を受けている子どもたちやお客様、そして弊社で働く社員にもエールを贈ろう、ということで始めたものです。
実際には、“3つのキャンディエール”と称して、「お客様へのエール」「社会へのエール」「社員へのエール」の3つの柱で、「キャンディエール」プロジェクトを行うことになりました。

Q:3つの柱、それぞれのエールについて、具体的な取り組み事例や反響をお聞かせください。まずは「お客様へのエール」としてどのようなことを行ったのでしょうか。

三須:新型コロナウイルスの影響で、中学生や高校生は部活動の大会や発表会などが軒並み中止・延期となり、多くの子どもたちが目標を失っています。
そこで、弊社の工場がある長野県と山口県を中心とした全国の中高生5,000人に、社員の手書きのメッセージを添えた「キャンディエール缶」を寄贈しました。
「キャンディエール缶」は、フタの白い部分に自由にメッセージを書き込めるキャンディ缶です。小さくて見た目もかわいいので日常的な贈り物としても喜んでもらっていますね。

また遠くに住んでいる家族や友人になかなか会えない方も多いかと思います。そこで、メッセージを添えてポストに投函できる「ポストinグミッツェル」という商品をご用意しました。SNSで話題になっている次世代食感グミ「グミッツェル」を大切な方へ届けることができますので、手軽にさりげなく感謝の気持ちを伝えるアイテムとして活用していただけるとありがたいです。

Q:「社会へのエール」として行った活動を教えてください。

三須:まず、大変なご苦労をされている医療従事者の方々に、「金のミルク」の寄贈を行いました。2020年からはじめて累計38,400袋を寄贈しており、今後も引き続き医療従事者の方々への商品寄贈をしていく予定です。

また、弊社では動物の形状をした「あそぼん!グミ」を販売しているのですが、現実の動物園が厳しい状況であることを聞き、昨年は、全国の動物園をオンラインで楽しめるサービスを提供している「one zoo」という団体を通じて、「あそぼん!グミ」の売上の一部を寄付させていただきました。今後も継続して動物園を支援する施策を考えていきたいと思っています。

Q:「社員へのキャンディエール」としてはどのようなことを行っていますか。

三須:社員と社員の家族への感染リスクを抑えるためにどのようなことをすれば良いのかを検討し、働き方改革をこれまで以上に推進させて、社員の健康面サポートも行うことを決めました。

まずリモートワークを強く推奨し、働く場所の選択肢拡大、テレワークを前提とした評価制度の導入などを行いました。社員に対しては移動を極力抑えるように指示し、出張も中止もしくは延期に切り替えました。工場には外部者の立ち入りを原則禁止し、本社で研修を実施する際には、リモートで参加してもらう形に変更しています。

そして、在宅勤務を柔軟に取り入れられるようにルールを整備しました。例えば、午前中は在宅勤務、午後に短時間出社して、また在宅勤務に戻るといった働き方ができるようすることで、出社が必要な場合でも公共交通機関が混雑する時間帯を避けられるようになります。在宅業務で必要になるパソコンやタブレット、スマートフォン、プリンターなどのIT機器も貸与しました。

社員の健康面については、メンタル面・フィジカル面でサポートを強化しています。
メンタル面のサポートとしては、定期的な1on1ミーティングの導入、EAP(従業員支援プログラム)の活用、エンゲージメント向上を図る取り組みなどを行っています。
フィジカル面は、運動不足解消を促進する動画を配信したり、今後は睡眠や食に関する研修を行ったりすることで健康面をサポートしていきたいと考えています。

コロナ禍だからこそ伝えておきたい、“感謝”の気持ち


Q:カンロは3月9日の全国紙で、「感謝の言葉は、自粛しないでください。」というキャッチコピーの新聞一面広告を掲載しました。コロナ禍において様々な面での自粛が求められている中、あえてこのようなメッセージを発信された意図を教えてください。

三須:こちらも「キャンディエール」の一環として発信したメッセージです。
コロナ禍の厳しい状況が続いていますが、考え方を変えてみると、家族とこんなにも長い時間、同じ空間で過ごす機会は、今後もう訪れないかもしれません。この機会にぜひ、大切な人に日頃の感謝の気持ちを伝えてほしい、そしてそのきっかけづくりにキャンディを活用していただければと思っています。

カンロでは日頃から、人々の幸せや優しい気持ちに貢献できる商品として、自信をもってキャンディを開発しています。感謝の言葉とともに一粒のキャンディを召し上がっていただくことで、家族の絆をより深めてほしいと思っています。

また、弊社では日頃から糖に対する正しい理解の啓蒙活動を行っており、コロナ禍における健康維持のためにもキャンディなどで必要な量の糖分を摂っていただきたいとも考えています。

Q:今回展開された「家族へ“ありがとう”を伝えよう」キャンペーンとはどのような施策でしょうか。

三須:「家族へ“ありがとう”を伝えよう」キャンペーンは、Twitterで指定のハッシュタグをつけて家族への感謝のメッセージを投稿された方の中から抽選で300名様に、投稿したメッセージをプリントしたオリジナルキャンディエール缶(6缶)をプレゼントするというものです。“ありがとう”と“糖”をかけたキャンディということで、実際に家族への感謝の気持ちを伝えるきっかけとしていただければと思います。
(※「家族へ“ありがとう”を伝えよう」キャンペーンは2021年3月22日で終了。通常のキャンディエール缶はオンラインショップ「ヒトツブカンロONLINE SHOP」で販売中)

Q:「キャンディエール」プロジェクトでは、今後、どのような展開を予定されていますか。

三須:今後、カンロの9つのブランドから、それぞれの愛用者の方々に順次エールを贈りたいと考えています。
現在、カンロではブランド力強化のため、主力ブランドにはブランドマネージャー制を採用しています。直営店の「ヒトツブカンロ」に加えて「金のミルク」「カンロ飴」「あそぼん!グミ」「ボイスケアのど飴」「ピュレグミ」「ノンシュガー」「カンデミーナ」「健康のど飴」の8つのプロダクトブランドがありますので、4月より毎月各ブランドからのエールを発信していく予定です。
ブランドからのエールの内容と同時に、各ブランドを創り出しているのがどのような人物で、担当ブランドについてどのように考えているかなども掘り下げていきたいと思っていますので、よりブランドに興味をもっていただければうれしいですね。

“身体に良いもの”にこだわるサステナブルな商品開発方針をこれからも


Q:現在のキャンディ市場の動向や「Kanro Vision 2030」の要点を教えてください。

三須:これまでカンロが掲げてきた「キャンディNo.1企業を目指す」という目標は、2020年に日本のキャンディ市場のメーカーシェアランキング1位※になったことで達成できました。
※インテージSRI

ただ、現状はコロナ禍において、キャンディやグミのオフィス需要が低迷したことから、厳しい状況が続いています。そのため本来であれば2020年の夏に中期経営計画を発表する予定でしたが、不確実性が極めて高い状況であったため発表を見送り、2030年に向けて経営の進むべき方向を示した羅針盤として「Kanro Vision 2030」を本年2月に発表しました。

「Kanro Vision 2030」では、事業領域の拡大を重点戦略に掲げて、その基軸を「CORE」「GLOBAL」「DIGITAL」「FUTURE」の4つに分類しています。

「CORE」では、引き続き国内のキャンディ事業をコア事業と位置づけ、素材・機能性にこだわったキャンディ開発、糖の技術で健康課題の解決を目指します。
「GLOBAL」では、国内で培ったクオリティの高いキャンディをグローバル展開し、世界の人々の健康的な生活に貢献します。
「DIGITAL」は、コロナ禍で一層重視していかなければならないことが明らかになった領域です。単にe-コマースを推進するだけではなく、SNSなどのツールを使って、お客様との双方向的なコミュニケーションを促進します。そこで直接得られた声を商品開発に活かしてまたお客様に還元することで、お客様に選ばれるブランドづくりを目指します。
現在、2020年5月に立ち上げた「ヒトツブカンロ」のe-コマースが好評をいただいていますが、今後さらにe-コマースを強化する予定です。
最後に、「FUTURE」の領域では、「素材を活かす」「機能性を持つ」の2つの軸に合致しているものであれば、キャンディなどの既存事業にとらわれない新規商品・事業を創造します。そして食を通じてカンロが考える未来のウェルビーイング(Well-being:幸福)を提案していきます。

Q:最後にカンロのキャンディにかける想いなどについてお願いします。

三須:カンロはこの度、経済産業省が選定する令和2年度「新・ダイバーシティ経営企業100選」に選ばれました。もちろん、弊社では多様な人材を活かせる体制をとっていますが、それだけでなくカンロのサステナブルな商品開発方針も評価いただけたものと考えています。

キャンディならではの機能性の追求も常にしていますが、弊社が最も大事にしているのは“素材を活かす”というところです。
食品なので安全安心は当たり前で、その上で極力不要なものを使わない。本当に身体に良いものだけを消費者に提供していくことにこだわっています。
そうすることで、社員も自分の子どもや孫、あるいは大切な人に、自分たちがどのようなものを作っているのか自信をもって伝えて、食べさせることができます。そして、健全な気持ちで商品の開発・販売に取り組めるようになります。もちろん、商品開発方針だけでなく、働きやすさを追及することで、働きがいも生まれます。社員が誇りとやりがいをもって働ける、このようなカンロの事業運営そのものが評価されたのだと思います。

また近年、罪悪感がなく食べられるという意味の「ギルトフリー」という言葉が注目されていますが、食品でそれに該当するものはそれほど多くなく、さらに加工食品に限ってはほとんどありません。その中でもキャンディはギルトフリーな食べ物になり得るものだと考えています。

キャンディは“糖質”で何となく悪者扱いにされることもありますが、“糖質”は人間が健康な身体を維持するために必要なものです。加えて、カンロのキャンディは保存料や人工着色料の使用も極力控えています。「ノンシュガー」ブランドの商品では砂糖も人工甘味料も使用していません。
このようなギルトフリー商品も含め、これからもカンロは“身体に良いもの”にこだわり、開発・提供をし続けていきたいと考えています。