糖と健康

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果糖の摂りすぎは危険! 体に適切な砂糖のとり入れ方とは


「果糖」は果物に多く含まれている糖で、摂りすぎると中性脂肪の増大や肥満をきたす恐れがあります。どんな糖も摂り過ぎは良くないとされていますが、特に健康的な食材と捉えられがちな果物に含まれる果糖の摂り方には注意が必要です。そこで今回は、果糖とはどんな糖かについて、さらに適切な砂糖の選択方法や、料理への上手な取り入れ方についても見ていきましょう。

果糖とはどんな糖? メリットやデメリットは?

糖の構造を化学的な視点から見てみると、いくつかの分子が結合してできています。それ以上加水分解されない糖の構成単位を「単糖」と呼び、ブドウ糖(グルコース)、果糖(フルクトース)、ガラクトースなどの種類があります。※1

果物に含まれる糖質の組成は果物の種類や成熟度によって異なりますが、含まれているのは主にブドウ糖、果糖、ショ糖です。ブドウ糖と果糖は単糖類、ショ糖はいわゆる砂糖のことで、ブドウ糖と果糖が結合した二糖類となります。※2

果物は甘味の強い食品であり、糖が多く含まれています。健康面でのメリットを伝えられることも多い果物ですが、糖を多く含む食品であることは念頭に置いておく必要があるでしょう。なかでも果糖が多く含まれているのはブドウやりんご、梨といった果物で、ドライフルーツや缶詰ではさらに多く含まれています。果糖だけではありませんが、過剰に糖質を摂取すると中性脂肪を増加させ脂質異常症や肥満の原因にもなります。

ただし、果物には血糖値を上げにくいというメリットもあります。果物には糖質だけでなく食物繊維も多く含まれているため、糖質の吸収を穏やかにしてくれるのです。また、血糖値上昇の原因になるのは主にブドウ糖なので、果糖は血糖値上昇の直接的な原因にならないことからも間食に適しています。※3

砂糖は精製度と量を意識


食品には「これを食べると健康になれる」という絶対的なものは存在しません。 結局はどんなものも量とバランス次第なのです。いくら体に良いといわれる食べ物でも摂りすぎれば悪影響を及ぼす場合もあり、反対にあまり良くないといわれている食べ物でも量に気をつければ問題ありません。過度に過信したり敬遠したりせず、バランスよく摂取していきましょう。

砂糖については「白い砂糖は漂白されているから身体に悪い」、「白い砂糖より三温糖の方が身体に良い」など誤った認識がされていることも少なくありません。例えば、砂糖が白いのは砂糖以外の不純物を取り除いた結果であり、漂白されたわけではないのです。また、三温糖は白い砂糖と同じ製造法で作られており、加熱を繰り返すことで色が付いています。※4

砂糖を選ぶときに注目したいポイントとしては、精製度が挙げられます。色を見るとわかりやすいのですが、黒糖やきび砂糖などの茶色い色をした砂糖が精製度の低いものです。このような砂糖には白い砂糖よりもミネラルが多く含まれています。しかし、ミネラルを摂取する目的のために糖分を摂り過ぎてしまうことで、エネルギー過多になることは本末転倒です。その点には注意した方が良いでしょう。※4

砂糖はお菓子や甘い飲み物に使われることが多い食品です。どれが身体に良い、悪い、と比べるのではなく、適量を守って料理の美味しさを引き出すために使っていきましょう。

砂糖を上手に料理に取り入れる方法


砂糖は料理の味付けにも欠かせない調味料で、煮物や照り焼きなど家庭の食卓に上る料理に日常的に使われています。

砂糖を使用するときに注意したい大事なポイントは、まず一度に使いすぎないことです。甘味の感覚に慣れてしまうと、さらに甘味の強い味を求めてしまう場合もあります。普段口にする料理は、食材の自然の味を活かして調理する習慣をつけていきましょう。

また、砂糖の摂取により血糖値が気になる場合は、食物繊維の多い食品と合わせて摂取するのがおすすめです。食物繊維には血糖値の上昇を緩やかにする効果があります。砂糖を摂取することと肥満になることは必ずしもイコールではないので、量や消費カロリーに気を付けるだけでなく、組み合わせにも目を向け、身体もしっかりと動かすようにしましょう。

特に疲れたときや集中力が切れたときに甘いものが欲しくなるのは、脳が糖を求めているサインとの見方もできます。前述の「果糖」のお話や、「砂糖の色」による違いも正しく理解し、摂り過ぎない程度に上手に料理に取り入れましょう。糖には心身ともに満足させて幸福感をもたらす効果もありますので、制限し過ぎず適量に摂取することが最も大切なのです。※5
 

※1 e-ヘルスネット (厚生労働省) 炭水化物/糖質
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-018.html

※2 e-ヘルスネット(厚生労働省)果物
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/food/e-01-003.html

※3 タイヘイの食事療法 果物と糖尿病
https://dm-net.co.jp/taihei/tounyou/shokji/post.html

※4 独立行政法人 農畜産業振興機構 白い砂糖の真実、そして三温糖との関係
https://www.alic.go.jp/joho-s/joho07_000610.html

※5 独立行政法人 農畜産業振興機構 「優れた砂糖の効果を知って、食生活を豊かに!」
https://sugar.alic.go.jp/japan/view/jv_0402a.htm#5


ライタープロフィール

片村優美(管理栄養士)

病院にて給食管理や栄養指導に従事しフリーランスとして独立。webメディアでは健康・栄養系のライターとして記事を執筆しています。その他、食育教室や自治体主催の料理教室、短期大学の非常勤講師などの仕事を通じて、食の大切さを伝える活動をしています。