受験シーズンの到来です。受験生の方はもちろん、そうでない方も、勉強や仕事でここぞ!というときに眠気と葛藤した経験がありますよね?
なんとか目を覚まそうとコーヒーやエナジードリンクを飲んでみたり、目薬をさしてみたりと、眠気対策に勤しんだ方も多いのではないでしょうか?
今回は、そんな厄介な眠気に打ち勝って、勉強や仕事のパフォーマンスを落とさないための食べ方の工夫をご紹介していきます。
眠気対策の定番、コーヒーは効果があるの?
眠気対策といえば、真っ先にコーヒーを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか?果たしてコーヒーは本当に眠気覚ましに効果があるのでしょうか?
コーヒー1杯に含まれるカフェインは、疲れると落ちてくる覚醒レベルを上げ、注意力や集中力を高める効果があるという報告があります。※1
カフェインが体内に吸収されるのはコーヒーを飲んでから30分後。その後ゆっくりと抜けていきますが、半分になるまでに約4時間かかり、その間効果が継続します。カフェインの効果を最大限発揮するためには、作業したい時間に合わせて逆算するのがポイント。
例えば午後のパフォーマンスをアップしたければ、昼食後にコーヒーを飲み、20~30分間昼寝をすれば、昼寝から目覚めたタイミングでカフェインの効果が表れ、スッキリした状態で仕事や勉強に取り組みやすくなります。
眠気と食事は関係する?
食後に強い眠気を感じることはありませんか? 誰でもお腹がいっぱいになると、多少の眠気は感じるものですが、耐えられないほどの眠気を感じる場合は、食事が影響している可能性があります。食後に血糖値が急激に上がり過ぎると、糖をエネルギーに変えるインスリンが大量に分泌され、反動で血糖値が急降下し低血糖状態に。この低血糖状態が食後に強い眠気や倦怠感をもたらします。
でも大丈夫。逆に考えると、食後の血糖値の乱高下を起こさない食べ方のコツを知れば、強い眠気を予防することができるのです。
眠気対策に効果的な食事のコツ
それでは、食後の血糖値の乱高下を防ぎ、眠気が起きにくくなる食べ方のコツをご紹介しましょう。ポイントは2つ。
ポイント①【糖質に偏った食事を控える】
血糖値を最も上げやすいのが糖質。パンやご飯、麺など糖質を多く含む主食に偏った食事は、食後に血糖値を急上昇させる原因となります。脂質はカロリーが高いと敬遠されがちですが、消化に時間がかかるので血糖値の急上昇を防ぐ効果があります。パンにバターやオリーブオイルをつけて食べる、ざるそばにてんぷらを付けるなどのちょっとした工夫で、血糖値の上昇を緩やかにすることができます。
ポイント②【空腹の時間を短くする】
間食も含め、理想的な食事の間隔は3~4時間。例えば朝食を欠食すると、それだけ空腹時間が長くなるので昼食後の血糖値が大きく上昇しやすくなり、食後に強い眠気を感じるようになります。夕食までの間が空いてしまう場合も同様です。夕食がどうしても遅くなってしまう場合は、夕方頃に間食を取り入れることで、夕食後の血糖値の急上昇を抑えることができます。もうひと頑張りしたいときこそ、飴やチョコレートをつまみながら、コーヒーを飲んでホッとひと息つく時間が必要なのです。
眠気と食事は一見無関係のように思いますが、大きく影響していることがおわかりいただけましたでしょうか?体のことを考えると、一時的な眠気覚ましに頼り続けるのも考え物。ここぞというときにパフォーマンスを最大限発揮するためにも、日頃から欠食や糖質の摂り方に気を付けることが大切です。
※1)EFSA 2011; 9(4):2054
ライタープロフィール
渥美 まゆ美
【管理栄養士/フードコーディネーター】
保育園栄養士、健保組合、大手料理教室の講師を経てフリーランスで活動後2016年株式会社Smile meal設立。
現在は出版、メディア出演、レシピ開発など体にプラスな料理の提案をすると共に、企業向け健康セミナーの講師や従業員の健康をサポートする料理教室、高齢者向け介護予防教室など健康サポート事業にも携わる。