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年末年始をはさむ冬こそチャンス!? 正月太りをすっきりリセットする方法とは?


新年会など楽しいイベントが多く、暴飲暴食が増えがちなこの季節。冬休みも明け、ふと気が付けば「体が重い・・・」なんて方は多いのではないでしょうか?

ただでさえ寒くて外に出るのも億劫な冬、コロナ禍も相まって冬休みは家でゆっくり過ごす方も多いと思いますが、そんな冬こそこっそりダイエットのチャンス!

年末年始に増えてしまった体重は、冬の間にすっきり整えてリセットしましょう。

 

年末年始はなぜ太る?

年末年始に体重が増える原因は、やはりイベントが多いことが挙げられます。年末でいうとクリスマスや忘年会、コロナ禍といえども、ホームパーティーなどちょっとしたパーティー形式で料理を楽しむことが多いですよね。大皿から料理をとるスタイルは、ついつい自分の好みのものに偏ってしまったり、おつまみ料理が多いと満腹感が感じられずいつまでも食べ続けてしまったりということが起こりやすくなります。さらに飲酒量も増えることで自分の適正エネルギー量を軽々超えてしまい、体重が増えやすくなります。
そして年が明けるとお正月。家族や親戚の集まりや、三が日はお雑煮やおせち料理を堪能しながら飲酒も進み、あっという間に自分の適正エネルギー量を超えてしまいます。普段ジムに通ったり、ランニングをしたりしていても、三が日は体を休める方も多いのでは?消費するエネルギーよりも摂取するエネルギーが上回り、体重が増えてしまうのです。


しかし、体重が増加したからといって焦りは禁物です。人間の体は食べたものがすぐに脂肪に変わるわけではありません。暴飲暴食の翌日の体重の増加はほとんどがむくみによるもの。体に肉が付いて「太った」と自覚するのは日々の脂肪の蓄積の賜です。翌日以降、いかに行動するかがその後の脂肪の蓄積を解消する鍵となりそうです。

正月太りのリセットは、暴飲暴食の後の行動が肝!

では、食べすぎてしまった後、どのような行動が明暗を分けるのでしょうか?
気を付けるべきことを3つ伝授します。

・こまめに体を動かすこと
例えば体重が1kg増えたとすると、その1kgを減らすためには7200kcalが必要となります。1ヶ月で1kgのダイエットをしようとすると、1日に240kcal分の消費が必要です。240kcalというとジョギング約30分に相当します。毎日の運動習慣がない方にとっては難しいと感じる目標ですが、日常生活の中でも意識して体を動かすことで決して不可能ではありません。階段を使う、お風呂掃除をするだけでも消費カロリーは積み重なっていきます。まずは、とにかく体を動かして摂取したエネルギーをコツコツ消費しましょう。※1)


・食事を抜かない
「前日に食べすぎた分、翌日は食事を抜いてリセットすれば良い」と安易に考えてはいませんか?前日に食べすぎたからこそ、翌日は食べた分を代謝しなければなりません。そこで下手に食事を抜いたりすると代謝に必要な栄養素が不足し、上手にエネルギーを作り出すことができません。特に朝食の欠食は体重増加や脂肪合成につながるという研究結果も報告されています。※2)※3)
見よう見まねの断食などは逆に太りやすい体を作ってしまうこともあるので注意が必要です。翌日は、食事の量より「バランス」や規則正しい「時間」に重点をおいて食事するようにしましょう。

・こまめに水分補給をする
次の日の体重増加の原因は、前日の食べ物が消化されずにまだ残っているか、むくみが原因です。むくみというと、水分を控えた方が良いのではないかと思いがちですが、水分不足はさらに体に水分をため込む原因となり逆効果に。体に溜まった水分をスムーズに排出するためには適度な水分をこまめに補給するよう意識しましょう。

正月太りは早めにリセット。食事で注意することは?

ダイエットの鍵は、暴飲暴食をした翌日からの行動が大切であることがおわかりいただけましたでしょうか?ここからは、さらに意識して摂るべき栄養素について2つご紹介します。

【カリウム】
ミネラルのひとつである「カリウム」は、体に溜まった余分な水分やナトリウムを外に排出してくれる働きがあり、むくみ解消の助けとなります。カリウムは海藻類、野菜類、芋類、果物に多く含まれています。煮たり茹でたりするとせっかくのカリウムが流出してしまうため、生のまま食べるか、煮汁も一緒に摂れるスープや煮込み料理などがおすすめです。


【ビタミンB1、B2】
糖質と脂質の代謝に関わるビタミンで、摂りすぎてしまった糖質や脂質をスムーズに代謝し、エネルギーに変換するためには必要不可欠な栄養素です。ビタミンB1は豚肉をはじめとする肉類や玄米などに多く、ビタミンB2はレバーや魚介類、卵、納豆、乳製品に多く含まれます。玄米ごはんに納豆や卵かけご飯なんていう簡単な朝食でも、ビタミンB1、B2両方が補給できます。そこへわかめスープや野菜たっぷり味噌汁などをプラスしてカリウムも補給できれば完璧◎。


年末年始、誘惑も多くついつい食べすぎてしまい、体重計に乗るのが怖くなってしまいますが、最も避けたいのはそれを黙認して放置しておくこと!一時的な体重増加は、対応策が早ければ早いほどよりリセットすることが可能です。ご紹介した3つのコツと2つの栄養素を意識して、すっきりした体で春を迎える準備をしましょう。
 

※1)内臓脂肪減少のための運動 厚生労働省e-ヘルスネット
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/exercise/s-05-002.html
※2)Takebe N, Tanno K, Ohmomo H, Hangai M, Oda T, Hasegawa Y, Takanashi N, Sasaki R, Shimizu A, Sasaki A, Sakata K, Sasaki M, Ishigaki Y. Weight Gain After 20 Years of Age is Associated with Unfavorable Lifestyle and Increased Prevalence of Metabolic Disorders. Diabetes Metab Syndr Obes. 2021 May 20;14:2065-2075. doi: 10.2147/DMSO.S300250. PMID: 34040401; PMCID: PMC8143959.
※3)Li QM, Wu CK, Ma PC, Cui H, Li RN, Hong C, Zeng L, Liao SW, Xiao LS, Liu L, Li WY. Breakfast consumption frequency is associated with dyslipidemia: a retrospective cohort study of a working population. Lipids Health Dis. 2022 Mar 27;21(1):33. doi: 10.1186/s12944-022-01641-x. PMID: 35351127; PMCID: PMC8966363.


ライタープロフィール

渥美 まゆ美
【管理栄養士/フードコーディネーター】

保育園栄養士、健保組合、大手料理教室の講師を経てフリーランスで活動後2016年株式会社Smile meal設立。
現在は出版、メディア出演、レシピ開発など体にプラスな料理の提案をすると共に、企業向け健康セミナーの講師や従業員の健康をサポートする料理教室、高齢者向け介護予防教室など健康サポート事業にも携わる。