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適糖ライフのススメVol.17 管理栄養士が伝える年末年始太りのリセット方法

毎年、年末年始になると体重がうなぎのぼりになって新年を迎える方も多いのではないでしょうか?年末年始はクリスマスやおせち料理など大皿料理をシェアして食べる機会が多く、トータルで食べている量が見えにくいので、ついつい食べすぎたり飲みすぎたりしてしまいがちです。また、こうした大皿料理は使用している油や糖質の量が多く、自然と摂取カロリーが増加してしまうことも原因の1つだと考えられます。

そこで今回は、体重をコントロールして健やかな新年を迎えるために心掛けたいポイントをご紹介します。

外食は減少、体重は増加した1年?!

今年はコロナの影響で外食する機会が減った人も多いかと思いますが、その一方で「体重が増えた」という人は増加傾向にあるようです。

在宅勤務の増加により、運動量が減ったり、間食が増えたりしたことが、その要因ではないかと考えられます。

このまま年末年始を迎え、クリスマスやお正月に体重を増やさないためには、どのようなことに気をつけて過ごすと良いのでしょうか。

年末年始太りの防止方法とは

クリスマス、お正月など数ある年末年始の行事を楽しみつつ体重増加を防ぐために、気をつけるべき3つのポイントをご紹介します。

1.食べている量を知る

年末年始に入ると、飲み会や親戚の集まりなど食事をする機会が増えますが、例え暴飲暴食が続いてしまっても、1週間トータルで自身の「食べる量」と「活動して消費する量」が釣り合えば体重は増加していきません。一番怖いのが、無意識に食べ続け自覚なく体重が増加していくことです。

年明けに食べるおせち料理の場合、甘く味付けをしているものが多く比較的エネルギーが高くなりがちです。例えば、なますはエネルギーが低いとは言え、甘酢を使っているため通常のおひたしよりエネルギーも塩分も高め。また、栗きんとんを大好きだからとずっと食べ続けていると、思わぬ体重増加につながりかねません。なるべく野菜を多く含むものを選びながら、おせち料理を適量楽しむようにしましょう。

下記にある代表的なおせちの1人分の分量およびカロリーを参考に、適量をある程度把握しておくと、食べ過ぎているのか?の判断がつきやすくなるかもしれません。

■お雑煮(おもちを1個入れてすまし汁の場合) 約150kcal位
■栗きんとん 1人分約80g 約170kcal
■黒豆    1人分約20g 約60~100kcal
■伊達巻   1人分約40g 約80~100kcal
■紅白なます 1人分約50g 約20kcal
■かまぼこ  1人分約40g 約40kcal
■筑前煮   1人前約100g 約90~112kcal
※1)

また年末年始にお酒を楽しみたい方は、こちらの分量を参考にしてみてください。

2.朝、昼はしっかり。夜は軽く

年末に入ると、のんびりして朝ごはんと昼ごはんの時間が乱れたり、夜に宴会でドカ食いしたり・・と食事時間が乱れる方もいるのではないでしょうか?

朝ごはんを食べないまま過ごすと、夜から次の食事までの時間が大きく空いてしまい、ドカ食いにつながったり、体内時計が乱れて太りやすい体になってしまったりします。(※2)また夜ご飯に比重が行くことで、より太りやすい体質になる要因が重なります。

エネルギーを消費しやすく運動量もある日中にしっかりごはんを食べる習慣を身につけ、飲み会やごちそうを楽しんでも太りにくい生活習慣を整えていきましょう。

3.ストレス解消を上手にする

ついつい食べ過ぎが増え、間食をしてしまうことも増えがちな年末年始。この現象には、もしかしたらストレスが関係しているかもしれません。

脳には「おなかがすいた」と命令を出す摂食中枢と「おなかいっぱい」と命令を出す満腹中枢があります。この満腹中枢を刺激するのは「セロトニン」というホルモンで、ストレスが多くなると分泌されにくくなることも。その結果、満腹感を得られにくくなり、食べ過ぎにつながってしまうのです。※3)

またストレスを食事で発散しようとして食べ過ぎてしまうことも考えられます。

ただ食べ過ぎたり飲み過ぎたりして、増えた体重分だけ食べるのを我慢するようでは、健康的な体作りと維持になかなかつながっていきません。

まずは朝、昼、晩規則正しく食事する習慣を意識していきましょう。そして「食べることによるストレス解消」以外に「運動する」「きれいな景色を見る」「動物をさわる」等自分の中でストレスを上手に解消できる方法を見つけ、クリスマス料理やおせち料理を上手に楽しんでください。

※1)イオンショップおせちHP
https://es.aeon-hokkaido.jp/eshop/hanyou?hcd=2021091602

※2)Delayed first active-phase meal, a breakfast-skipping model, led to increased body weight and shifted the circadian oscillation of the hepatic clock and lipid metabolism-related genes in rats fed a high-fat diet(PLOS ONE 2018年10月31日)

※3)鎌倉女子大学学術研究所報 第12号 1-12頁 2012 空腹・満腹のメカニズムー中枢性摂食調整機能についてー 太田一樹

ライタープロフィール

渥美 まゆ美
【管理栄養士/フードコーディネーター】

保育園栄養士、健保組合、大手料理教室の講師を経てフリーランスで活動後2016年株式会社Smile meal設立。
現在は出版、メディア出演、レシピ開発など体にプラスな料理の提案をすると共に、企業向け健康セミナーの講師や従業員の健康をサポートする料理教室、高齢者向け介護予防教室など健康サポート事業にも携わる。