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エラグ酸とは? 注目のポリフェノールを含む食材を紹介

 

ポリフェノールには様々な種類がありますが、健康に良いことからその働きが注目されています。エラグ酸は美容にも良いとされ、化粧品の成分になることもあります。この記事では、エラグ酸の働きやエラグ酸が含まれている食品について解説します。

体内脂肪に効くエラグ酸

食品の成分には、人が生きていくために必要な必須栄養素と、健康増進に役立つ非必須栄養素があります。非必須栄養素の代表格でもあるポリフェノールは、食品の中に苦味や色素成分として含まれています。

エラグ酸もポリフェノールの一つです。ポリフェノールは抗酸化物質として知られており、活性酸素が体内で発生するのを抑えたり、取り除いたりする働きがあります。

ポリフェノールが持つこの働きは動脈硬化やガン、老化、免疫機能の低下などの予防に役立ちます。ポリフェノール成分であるエラグ酸も、抗酸化作用による健康増進が期待できる成分だといえるでしょう。※1

エラグ酸が発見されたのは19世紀。日本では1996年に医薬部外品として認可され、2003年には食品添加物としても使われるようになりました。今では様々な場面で活用されるようになり、特に美白成分として知られています。

日焼けは紫外線を浴びることで起こります。肌が黒くなってシミができるのはメラニン色素による現象です。美白成分には様々なものがあり、エラグ酸もその一つです。エラグ酸には、メラニンの生成を抑える働きがあるため、美白に良いとされています。

また、エラグ酸には体内の脂質を減らす働きもあり、美容だけでなく健康面で役立つことも期待されています。エラグ酸は脂肪酸から中性脂肪が作られるのを抑えたり、脂肪酸の分解を促進して血液中の中性脂肪を減らしたりすると考えられています。※2

エラグ酸はどのような食べ物に含まれている?

 

エラグ酸が含まれている代表的な食べ物としてはザクロが挙げられます。ザクロをそのままで食べる機会はあまりないかもしれませんが、ドリンクやフルーツソースなら口にしたことがあるという人もいるかもしれません。

ザクロは妊活にも良いとされ、平成12年頃にブームとなりました。これは、ザクロが女性ホルモンに似た「エストロゲン」を含んでいるという噂によるものです。しかし、科学的な根拠がないまま広まってしまった結果、国民生活センターの検証によって、ザクロにエストロゲンは含まれていないと結論付けられ、ブームは自然に収束していったようです。

エストロゲンは含まれていませんが、ザクロにはポリフェノール成分であるエラグ酸が含まれているため、美容や健康の観点からは注目され続けています。ザクロの需要は今後も高まると予想されており、ワインの原料として栽培拡大に向けた取り組みも行われているようです。※3

エラグ酸についてはこちらでもご紹介しています。
ザクロに含まれるエラグ酸とは? オートファジーにも有効
ザクロに注目! 話題のミトコンドリアを活性化させる成分とは?

エラグ酸はどうやって摂取したらよい?

 

エラグ酸はザクロ以外の果物や、ナッツ類にも多く含まれています。ついつい甘いものやカロリーの高いものに手が伸びる間食を、フルーツやナッツに変えてみてはいかがでしょう。

ザクロに限らずフルーツやナッツ類は食物繊維やビタミン、ミネラルなど、日本人に不足しているといわれている栄養素を豊富に含んでいて、カロリーのとり過ぎを防ぎつつ必要な栄養素をしっかりと補える食品といえます。

果物やナッツ類はもちろんそのまま食べても十分に美味しいのですが、おすすめはヨーグルトやパンケーキにトッピングする方法です。時間がない朝や小腹が空いた間食にぜひ試してみてくださいね。

エラグ酸は美容や健康に良いポリフェノール成分ですが、一度にたくさんとらず毎日コツコツととり入れることが大切です。色々なアレンジを楽しみながら、毎日の食事にとり入れていきましょう。

※1 e-ヘルスネット 抗酸化物質
※2 大正製薬 エラグ酸を多く含む食品は?上手に摂るポイントも知っておこう
※3 農林水産省 ザクロの新たな機能性研究および栽培条件等の検討


ライタープロフィール

佐々木優美(管理栄養士)

病院にて給食管理や栄養指導に従事しフリーランスとして独立。webメディアでは健康・栄養系のライターとして記事を執筆しています。その他、食育教室や自治体主催の料理教室、短期大学の非常勤講師などの仕事を通じて、食の大切さを伝える活動をしています。