糖と健康

Category

はちみつ入り生姜湯で冷え性対策 飴湯にひやしあめ、ドリンクで夏を乗り切ろう


夏は、外の暑さと室内の冷たい空気との温度差で、体調を崩しがちです。冷房の温度は人によって感じ方が異なるため、エアコンの効いた室内は冷え性の方にはつらく感じるかもしれません。冷え性は寒い時期だけのものではなく、一年中対策が必要です。ここでは冷え性対策として、はちみつ入り生姜湯の活用法をご紹介します。

体を温める生姜の成分とは?

生姜は、薬味として料理に香りや辛みを加えたり、肉や魚の生臭さを消す働きや肉質を柔らかくするなど、機能面でも様々な効果があります。

また、健康面でもメリットがあります。生の生姜に含まれる辛み成分「ジンゲロール」には、血行を促して体を温める働きがあります。このジンゲロールは加熱したり乾燥させたりすると「ショウガオール」という成分に変化します。「ショウガオール」には胃腸を刺激して内臓の働きを活性化し、体を内側から温める効果があるため、冷え性の改善にも役立ちます。生姜の入った料理を食べると体がポカポカするのは、このジンゲロールやショウガオールの働きによるものです。

ただし、生姜は胃への刺激が強いため、とり過ぎは胃が荒れる原因に。1日の摂取量の目安は10gです。適量を守りながら継続して摂取することが大切です。※1

生姜の効能についてはこちらもご覧ください。
冷え性対策は食べ物でカラダを温めよう 生の生姜は体を冷やすってホント?

生姜湯に“はちみつ”を加えてよりヘルシーに


美味しい生姜湯に仕上げるには甘みが必要です。甘味料には砂糖や三温糖などさまざまな種類がありますが、生姜湯にはまろやかな味わいのはちみつが合います。

はちみつは砂糖よりも約16%もエネルギー量が低く、摂取エネルギー量を抑えたいときに役立ちます。また、砂糖にはないビタミンやミネラルが微量ですが含まれています。※2
さらに、高い抗炎症作用や殺菌作用を持つことで知られており、のどの痛みや咳の緩和にも役立ちます。ほかにも腸内の善玉菌のえさになるオリゴ糖が含まれているため、腸内環境を整える効果も期待できます。

生姜湯にはちみつを使うのは、栄養的な面のほかにも嗜好性を高めてくれる役割もあります。料理にもよく使われるこの組み合わせをぜひ試してみましょう。

はちみつについてはこちらもご覧ください。
はちみつに含まれる糖質パラチノースでスローカロリー

生姜湯はどのようなタイミングで飲むのが良い?



体を温める効果が期待できる生姜湯ですが、普段の生活のどのタイミングでとり入れるのがよいでしょうか。

まず体を温めるという意味では、エアコンで冷え過ぎてしまったときや寒い冬の時期、即効性を期待したいタイミングがおすすめです。生姜湯を飲めばすぐに体が温まるのを実感できますし、なにより料理と違って手軽に作れるのがメリットです。

作り方は簡単です。おろし生姜小さじ1~2杯程度とはちみつ大さじ1杯をマグカップに入れ、150mlのお湯を注ぎよく混ぜます。生の生姜を使うのが最も効果的ですが、手元にない場合はチューブタイプのものや乾燥生姜を使ってもよいでしょう。ほかにも、お湯を注ぐだけで生姜湯を作れるパウダータイプ状のものも市販されているので、手軽に飲みたい方にはこちらもおすすめです。

生姜湯を飲むタイミングとしては、寝る前の30分から1時間の間がおすすめです。寝る前に体を温めると眠りにつきやすくなり、質の良い睡眠につながります。眠りにつくのが遅い方や、眠りが浅いと感じる方はぜひ試してみてください。

生姜湯を飲む量は多くても1日2杯程度が目安です。寝る前の1杯のほかにも、日中の間食時や昼食までのお腹が空いたタイミングにとるのもよいかもしれません。

生姜を使った飲み物といえば、関西で夏によく飲まれている「ひやしあめ」も有名です。お湯で溶いた麦芽水飴に生姜のしぼり汁を加えた冷たい飲み物で、関西では広く親しまれているようです。詳しくはこちらで紹介しています。
関西では夏の定番飲み物! 「ひやしあめ」って何?

生姜湯を継続的に飲むことで、冷え性の体質改善効果が期待できます。冬だけに限らず、1年中冷えに悩んでいる方は、ぜひ生姜湯を試してみてくださいね。

生姜の食文化はイギリスにも古くからあります。こちらもあわせてご覧ください。
生姜と甘味のコンチェルト! 大英帝国の歴史に刻まれたベストハーモニー

<参考文献>
※1 農林水産省
https://www.maff.go.jp/j/heya/sodan/1811/01.html
※2 文部科学省
https://fooddb.mext.go.jp/details/details.pl?ITEM_NO=3_03003_7
https://fooddb.mext.go.jp/details/details.pl?ITEM_NO=3_03022_7

ライタープロフィール

佐々木優美(管理栄養士)

病院にて給食管理や栄養指導に従事しフリーランスとして独立。webメディアでは健康・栄養系のライターとして記事を執筆しています。その他、食育教室や自治体主催の料理教室、短期大学の非常勤講師などの仕事を通じて、食の大切さを伝える活動をしています。