糖とカンロ

Category

【前編】「糖から未来をつくる。」をスローガンにキャンディの魅力で世界をつないでいく ~キャンディの老舗企業 カンロの新たな挑戦~

2016年に中期経営計画「NewKANRO 2021」を策定し、計画初年度の2017年12月期に40年ぶりとなるCI(コーポレート・アイデンティティ)の刷新を行ったカンロ。今に至る道のりや新たなCIで伝えていきたいことなどを、インタビュー形式にて社長の三須が語ります。

素材を活かすこだわりで、常にキャンディの新境地を拓いてきた

カンロは1912年(大正元年)に山口県光市で創業しました。当時の名称は「宮本製菓所」といい、カンロ飴のヒットをきっかけに社名を「カンロ株式会社」へと変更しました。以来、「健康のど飴」「ピュレグミ」「金のミルクキャンディ」といったキャンディを通じて皆様の健やかな生活に貢献してまいりました。
それぞれの商品について申し添えると、「カンロ飴」は、「しょうゆ」を使用した日本人に好まれる味として素材本来の美味しさを追求してきた当社のルーツです。「健康のど飴」は、のどへの優しさと美味しさを両立させることに成功し、1981年、菓子業界で初めて「のど飴」という新たなカテゴリーを創出しました。ピュレグミ」は果肉のような食感と甘ずっぱさで、大人向けグミ市場を創造しました。「金のミルク」は、香料・着色料を使わずミルクそのままの濃厚な美味しさを表現しています。今後、カンロが目指す「素材を活かしたものづくり」のシンボルともいえます。

糖のもつ栄養や癒しの効用を、正しく世の中に広めていく

キャンディをとりまく世の中を見てみると、糖質制限ブームなど、消費者の糖に対する意識は大きく変化しています。実際、日本における砂糖消費量はこの何十年も減少し続けていて、例えば、かつては喫茶店で供されるコーヒーに添えられるシュガーは10グラムのものでしたが、近年では2グラムの細い筒状へと少量に変わり、それすらも使わない方が増えています。

ただ、糖が悪者扱いされるのには誤解があります。人間の脳のエネルギーはブドウ糖であるように、糖は人間にとって必要なものであり、様々な効果・効用が得られる大事な栄養源なのです。
摂取してすぐにエネルギー源に変わることから、試合前のスポーツ選手が炭水化物を摂るのも一例ですし、仕事や勉強中に疲れたときなど、ちょっと甘いものが欲しくなった経験は皆さんにもあるのではないでしょうか。
カンロが扱う「キャンディ」は、この体に必要な糖を、気軽に場所を選ばずゆっくりと摂取できる「スロースイーツ」なのです。口の中で時間をかけて味わえるので満足感もあるし、他のスイーツではなかなかそうはいかないでしょう。

糖から未来をつくり、世界中の人を笑顔にする

こうした風潮に警鐘を鳴らす意味も込めて、40年ぶりにCIを新たにし、「糖と歩む企業」と改めて当社を位置づけました。そこで掲げたスローガンは「糖から未来をつくる。/Sweeten the Future」。
カンロ飴のオレンジ色をコーポレートカラーとし、シンボルマークは、カンロの原点であり、かつ、これから進化させていくメイン商品である「キャンディ」です。包み紙のひねり包装の形をデザインし、糖と歩む意志を象徴したシンボルとなっています。

また、中期経営計画「NewKANRO 2021」にて、品質・ブランド力・売上・利益などすべての面で「キャンディNo.1企業」を目指すことを目標に掲げました。これからもキャンディの主原料である糖にあらゆる角度から向き合い、キャンディを通じて人々の健やかな生活に貢献できることを提案していきます。具体的には、「素材を活かす」と「機能性」を軸とした商品開発を促進しており、今秋に新商品の発売を予定しています。

(プロフィール)
カンロ株式会社
代表取締役社長
三須 和泰