糖の伝統! 和三盆や三温糖を知っていますか?


世界で使われている砂糖としてポピュラーなのはグラニュー糖です。一方、日本では上白糖が一般的で、ほかにも三温糖や和三盆といったさまざまな種類の砂糖を使い分ける独自の糖文化があります。その中から、三温糖と和三盆に注目し、日本独自の糖文化に触れていきます。※1
 

砂糖の種類は製法の違いによるもの

日本には独自の砂糖の文化があり、さまざまな種類の砂糖がありますが、製法の違いにより砂糖の種類は決まっています。

上白糖、三温糖とグラニュー糖はサトウキビやテンサイを原料に、結晶と糖液に分離してつくる精製糖と呼ばれるものです。上白糖とグラニュー糖はどちらも結晶から作られ、上白糖はビスコと呼ばれる糖蜜が掛けられ、しっとりとしているのが違いになります。

上白糖もグラニュー糖も漂白されて白いわけではなく、不純物が取り除かれたことで、無色透明な砂糖の結晶が、光の反射によって白く見えています。三温糖は、糖液を煮詰めてカラメル色がついたものです。このほかに、結晶と糖液に分離せずに作られている含蜜糖には、サトウキビを原料にした黒糖や和三盆があります。

 

「三温糖」は甘みの強さとコクが特徴


「茶色の三温糖の方が、白い砂糖(上白糖)よりも健康に良いのでは?」と言われることがありますが、実際には栄養価の面ではほとんど変わりません。※2 上白糖も三温糖も製造工程は途中まで同じであり、ミネラルを含む糖蜜を分離する「精製」という工程を経る製造方法です。そのため、人間の体に必要なミネラルの含有量を比較しても、上白糖よりも三温糖の方がわずかに多いものの、健康に影響を与えるほどの違いではありません。

三温糖は甘みが強く、コクがあるのが特徴です。精製糖を甘みの強さで比較すると、甘みが強い方から三温糖・上白糖・グラニュー糖の順になります。三温糖は糖液を煮詰めることで甘みが強くなり、コクが生まれ、さらに、上白糖よりも甘みの強い転化糖が多く加えられているため、甘みがいっそう強くなります。※3

上白糖はクセがなく、料理やお菓子にオールマイティで使えます。一方の三温糖は、甘みの強さやコクを活かせる料理への使用に向いています。例えば、日本の家庭で親しまれている、煮物や佃煮を作る時に三温糖を使ってみましょう。魚の煮つけをはじめ、田作りや昆布巻きといったお正月のお節料理に使うと、三温糖の風味が活かせます。また、三温糖はきな粉との相性も良いので、わらび餅やきな粉餅などのお菓子にも向いています。※4 ※5

健康のために三温糖を選ぶのではなく、上白糖と三温糖は風味や味わいの違いで用途を使い分けるのがおすすめです。

 

まろやかな味わいの「和三盆」

和三盆はサトウキビからつくられているため、沖縄や鹿児島の奄美諸島のものと思うかもしれません。しかし、和三盆に使われているのは、竹糖という一般的なサトウキビよりも細い品種で、徳島県や香川県で栽培されているものです。和三盆は四国の特産品なのです。※6

和三盆の製造方法は、黒糖と比べて手間がかかります。和三盆はいくつも工程を経てつくられています。一つの工程に一週間かかるので、和三盆が完成するまでには、多くの手間が費やされています。圧搾する作業と研ぎという糖蜜を抜くの作業を3回繰り返すことが多く、和三盆と呼ばれるようになったと言われています。※7

和三盆糖としてそのまま料理などに使用されるほか、干菓子の和三盆糖型物としても親しまれています。和三盆は落雁と混同されることがありますが、和三盆糖型物は和三盆のみを固めたものなのに対して、落雁は米や麦・大豆などの粉と砂糖を混ぜて固めたものです。また、和三盆を作る時にできる糖蜜は、和菓子に使われています。

和三盆の味わいは、上品でまろやかな甘みがあり、口どけが良いのが特徴です。和三盆は、落雁などの干菓子や羊羹などの和菓子に主に使われています。

最近では、カステラやケーキなどの洋菓子にも使われるようになってきました。そのほかにも、コーヒーや紅茶の砂糖、寿司屋の玉子焼き、蕎麦屋の割りしたなど、幅広く利用されてきています。

 

砂糖を使った菓子と茶道の世界


茶道も菓子とは切っても切れない縁があります。
日本に茶道ができたのは鎌倉時代の頃でした。※8 その際のお茶請けの「点心」と呼ばれる簡単な小食がのちに菓子の原型となったと言われています。また、戦国時代から安土桃山時代には、茶人として有名な千利休で知られる、茶会の時のお茶請けとして出されたという逸話の残る「利休饅頭」は、今でも各地域で親しまれています。※9

砂糖が一般的に広まったのは江戸時代中期頃からで、お茶と一緒に砂糖を使った菓子が振舞われるようになりました。現在でも茶道では必ず菓子を一緒に出します。見た目で季節を感じさせ、主役である抹茶を引き立てる名脇役が菓子なのです。※10

基本的にはお茶を飲む前に菓子を食べて、口に残った甘みの余韻とともに抹茶を楽しみます。空腹時に抹茶を飲むと胃への刺激が強いため、先に菓子を食べてやわらげるという効果もあるそうです。※11
茶道の菓子には饅頭などの日持ちのしない主菓子と、落雁などの日持ちがする干菓子の2種類があり、四季を感じさせる花や植物をかたどった色とりどりの和三盆を使用した和菓子が楽しまれています。

 

糖文化の広がり

今日まで日本人は砂糖と深いかかわりを持って歴史を刻んできました。
三温糖や和三盆を活用した独自の糖文化が発展している日本では、昔から糖にこだわり、さまざまな種類の砂糖が料理やお菓子に使用され、重宝されてきました。世界で日本だけのオリジナルな糖文化を未来へ引き継いでいくためにも、いくつかの種類の砂糖をストックして、風味の違いなどをもとに、用途に合ったものを上手に使い分けたいですね。




 

参照元
※1 いろいろな砂糖の名前の由来
https://www.alic.go.jp/koho/mng01_000092.html
※2 白砂糖より黒砂糖が体によい?
http://www.pref.kyoto.jp/shohikids/satou.html
※3 おすすめの三温糖と特徴や美味しい食べ方 三温糖の甘みについて
https://food-drink.pintoru.com/sugar/san-ontou/
※4 おすすめの上白糖と特徴や美味しい食べ方 上白糖とは?
https://food-drink.pintoru.com/sugar/caster-sugar/
※5 おすすめの三温糖と特徴や美味しい食べ方 三温糖の美味しい使い方・食べ方
https://food-drink.pintoru.com/sugar/san-ontou/
※6 阿波和三盆糖
http://www.satouden.com/item/index3.html
※7 阿波和三盆 阿波和三盆糖の製造方法 七. 研ぎ 糖蜜分離を繰り返す
http://wasanbon.co.jp/method/togi2.html
※8 日本でのお茶の歴史
https://goo.gl/WZ3HdU
※9 日本の食べ物用語辞典 利休饅頭
https://japan-word.com/rikyu-manju
※10 日本文化いろは辞典
http://wasanbon.co.jp/method/togi2.html
※11 はじめての茶道ガイド
http://sadou.info/ochaseki/okasi/

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