抹茶と緑茶はどちらも緑色をしているお茶ですが、色の濃さや飲み方、用途などに違いがあります。抹茶と緑茶を使い分けてはいるものの、どこに違いがあるのか気になっている方もいるのではないでしょうか。
抹茶と緑茶の違いや抹茶の淹れ方、人気のお茶系スイーツについてまとめました。
抹茶と緑茶の違いとは?
抹茶も緑茶も同じチャノキ(学名:Camellia sinensis)の葉が使われています。また、色の異なる紅茶やウーロン茶も、チャノキの葉が原料です。これらのお茶の色が異なる理由はなぜなのでしょうか。
お茶は茶葉の発酵の有無によって大きく分類され、紅茶は「発酵茶」、ウーロン茶は「半発酵茶」、緑茶は「不発酵茶」であり、発酵によって色合いが変化するのです。さらに、栽培方法や製法などでも分類されます。※1
緑色をしている抹茶は、緑茶に属するお茶です。抹茶の定義にはさまざまな見解がありますが、主な定義としては「茶摘みの20日間ほど前から覆いをかぶせて、日光を遮った生の茶葉を揉まずに乾燥させ、茶臼で挽いて粉状にしたもの」とされています。茶摘みの前に日光を遮る理由は、チャノキの新芽に含まれる旨味が増え、なおかつ渋味成分が減少し、茶葉に旨味がたっぷりと含まれるためです。※1、※2、※3
スイーツのフレーバーとしての抹茶は親しみがあるものの、抹茶を点てて飲んだことがない方もいるのではないでしょうか。抹茶の点て方はシンプルで、茶碗に抹茶と少量の湯を入れ、茶筅で練り合わせるように混ぜたあと、湯を追加して茶筅で泡立てるように混ぜるだけです。茶葉を粉末状にした抹茶は、葉に含まれる旨味を丸ごと味わえます。※2
一方、緑茶は茶葉を収穫後に蒸してから一度冷却し、揉みながら茶葉を丸め、乾燥させたもので、茶葉に含まれるエキスをお湯で抽出して飲みます。世界各地でも緑茶は飲まれていますが、日本で飲むような無糖の緑茶だけではありません。砂糖を加えた甘い緑茶もよく飲まれています。海外のお茶について、詳しくはこちらで解説しています。※1
人気の抹茶スイーツ
苦味のある抹茶は甘味と相性が良く、スイーツの定番フレーバーです。抹茶スイーツの人気が出たきっかけは、1996年に発売されたハーゲンダッツのグリーンティーだといわれています。その後、さまざまな抹茶スイーツが登場し、人気は定着。現在話題のスイーツにも抹茶は使われています。※2
Instagramでも話題の抹茶スイーツをご紹介します。
〇ATELIER MATCHA
京都・宇治にある山政小山園が東京・日本橋に出店したプレミアム抹茶カフェ。
写真は茶道用の濃厚抹茶&クリーミーなホワイトチョコとサクサクのクランブル生地という相性抜群な組み合わせのケーキ「MATCHAガトー」。
https://www.instagram.com/p/CjxtH1sPXmZ/?igshid=YmMyMTA2M2Y%3D
〇Lit COFFEE&TEA STAND
東京港区芝公園のコーヒースタンド。
ゆったりと落ち着ける雰囲気の中いただけるのが「抹茶プリン」です。上に乗っているクリームまで抹茶で作られているというこだわりの固めプリンは、ラテとの相性抜群です。
https://www.instagram.com/p/CnJ7V97v0k2/?igshid=YmMyMTA2M2Y=
〇YATAGARASU
愛知県名古屋市のカフェ。
高級抹茶をたっぷり使った「濃厚抹茶テリーヌ」は、こだわりの製法で抹茶本来の旨味や香りを存分に楽しめます。(写真左が「濃厚抹茶テリーヌ」、右が「濃厚ほうじ茶テリーヌ」)
https://www.instagram.com/p/Cmvts2kPZoI/?igshid=YmMyMTA2M2Y=
〇浅草茶屋 たばねのし
東京浅草の和クレープ専門店。写真は「掛川抹茶ブリュレ」。
生地、カスタードクリームに掛川抹茶を100%使用したクレープです。トップはキャラメリゼ仕上げ、さらに金箔が飾られていて、何とも贅沢な装いですね。
https://www.instagram.com/p/CltEav0vpmC/?igshid=YmMyMTA2M2Y%3D
〇Panel Cafe
京都にあるパンケーキとクロッフルのお店。
中でも人気商品の「抹茶大福パンケーキ」は、パンケーキの上に餡子(粒あん)と生クリームをトッピングし、その上から抹茶求肥を包み込んだ大福のようなパンケーキ。
抹茶好きにはたまらない一品です。
https://www.instagram.com/p/CmKoFMByGed/?igshid=YmMyMTA2M2Y=
〇IPPUKU & MATCHA
写真の「抹茶抹茶抹茶プリン」は、オープン以来人気の「甜菜糖のかたいプリン」の上に抹茶アイスと抹茶ソースをかけた極上の風味と深い味わいを楽しめる抹茶づくしのスイーツです。
https://www.instagram.com/p/CUuqbwTlklo/?igshid=YmMyMTA2M2Y=
上記でご紹介した以外の、濃い抹茶を使ったスイーツについてはこちらをご参照ください。
気になるお茶系スイーツの動向
抹茶のほかにもスイーツにお茶は使われており、数年前からほうじ茶のスイーツも人気です。ほうじ茶は、緑茶に分類される煎茶や番茶などを強火で炒ったもの。炒ることで苦味や渋味成分がやわらぐため、すっきりとした味わいです。また、ほうじ茶に湯を入れたときに立ち込める香ばしさに、ほっとすると感じる方もいるのではないでしょうか。※1
ほうじ茶の味わいは、ミルクや砂糖とも相性が良いです。ふわふわのフォームミルクを乗せた甘いほうじ茶ラテは、コーヒーチェーン店などの定番メニューにも取り扱われています。
お茶系スイーツの定番である抹茶はミルクや砂糖との相性が良く、多くのスイーツで使われるようになりました。ほうじ茶も同様に、アイスクリームやプリン、ロールケーキなど、甘くてミルク感のあるスイーツなどに使われ、これからますます人気がでるのではないでしょうか。
香ばしさとすっきりとした味わいを堪能できるほうじ茶スイーツの魅力については、こちらでご紹介しています。
抹茶は茶道で伝わっている形式の飲み方のほかに、カフェで飲むドリンクやスイーツなどにも使われています。抹茶が使われているスイーツは幅広く、定番のフレーバーとして定着しているほどです。また、抹茶や緑茶は、日本だけでなく海外でも人気があるお茶です。
<参考>
※1:お茶の歴史 ヘレン・サベリ著
※2:宇治抹茶問屋4代目が教えるお抹茶のすべて 桑原秀樹
※3:公益社団法人日本茶業中央会
https://www.nihon-cha.or.jp/index.html