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マインドフルネス? 京都のお寺で飴を舐める禅体験があるらしい!


近頃、"マインドフルネス瞑想"という言葉を耳にすることが多くなってきました。
マインドフルネス瞑想とは「今という瞬間を意識する瞑想」のことで、一般的に"観察瞑想"と呼ばれる瞑想法のひとつです。通常の瞑想は「雑念を消す」ために努めますが、マインドフルネス瞑想は「雑念を観察する」ことを目的としています。
そんな話題のマインドフルネスですが、「飴を舐めながら」行うマインドフルネスがあることをご存知でしょうか。
 

マインドフルネス瞑想とは? 雑念を観察する"観察瞑想"の世界

現代人は「音楽を聴きながら」「テレビを見ながら」「スマホをいじりながら」「歩きながら」など、他の何かに意識を分散させながら活動することが多くあります。
また、今やっていることを気に留めず「未来のこと」「昔のこと」ばかり考えてしまうことも珍しくありません。

・通勤しながら学生時代のことを考えていたらいつの間にか会社に着いていた
・明日の仕事のことを考えながらゲームしていたらあっという間に夜になった
・テレビを見ながら夕食をとっていたら味も分からないうちに食べ終えていた
・スマホをいじりながら友人と会話していたが何を話したのか覚えていない

上記のような経験、きっとアナタにも身に覚えがあるのでは?
意識を散らすこと自体が悪いわけではありませんが、このような生活を続けていると「今」がないがしろになってしまいかねません。
無意識のうちに雑念に囚われ、体が自動操縦状態に陥ってしまうことへの対抗策こそがマインドフルネス瞑想なのです。

マインドフルネス瞑想では、徹底して「今という瞬間に意識を向ける」ことに努めます。
自分は今なにを考えていて、今なにをやっていて、今なにがしたいのか……「今の自分」を客観的に見つめ直すことで心をフラットな状態に戻すこともできるでしょう。

 

飴を舐める禅体験? いま見直される「禅」とは


瞑想と聞くと宗教的なイメージを抱く方も少なくないかと思います。マインドフルネス瞑想は、仏教の修行に着想を得て始まったものですが、アメリカに持ち込まれてからは「ストレス低減法」として発展を遂げているようです。

近年では世界的に有名な大企業でもマインドフルネス瞑想を用いた研修が行われています。
世界に名だたる大企業がマインドフルネス瞑想を取り入れ始めたことで、日本でも数年前からマインドフルネス瞑想への注目度が高まってきました。

ちなみに日本には、古来からマインドフルネス瞑想に近い「禅」という考え方が浸透していました。
禅も元は仏教から派生した概念なので、いわばマインドフルネス瞑想とは遠い親戚のようなものなのでしょうか。
もともと禅の教えに馴染みがあった日本人にとって、マインドフルネス瞑想の考え方は受け入れられやすかったのかもしれませんね。

この流れを汲むかのように、京都の禅寺では面白い試みが始まっています。
京都の禅寺で行われる「ひと粒の禅」は、「飴玉を舐めることだけに7分間意識を集中する」というもの。飴を舐めるという日常的な行動で禅を体験することにより、その後飴を舐めるたびに禅体験を思い出せるという試みです。※1
今やっていることに集中するという考え方には、まさにマインドフルネス瞑想と通じ合う部分もありますね。

「ひと粒の禅」は本物の禅寺で行われているイベントですが、決して参加者の宗派や国籍を選ぶようなことはありません。
マインドフルネス瞑想と同じく「宗教から切り離された活動」であり、一般人でも参加できる体験として人気だそうです。

飴を舐める、という実にシンプルな行動で精神を落ち着かせることができる……
「ひと粒の禅」は神秘のヴェールに包まれていた禅という考え方が、意外と私たちの生活に身近なものであると教えてくれました。マインドフルネス瞑想の流行と共に、日本古来の禅の考え方もまた少しずつ見直されてきているようです。

 

飴を舐めるだけでもマインドフルネス瞑想はできる!


マインドフルネス瞑想にはいくつかのやり方が存在します。
本格的に体験してみたい方は専門のセミナーなどに参加するのが良いかもしれませんが、本格体験に必要な時間を取れる人は多くはないかと思います。

しかしご安心ください。そこまで本格的な準備をしなくても、マインドフルネス瞑想を体験することは可能です。
実際、マインドフルネスに関するスマートフォンアプリなども存在するようですが、例えば先ほどご紹介した「ひと粒の禅」のように、瞑想や禅というものは私たちの生活とそれほどかけ離れたものではないのです。

現代社会で生きていくうえで何か一つに集中をすることはなかなか出来ることではありませんが、それこそ「飴を舐める」というだけでもマインドフルネス瞑想のキッカケになります。お気に入りの飴を用意して、口の中の飴が溶けきるまで飴を舐めることだけに集中する……これだって、立派な瞑想には違いありません。

たったそれだけのことを考えると、マインドフルネス瞑想が身近なことに思えてきませんか? もしもマインドフルネス瞑想に興味が湧いたら、アナタも一日にたった数分だけで良いので「飴を舐める」ことに集中してみてはいかがでしょうか。糖分を取ることで集中力も高まると言われていますので勉強や仕事の合間などにぜひお試しください。



 

参照元URL
※1 https://on-the-trip.com/news/66/
妙心寺 退蔵院公式ガイド ON THE TRIP