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適糖ライフのススメVol.10 ストレス発散におやつを食べたい!でも実はストレス解消に大切な栄養素があるのをご存じですか

春からの新生活の影響や梅雨などの天候の変化によって、メンタル不調も増える季節。

ストレス発散におやつを食べたい!
おやつを食べないとイライラしてしまう!

などのお悩みがよく聞こえてきます。
そこで今回は、ストレスとおやつの上手な付き合い方について紹介します。

ストレスから身を守る大事な栄養素 ご存知ですか?

ストレスとは、外部から刺激を受けたときに生じる緊張状態のことです。
天候や病気、不安や忙しさなどマイナス面の出来事によって生じると認識されやすいですが、例えば進学や就職、結婚、出産といった喜ばしい出来事でも、変化であり刺激であるため、実はストレスの原因になっています。※1

それでは、ストレスを感じたときの体のメカニズムについて見ていきましょう。
ストレスを感じると、体の中に過剰な活性酸素が発生し、がんや生活習慣病など様々な疾患リスクが高まると言われます。そこで人は、抗酸化作用を持つビタミンCやビタミンE、β-カロテンなどを消費し、活性酸素を除去して体を守ります。特にビタミンCは、ノルアドレナリン、アドレナリン、コルチゾールといったホルモンの合成に関与するので、不足することによってホルモンバランスが乱れ、さらに疲れやすくなってしまうのです。※2

この状態でおやつを大量に食べたらどうなるでしょうか。
ビタミンCは糖質や脂質代謝に関与しているので、おやつを代謝するためにもビタミンCが使われ、さらに体内ではビタミンC不足が加速してしまいます。ストレス発散に食べたおやつによって、体に更なるストレスを与えてしまう...という悪循環ですね。

ストレス対策におすすめのおやつ

そこでストレス対策におすすめのおやつは「フルーツ」。
ビタミンCが豊富で甘味もあるので、ストレスで甘いものが食べたくなる欲求を満たしてくれるほか、不足しているビタミンCの補給にもなります。これからの暑い時期においしくなるオレンジやゴールデンキウイ、パイナップルなどの南国系の甘いフルーツには、ビタミンCが豊富に含まれています。量としては、1日に片手の平1杯分が適量です。

100g中のビタミンC含有量

  • オレンジ     60mg
  • ゴールデンキウイ 140mg
  • パイナップル   35g

(八訂食品成分表2020より)

おやつを食べたくなったときは、おやつを楽しむ適糖ライフを目安に、食べすぎに注意しながら上手に付き合っていきましょう。先にフルーツを食べてから適量のおやつをとるなど、組み合わせて食べるのも効果的です。

ビタミンCなどの栄養素の補給はもちろんのこと、ストレスを感じた時には早めの休養と気分転換で、セルフケアを忘れずにお過ごしくださいね。

※1)厚生労働省 みんなのメンタルヘルス
※2)ストレス負荷時の食事摂取量の変化と必要な栄養素─被災者への栄養・食生活支援のために─ 1国立保健医療科学院生涯保健部 須藤紀子他

ライタープロフィール

渥美 まゆ美
【管理栄養士/フードコーディネーター】

保育園栄養士、健保組合、大手料理教室の講師を経てフリーランスで活動後2016年株式会社Smile meal設立。
現在は出版、メディア出演、レシピ開発など体にプラスな料理の提案をすると共に、企業向け健康セミナーの講師や従業員の健康をサポートする料理教室、高齢者向け介護予防教室など健康サポート事業にも携わる。