猛暑が続いた夏も終わり、少しずつ過ごしやすい日が増えてきました。 とはいっても、まだまだ残暑が厳しいこの季節。過酷な暑さではないものの、「夏バテ」のように体がだるい、疲れがとれない・・・などの体の不調が続いている方はいませんか?
それは、夏に溜まった疲れがしっかり解消されていないことが原因かもしれません。
今回は残暑とともに残った夏疲れの解消法をお伝えします。
夏を過ぎても感じる不調の正体は?
夏の終わりから秋本番をむかえる10月ごろにかけて、涼しく過ごしやすい日が増えてくる一方、まだまだ残暑も厳しいのがこの時期。もうそれほど暑くはないのに、夏から引きずった「夏バテ」のような体の不調が続くことがあります。
【秋の不調の原因】※1)※2)
①寒暖差による自律神経の乱れ
この時期は朝晩の涼しい気温と昼間の暑さとの気温差が激しくなります。エアコンの使用による室内と室外の気温差の影響も相まって、寒暖差による自律神経の乱れが起きやすくなると言われています。
②エアコンの使用や冷たいものの摂取による血行不良
日中は厳しい暑さが残るこの季節、夏から引き続いて冷たい飲み物や食べ物の摂取が長期化しがち。朝晩は気温が低下するため、つい夏の意識で過ごしていると体が冷え、血流が悪くなり胃腸障害を起こしやすくなってしまいます。
③夏の疲れの蓄積
夏の間に「夏バテ」で食欲が低下していたり、暑さで睡眠の質が落ちていたりと、十分な食事や睡眠がとれていないと疲れが抜けにくく、知らず知らずのうちに疲れが蓄積されてしまっていることがあります。
最近では、「夏バテ」と同じような症状が続くこの時期の体の不調を「秋バテ」や「残暑バテ」などと表現されているのもよく耳にしますよね。
食事のケアで夏の疲れを解消!気をつけるべき3つのポイント
それでは、夏に溜まってしまった疲れをリセットする方法はあるのでしょうか?食事の面から「秋バテ」を予防するために気をつけるべきポイントを3つお伝えします。
【その1】胃腸に負担のかかる油もの、冷たいものは控えめに
夏場の火照った体のクールダウンに適度に冷たいものを摂るのは良いことですが、冷たいものばかり摂っていると血流が悪くなり、消化機能が低下してしまいます。消化に時間のかかる油ものも、疲れた体には負担が大きくなるので控えめにしましょう。
弱った胃腸を労わるためにおすすめな料理:温かい野菜スープ、白身魚の中華蒸し、豆腐の野菜あんかけなど
【その2】ビタミン、ミネラルはいつもより意識して
暑さで食欲が低下していると、水分摂取のみで済ませたり、そうめんやそばなどつるつるっと食べやすい麺類に偏った食事になってしまったりと、栄養バランスが崩れがちに。まだまだ汗をかくことも多い残暑の時期は、汗と共にミネラルも失われています。
ビタミン、ミネラルが不足すると体の代謝がうまく回らず疲れが残ったり、夏の紫外線を浴びたお肌のケアにも影響したりします。きゅうりやトマト、なすなどの夏に旬を迎える野菜には、夏場に不足しがちなビタミンやミネラルが豊富に含まれています。残暑の時期にもまだたくさん出回っているので、積極的に摂るようにしましょう。
食品保存の面でも夏バテ対策の面でも大活躍してくれる、さっぱりとした酸味のピクルスについてはこちらでご紹介しています。
・【ピクルスレシピ】カレーピクルスレシピで夏の食欲低下を防ごう 適糖おすすめ献立New レシピ
・ピクルスとは。メリットがいっぱい、おいしいピクルスの作り方のコツ!
・【いつでも食べたいピクルス】いつでも食べたくなるピクルス レシピ、保存・常備用に最適 適糖おすすめ献立New レシピ
【その3】睡眠の質を高めるためには「トリプトファン」
疲れの解消に欠かせないのは、良質な睡眠です。必須アミノ酸の一つである「トリプトファン」は「睡眠ホルモン」と呼ばれる「メラトニン」の材料となる栄養素。トリプトファンを意識的に摂ることで、良質な睡眠をサポートしてくれます。※3)
トリプトファンを豊富に含む食材:大豆製品、乳製品、卵、肉、魚、そば、バナナ、アーモンドなど
おすすめなのは朝食に食べること!朝食を食べる時間がない時にも、バナナ1本、ヨーグルトを食べるだけでも夜の睡眠のサポートにつながります。
夏の終わりから秋本番までの季節の変わり目は、夏の蓄積された疲れも重なり、身体の不調が出やすい時期です。気候に合わせて、生活習慣も夏から秋へと少しずつ切り替えて、秋を思い切り満喫するための準備をしましょう!
※1)奈良県医師会ホームページ
https://nara.med.or.jp/for_residents/5793/
※2)厚生労働省「e-ヘルスネット」自律神経失調症
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/heart/yk-082.html
※3)日本医科大学医学会「睡眠障害のトピックス:睡眠覚醒リズム障害について
日本医科大学雑誌68巻4号 (jst.go.jp)
公益社団法人日本化学会「トリプトファンとその代謝産物について」 ja (jst.go.jp)
森田健「日常生活における受光履歴とトリプトファンの食事摂取が睡眠に及ぼす影響
23370106 研究成果報告書 (nii.ac.jp)
ライタープロフィール
渥美 まゆ美
【管理栄養士/フードコーディネーター】
保育園栄養士、健保組合、大手料理教室の講師を経てフリーランスで活動後2016年株式会社Smile meal設立。
現在は出版、メディア出演、レシピ開発など体にプラスな料理の提案をすると共に、企業向け健康セミナーの講師や従業員の健康をサポートする料理教室、高齢者向け介護予防教室など健康サポート事業にも携わる。