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糖と熱中症対策! 飴を舐めたりかき氷を食べたりして乗り切ろう


日本の夏は暑くてジメジメ…十分な対策を取らないと熱中症になってしまうこともあります。熱中症の対策として知られているのが水分や塩分の補給ですが、それ以外に糖の存在も大切です。この記事では、基本的な熱中症対策に加え、糖を摂ることの重要性についても解説します。

熱中症が起こるメカニズム

身体を動かすと体温が高くなりますが、人は汗をかくことによって熱を放出しています。しかし、気温が高いと汗をかいても熱を放出しきれなくなり、汗で水分や塩分が失われていきます。

そうすると、次第に血液の循環は悪くなり、汗をかくことさえできなくなってしまうため、身体の中に熱がこもった状態となり、体温が急激に上昇します。体内の水分量が減ると血液がいきわたらなくなり、熱中症の症状としてこむら返りや意識を失う、肝臓や腎臓の機能が低下するなどの症状が見られるようになります。

ヒトの臓器は37℃付近で最も正常に働くようにできています。しかし、熱がこもって体温が高くなってしまうと、どんどん体の機能が低下して熱中症が引き起こされるというわけです。※1

美味しく水分補給ができる熱中症対策


最近は地球温暖化の影響なのか、日本でも異常に気温が上がるようになりました。高い気温に慣れていない人は、熱中症を起こしやすいので注意が必要です。

また、熱中症は体調が悪い時や体温調節機能が低下している時に発症のリスクが高まります。体温調節機能が未熟な子供や、脱水が進んでも気が付きにくい高齢者は特に気を付ける必要があります。

熱中症の対策としては、こまめな水分補給と塩分補給が重要だとされています。まずはこの2つをしっかりと実行し、暑い環境に備えてください。さらに寝る際の環境を快適に保ったり、バランスの良い食事で丈夫な体を作ったりすることも大切です。身体は知らず知らずのうちに暑さで疲れています。十分な休養と栄養補給を含め、基礎的な健康づくりをすることが大切です。※2

詳しくはこちらを参照ください
熱中症予防に!夏の上手な水分補給とむくみ対策のコツ

また、水分補給を意識して水やお茶を飲むようにしていても、それだけでは必要な量がまかなえないこともあります。そのため、食事や間食などで水分を摂りやすいものとしておすすめしたいのがかき氷です。

かき氷は火照った体をクールダウンする効果もありますし、同時に水分を摂ることもできます。最近では定番のイチゴやメロンに加え、バラエティに富んだ味を楽しむことができるのも魅力です。果物にも水分がたくさん含まれていますので、トッピングなどに使うとさらに効果的。シロップさえあればいつでも安くて美味しいかき氷が食べられます。ぜひ一家に一台かき氷器を準備して、美味しく熱中症予防をしていきましょう。

詳しくはこちらを参照ください
かき氷はシロップ手作りでもっとおいしく! 自家製かき氷のすすめ

熱中症の対策には糖分を忘れずに


熱中症対策としてよく用いられるのがスポーツドリンクです。汗をかいた時は身体から水分や塩分やミネラルが失われている状態ですが、スポーツドリンクには水分や塩分が含まれており、この2つを同時に摂取することができます。汗をかいたときに水だけを補給すると、体液中の塩分濃度が下がって身体が水を吸収できないため、塩分を一緒に摂ることが重要です。

また、糖分(糖質)には、小腸におけるミネラルや水分の吸収を促す役割があります。さらに、糖質は身体を動かすエネルギーを作る働きをするため、疲労感の軽減にも役立ちます。暑さでバテた身体を回復させるために、糖質は欠かせない栄養素なのです。※3

しかし、夏バテで食欲が湧かない時は、無理せず食べやすいものを選んでください。糖質が不足すると低血糖となり、疲れやめまいなどの原因となります。持ち運びやすい飴は夏バテ回復や熱中症の予防にも役立ちます。自宅にいる時は、先ほど紹介したかき氷やシャーベットのような氷菓がおすすめです。

ただし、糖分は摂り過ぎに注意が必要です。ごはんや麺類などの主食からも糖質を摂取しており、これに加えて甘いものを摂り過ぎると肥満の原因になります。糖質は健康を維持するために欠かせない栄養素ではありますが、摂り過ぎに注意をしながら適度なバランスで摂取することを意識しましょう。最近のかき氷はトッピングが豪華なものが多く、カロリーを摂り過ぎる原因となる場合もありますので、練乳などカロリーの高いものには気を付けましょう。※4

詳しくはこちらを参照ください
かき氷はシロップ手作りでもっとおいしく! かき氷の都市伝説。かき氷は太るのか、痩せるのか
かき氷がふわふわ、映える、美味しいお店はどこ?

室内で過ごすことが多い人は、体が暑さに慣れていないため、熱中症のリスクが高くなります。出かける時は水分だけでなく、糖分が補給できる飴などのアイテムも携帯しましょう。また、体温が上がって熱が体内にこもるときは、かき氷などで美味しく体を冷やしてあげてくださいね。

 

※1 日本気象協会推進 熱中症のメカニズム
https://www.netsuzero.jp/learning/le12

※2 第一三共ヘルスケア くすりと健康の情報局 熱中症の原因
https://www.daiichisankyo-hc.co.jp/health/symptom/31_nettyusyo/

※3 大塚製薬 効率的な水分補給
https://www.otsuka.co.jp/health-and-illness/heat-disorders/replenish/

※4 農林水産省
https://www.maff.go.jp/j/heya/sodan/2007/02.html


ライタープロフィール

佐々木優美(管理栄養士)

病院にて給食管理や栄養指導に従事しフリーランスとして独立。webメディアでは健康・栄養系のライターとして記事を執筆しています。その他、食育教室や自治体主催の料理教室、短期大学の非常勤講師などの仕事を通じて、食の大切さを伝える活動をしています。