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甜菜糖はどんな人におすすめ? ビフィズス菌の栄養源が腸内環境を整える!


近年、注目を浴びている糖。糖の質にも目が向けられていますね。「白い砂糖よりも色の付いた砂糖を選ぶようにしている」という方もいらっしゃるのではないでしょうか。なかでも、上白糖の代わりとして料理やお菓子などに使いやすいのが甜菜糖。なぜ、甜菜糖が良いといわれているのか?どんな人におすすめなのか?甜菜糖の特徴について解説します。

甜菜は上白糖の原料にもなる?!


甜菜糖の原料は、国内では北海道でのみ生産されている「甜菜(てんさい)」です。大根のような見た目をしており、「さとう大根」とも呼ばれます。大根のような部分を切って煮出し、糖分を抽出して煮詰め、「結晶化させたもの」と「蜜」に分けられます。この「蜜」を乾燥させたものが甜菜糖となります。一方で「結晶化させたもの」は、実は上白糖やグラニュー糖として売られています。見た目は全く違うのに、同じ原料からできているとは驚きですね。

甜菜についてはこちらもあわせてご覧ください。
甜菜が原料の甜菜糖とは 健康によい?
ビートってどんな野菜? 砂糖の原料にもなる「甜菜」という植物

甜菜糖が腸活の強い味方といわれる理由とは


①手軽にオリゴ糖を補給できる
甜菜糖と上白糖の栄養成分で大きく違うのは「オリゴ糖」です。甜菜糖にはビフィズス菌などの「善玉菌」と呼ばれる腸内細菌のエサとなり、善玉菌を増やす作用のあるオリゴ糖が含まれています。善玉菌は長く腸内にとどまることができないため、腸内環境をととのえるためにはヨーグルトや納豆などに含まれる善玉菌を毎日、継続的にとることが重要です。それに加えて、その善玉菌のエサとなるオリゴ糖や食物繊維をとることによって、さらに効果が期待できます。普段使っている砂糖を甜菜糖に置き換えるだけで、オリゴ糖を補給できる点は手軽で良いですね。

市販のオリゴ糖の有効摂取量は1日あたり2~10gといわれていますが、甜菜糖には100gあたり約5gのオリゴ糖が含まれています。※2※3
WHOでは砂糖の摂取量は1日あたり25g未満にすることを推奨しているため、25gを全て甜菜糖でとったとしてもオリゴ糖の摂取量は約1.3gと、甜菜糖だけでは十分にオリゴ糖を摂取することはできません。※4
オリゴ糖を含む大豆製品やごぼう、玉ねぎ、バナナなども積極的に取り入れると良いでしょう。

オリゴ糖のとり方についてはこちらでも詳しく紹介しています。
オリゴ糖は続けないと意味がない!? 効果を実感するために必要な期間とは?

②食物繊維も補給できる
腸内環境を良くする=食物繊維といったイメージで日常的に食物繊維の豊富な野菜やきのこ、海藻類、いもなどを多く食べるようにしているという方も多いのではないでしょうか。実は甜菜糖にも食物繊維が100gあたり8.3g含まれています。※3
甜菜糖大さじ1(9g)で約0.8gの食物繊維をとることができるため、コーヒーや紅茶に入れる砂糖や料理に使う砂糖を甜菜糖にすると、不足しがちな食物繊維の補給に補助的に活躍しそうです。
以上のことから、甜菜糖は便秘や生活習慣病の予防、免疫機能の維持などのために腸内環境を良くしたいという方におすすめです。

腸内環境を整える「腸活」についてはこちらで詳しく紹介しています。
腸活とは。腸活トレーニングで明日から腸を活性化しよう

甜菜糖の使い方は?


甜菜糖はまろやかな甘さと風味が特徴的で、上白糖を使用した場合とはひと味違った味わいを楽しむことができます。上白糖の代わりとして煮物や炒め物に使うとコクがプラスされ、焼き菓子は香ばしく仕上がります。クセがなく、幅広い料理に活用することができますが、一つだけ注意点があります。甜菜糖は薄い茶色をしており、自然の風味があるため、白っぽく仕上げたい料理や菓子、繊細な味を楽しみたい菓子等には不向きです。

善玉菌の豊富なヨーグルトに、善玉菌のエサとなるオリゴ糖と食物繊維がとれる甜菜糖、そしてバナナを組み合わせるのがおすすめです。また、オートミールを使った食物繊維たっぷりのクッキーに甜菜糖を活用すると、オートミールの素朴な美味しさや香りとマッチした、腸活にぴったりのクッキーに。甜菜糖をまだ使ったことのない方は一度試してみてはいかがでしょうか。

甜菜糖を使ったレシピや甜菜糖の健康効果についてはこちらもご覧ください。
【サクサクドーナツレシピ】甜菜糖ときな粉でアレンジ 和風ドーナツの作り方 適糖おすすめ献立New レシピ
【腸活レシピ】食物繊維とオリゴ糖がとれる! 甜菜糖とごぼうのかりんとうの作り方 適糖おすすめ献立New レシピ

<参考文献>
※1 農林水産省:砂糖の原料 「てん菜」と「さとうきび」の生産現場をのぞいてみよう!https://www.maff.go.jp/j/pr/aff/2111/spe1_03.html
※2 厚生労働省:腸内細菌と健康 | e-ヘルスネット
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/food/e-05-003.html
※3 文部科学省:日本食品標準成分表2020年版(八訂)
※4 WHO:Guideline: sugars intake for adults and children
https://www.who.int/publications/i/item/9789241549028

ライタープロフィール

渥美 まゆ美
【管理栄養士/フードコーディネーター】

保育園栄養士、健保組合、大手料理教室の講師を経てフリーランスで活動後2016年株式会社Smile meal設立。
現在は出版、メディア出演、レシピ開発など体にプラスな料理の提案をすると共に、企業向け健康セミナーの講師や従業員の健康をサポートする料理教室、高齢者向け介護予防教室など健康サポート事業にも携わる。