糖と料理

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適糖ライフのススメVol.3 「遊離糖類の過剰摂取リスクと適糖ライフ」

遊離糖類の過剰摂取のリスクとは?


「遊離糖類とは」単糖類と二糖類のものを指し、摂取目安量としては成人で1日あたりの砂糖の摂取量を小さじ6杯程度にするとより健康的な生活と言われています。(詳しくは適糖ライフのススメVol.1 「遊離糖類とは」
では、実際遊離糖類をたくさん摂りすぎることで、どのようなリスクがあるのでしょうか?

「遊離糖類の摂取量を総エネルギー摂取量の10%未満に抑えると太りすぎ、肥満、虫歯のリスクが減少する」※1

WHOの発表したガイドラインによると、遊離糖類(WHOの定義によると蜂蜜やシロップ、果物ジュースに天然に存在する糖類、および製造元や消費者が食品に添加する糖類)は総エネルギー摂取量の10%未満に抑えることで太りすぎ、肥満、虫歯のリスクが減少するという「確かな証拠があります」と述べています。

さらに総エネルギー摂取量の5%未満に抑えることで、健康上の利点が得られる、と記載もあります。

■砂糖と虫歯、肥満の関係
日本でも昭和30年から約30年間にわたる調査により、砂糖を多く含む食品をとっている人は多くとっていない人に比べ虫歯の発症が多く見られたと報告があります。
生活習慣と虫歯や歯周病にも大きな関連があり、歯の問題を抱える人はメタボリックシンドロームになりやすいという報告も。肥満でない人の将来健康寿命が長いということはよく知られていることかもしれませんが、口腔の状態が良いとされる人も健康寿命が長く、活動能力が高く維持できているとの報告もあります。
※3※4

どうやら砂糖の過剰摂取に気をつければ、自ら健康を害するリスクの高い生活も少しは避けられそうですが、
それでは推奨される糖類の量(総エネルギー摂取量の10%未満)とは、どのくらいの量が目安になるのでしょうか?

適度な糖の摂取量「適糖ライフ」とは


日常で家事や仕事の合間にちょっと間食する人も多いはず。甘いおやつは、気分をリフレッシュしたり疲れを癒したりできるものです。

それでは具体的に砂糖の適度な摂取量を考えていきましょう。

一般成人で活動量が普通とされる20歳女性の推定エネルギー必要量は
2000kcal。※2
糖類の摂取量を10%未満が理想と考えると
理想の糖類の摂取エネルギーは200kcal未満。

砂糖のみで換算すると、ティースプーン10杯程の量になります。健康を推進する量としては、その半分の5杯程度です。

■野菜や果物、牛乳などの中に含まれる天然に存在する糖は砂糖と同様に考えない
糖類を考える時にまずは野菜や果物、牛乳の中に含まれる天然に存在する糖と砂糖を同じように考えないことを前提にしておきます。
WHOガイドラインでは果物や野菜、牛乳などの中に含まれる天然に存在する糖については触れていません。これらの糖の摂取による悪影響の報告は確認されていないからです。きっと果物や野菜、牛乳から摂取できるビタミンやミネラル等の恩恵の方が体に大きいと考えられるのでしょう。

そう考えると、普通に3食食べて、調味料で糖類を使ったとしても、飴やグミなどでおやつを楽しむ余地は十分にありますね。

グミ1粒食べても10キロカロリー前後。
飴玉1つ食べても13キロカロリー前後で糖類は約3~4g。

実はきちんと3食食べて、おやつを楽しみとして適量食べても過剰摂取にはなりません。

知らないうちに糖類を大量摂取している清涼飲料水などの摂り過ぎや、ダラダラ食べや、ながら飲みなど意識していないうちに摂取する糖類の量には気をつけて、ご自身の体調や体重を目安に、健康のコントロールを意識することが大切です。
健康リスクの少ない生活を心がけましょう。

しっかり食べる3食の目安は、下記メニューを参考にしてみてくださいね。
 

おすすめレシピ紹介 


今回ご紹介する3食の献立の遊離糖類は合計で約14.2gです。

Vol.1とVol.2メニューに続き、昼食メニュー「そうめん冷製トマトパスタ」のレシピをご紹介いたします。
夕食レシピはVol.1、朝食レシピはVol.2をご覧ください。
毎回新しいレシピをご紹介しますので今後もお楽しみに!

朝:「レンチン味噌汁」遊離糖類約1g(野菜・果物は除く)
マグカップ1つで材料を入れてレンジでチンするだけ。栄養バランスも良いお手軽マグカップ味噌汁です。


 
<レシピ>
レシピはこちら→適糖ライフのススメVol.2 「糖は悪者か?」

<合わせる献立>
・ごはん一人 150g  ・ししゃも 一人2本 ・トマト一人1/6個


昼:「そうめん冷製トマトパスタ」遊離糖類約5.8g(野菜・果物は除く)
遊離糖類が多くなりがちなめんつゆを少量でも美味しく仕上がるよう、パスタの代わりにそうめんを使用します。

 

<調理ポイント>
・昼メニュー(調理ポイント:トマトの種までしっかりめんつゆに混ぜてあげることで旨味と酸味がアップし、少量のめんつゆでも満足のいく味付けになります。)

<材料(2人分)>
流水麺    2人分
ツナ缶(ノンオイル)    1缶
トマト    1個
大葉    4枚
Aめんつゆ    大さじ4
Aオリーブオイル    大さじ2
Aレモン汁    大さじ1
塩    少々
こしょう    少々
レモンくし切り    1/8切れ

<作り方>
1.トマトは1.5センチ角サイコロ状に切る。大葉はせん切りにしてさっと水にさらし、水気をふく。
2.ボウルにAを混ぜあわせ1を加える。        
3.流水麺を水で洗い流してほぐし、2に加えあえて塩、こしょうで味をととのえる。
4.3を器に盛りつけお好みでレモンを添える。

<合わせる献立>
・果物 ぶどう60g


晩:「鶏のヨーグルトクリーム風煮込み」遊離糖類約7.4g(野菜・果物は除く)
遊離糖類を多くとってしまいがちな肉料理のソースですが、乳製品を使ってクリーミーに。ヨーグルトの酸味を使うことで遊離糖類が多い調味料を使わずに美味しく仕上げることができます。

 

<レシピ>
レシピはこちら→適糖ライフのススメVol.1 「遊離糖類とは」

<合わせる献立>
・ごはん 150g
・コンソメスープ



(参考文献) 
※1世界保健機関(WHO)、ガイドライン「成人及び児童の糖類摂取量」
※2厚生労働省. 日本人の食事摂取基準(2020年版)
国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所 「炭水化物と糖類について」
※3厚生労働省「e-ヘルスネット」甘味の適性摂取方法
※4厚生労働省HP「歯の健康」


ライタープロフィール


渥美 まゆ美
【管理栄養士/フードコーディネーター/健康運動指導士】

保育園栄養士、健保組合、大手料理教室の講師を経てフリーランスで活動後2016年株式会社Smile meal設立。
現在は出版、メディア出演、レシピ開発など体にプラスな料理の提案をすると共に、企業向け健康セミナーの講師や従業員の健康をサポートする料理教室、高齢者向け介護予防教室など健康サポート事業にも携わる。