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人工甘味料の種類と特徴! 栄養士が考えた上手な使い方

人工甘味料は低エネルギー飲料やお菓子などに用いられています。人工甘味料を使った商品は、カロリーを抑えながら甘味を感じられるので、ダイエット中の方にも人気です。しかし、人工甘味料と聞くとなんだか健康にはあまりよくないようなイメージを持つ方もいるかもしれません。ここでは人工甘味料について詳しく解説し、上手な活用法を紹介していきたいと思います。

人工甘味料とは

人工甘味料は、化学的に合成されて作られた甘味料で糖アルコールと合成甘味料が該当し、カロリーを抑えた砂糖の代替甘味料として使用されます。商品に使われるときは砂糖の甘さに近づけるため、いくつかの人工甘味料を併用している場合が多いです。

人工甘味料が使われているのは、主に清涼飲料水やガムなどの食品です。カロリーゼロやカロリーオフと書かれているものには、人工甘味料が使われている可能性が高いといえます。

人工甘味料には、肥満予防や生活習慣病改善に役立つ可能性があることから、カロリー低減製品の需要の高まりとともに注目が集まっており、今後もますます市場は広がっていくものと考えられています。化学的に合成されたものであることは確かですが、使い方次第では身体にとってよい作用をもたらしてくれる場合もあるのです。「化学」という言葉自体が否定的に見られることもありますが、人工甘味料について正しい知識を持ったうえで、生活に役立ててほしいと思います。※1

 

甘味料の種類と代表的な合成甘味料

砂糖を含む甘味料は「糖質系」と「非糖質系」に大別されます。このうちの「非糖質系」甘味料には天然甘味料と合成甘味料があり、それぞれ次のような特徴があります。

・天然甘味料……植物の葉などに含まれる甘味成分を抽出したもの。
        代表的なものにステビアや甘草などがある。

・合成甘味料……化学合成によって作られた甘味料で砂糖の数百倍の甘味度を持っている。
        代表的なものにはアスパルテームやアセスルファムカリウム、
        スクラロース、サッカリンなど。

合成甘味料であるアスパルテームは砂糖と同じく1g4kcalとなっていますが、甘味が砂糖の200倍にもなるため、少量の使用で甘い味付けをすることが可能です。すっきりとした後味が特徴で、苦味を隠したいときなどに使われています。

アセスルファムカリウムの甘みは、アスパルテーム同様砂糖の200倍となっています。しかしカロリーは1g0kcalとなっており、低エネルギー食品を作る際は大変役に立ちます。天然甘味料、合成甘味料の種類とそれぞれの特徴についてこちらで詳しくご説明しています。

ただの糖の偽物にあらず?!人工甘味料とは??

合成甘味料は砂糖よりも甘味が強いので、同じ甘さを付けたいときに使用量を抑えることができます。砂糖とカロリーが同じ場合であっても、使用量が少なければカロリーが上がらないというわけです。合成甘味料を使った食品が低カロリーなのは、強い甘味を持つからということがいえます。※2

一方、天然甘味料に含まれるトレハロースは、甘味度が砂糖の半分以下で上品な甘みがあります。砂糖をトレハロースに置き換えても低カロリーにできるわけではありませんが、素材そのものの味を引き出し、柔らかくあっさりとした味わいになるほか、保湿・老化防止の効果といったメリットもあります。

天然の添加物トレハロースの使い方とメリット

人工甘味料の活用方法

人工甘味料は安全性が気になるという方もいるかもしれません。「人工」や「化学」と聞くと敬遠されることもあるのですが、考え方を変えれば健康管理に役立つものなので、正しい使い方を知って必要なときは活用してほしいと思います。

人工甘味料のうち、合成甘味料を使う大きなメリットとしては、まず低カロリーな特性によって摂取カロリーが軽減できるということです。また、砂糖と比較して食後の血糖値が上昇しにくいことからも、肥満や糖尿病の予防・治療に有効であると期待されています。さらに非糖質系甘味料であることから微生物発酵がなく酸を生成しないため、虫歯の予防にも適しています。※2※3

街で見かけるカロリーオフやカロリーゼロと記載されている低カロリー食品には、大体合成甘味料が使われています。飲料であれば砂糖が使われているものと合成甘味料が使われているカロリーゼロタイプの2種類どちらかを選べることが多いですね。

また、低カロリー甘味料として調味料も販売されており、こちらは砂糖の代わりとして普段の料理に使うことができます。体重が気になる人や血糖値が気になる人には普段の料理でも役立てられることでしょう。

糖アルコールや合成甘味料などの人工甘味料は安全性が認められたもののみ使用が許可されていますが、腸内フローラに悪影響を与える可能性や、糖尿病のリスクが高まるなどのデメリットが伝えられています。
一方で、天然甘味料であり、腸内環境を整える働きのあるオリゴ糖も、急に摂取すると下痢を起こしてしまう場合があることはよく知られています。
そこで、オリゴ糖が摂れるはちみつで甘みを足し、食物繊維も豊富なバナナを組み合わせて、効率よく腸活ができる忙しい日の朝食におすすめの一品をご紹介します。


●はちみつバナナヨーグルト

【材料】1人分
 ヨーグルト(無糖)・・・1カップ(200cc)
 バナナ・・・1本
 はちみつ・・・お好みの量

【作り方】
 1、バナナを1口大にカットする。
 2、器にヨーグルト、バナナ、はちみつを盛り付けて出来上がり。

そのほか、忙しくて時間がない人でも、組み合わせを工夫するだけで簡単にオリゴ糖を摂れる手軽な腸活レシピはこちらでご紹介しています。

話題のオリゴ糖が摂れる食品を活用した管理栄養士おすすめのかんたん腸活レシピ3選

このように、甘味料は使い方次第ではよい場合もありますが、人によっては悪影響を与えてしまうことも。メリットとデメリットを知り、上手に使い分けていくことが大切だといえるでしょう。


参考

※1 地方独立行政法人 大阪健康安全基盤研究所
http://www.iph.osaka.jp/s011/20190823152134.html

※2 独立行政法人 農畜産業振興機構 砂糖
https://www.alic.go.jp/joho-s/joho07_000878.html

※3 独立行政法人 農畜産業振興機構 人工甘味料と糖代謝
https://www.alic.go.jp/content/000138490.pdf


ライタープロフィール

佐々木優美(管理栄養士)

病院にて給食管理や栄養指導に従事しフリーランスとして独立。webメディアでは健康・栄養系のライターとして記事を執筆しています。その他、食育教室や自治体主催の料理教室、短期大学の非常勤講師などの仕事を通じて、食の大切さを伝える活動をしています。