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台湾のお土産といえばこれ! パイナップルケーキが定番になった理由

台湾を訪れたときの定番のお土産といえば、パイナップルケーキを思い浮かべる人は多いのではないでしょうか。パイナップルケーキは、空港の免税店や土産物店のほかにも、専門店、洋菓子店、スーパーなど、台湾全土のさまざまな場所で売られているお菓子です。では、なぜパイナップルケーキはここまでの広がりを見せたのでしょう。そこで今回は、パイナップルケーキが台湾土産の定番となった背景をご紹介します。

台湾におけるパイナップルの意義

1年中温暖な気候の台湾では、パイナップルはもちろん、マンゴーやパパイヤなど熱帯地域で育つ果物を栽培することができます。18世紀ごろ、中国から東南アジアに渡った人たちによって台湾に伝わったと言われるパイナップルは、初めこそ台湾の一部地域での栽培でしたが、次第に広がり19世紀中期には全土で栽培されるようになりました。その後、パイナップルの栽培は台湾の重要な農産業として発展していきます。※1

また、パイナップルは台湾の人たちにとって縁起の良い果物とされ、風習にも関わっています。パイナップルを表す台湾語の「鳳梨(オンライ)」の音が、繁盛を意味する言葉の「旺来(オンライ)」と似ていることから、縁起物として室内に置かれたり、店先にモチーフが飾られたりするようになりました。これは日本でお正月に門松やしめ飾りを用意するように、縁起の良い物を飾る風習によるもので、台湾で旧正月の「春節」の準備が始まるころになると、こうした光景がよく見られます。このように、パイナップルは台湾の人々に親しまれています。※2,3,4

パイナップル産業に深く関わる日本人

パイナップルはもともと1493年にコロンブスらによって西インド諸島で発見されますが、その果実は傷みやすいことから、輸送技術が乏しい当時は現地で食されていました。そうした中、19世紀に缶詰の技術が確立されたことが生産量を伸ばすきっかけとなり、世界各地へと広がっていきます。

1894年、日清戦争が終わると台湾が日本によって領有され、これをきっかけに日本人が台湾へ渡ります。そして1902年に台湾初となるパイナップル缶詰の工場が日本人の手によって作られました。その後、さらに台湾のパイナップル産業は発展し、1920年代に入るとパイナップル種苗養成所が設置され、農場の経営が開始されたほか、缶詰工場も濫立するようになります。

なお、現在まで続くパイナップルの缶詰技術の基礎が作られたのはハワイでした。ハワイでは台湾より前にパイナップル栽培と加工技術の効率化に成功し、1892年にパイン缶工場の操業を開始します。その後、国の要請によって日本からハワイへ移住した日本人がサトウキビ農場での労働を経てパイナップル産業に従事し、1920年には小規模なパイン農場の9割弱が日本人によって占められるまでになりました。このときにハワイに暮らす日本人が生み出したのが、パインを練りこんだ焼菓子「ハワイアン・ショートブレッド・パイナップル」だと言われています。こうした歴史からも、日本人がパイナップル産業に大きく関わっていたことがわかります。※1

パイナップルケーキが生まれた背景

パイナップルケーキは、パイナップルの果肉から作られた餡を小麦粉から作った生地で包んだお菓子です。大きさは5cm角くらいの直方体をしています。お店によっては、円柱の形をしたものを見掛けることもあるでしょう。個包装されているため配りやすく、日持ちがすること、幅広い年齢に親しまれる味わいであることから、すっかり台湾の定番お土産として定着しました。※5

パイナップルケーキが台湾で作られ始めた時期は、はっきりとしていません。しかし、台湾のパイナップルケーキと、日本人がハワイで作った「ハワイアン・ショートブレッド・パイナップル」には多くの類似点が見られます。これは、1920年代~1930年代の間にハワイでパイナップル栽培に従事していた日本人が台湾に渡ったことによって、焼菓子のノウハウが伝わったからではないかと言われています。このことから、パイナップルケーキは台湾・ハワイいずれの場所においても、パイナップルの生産が安定した頃に作られるようになったと考えられます。※1

パイナップルケーキの餡に含まれている意外なもの

パイナップルケーキといえば欠かせないのが、中に詰まっている餡。実はこの餡には、パイナップルの果肉以外のものが含まれている可能性があります。

もともと台湾で栽培されているパイナップルは酸味が強い果実でした。そこで、口当たりの良い焼菓子にするために、冬瓜を加えて味わいをやわらげていたと言われています。また、パイナップルのみの餡を作るとコストが高くなることも、冬瓜を加える要因の一つとなっています。

とはいえ、パイナップルの果肉のみを使ったパイナップルケーキも存在します。台湾でパイナップルケーキは「鳳梨酥(フォンリースー)」と書きますが、パイナップルのみのパイナップルケーキは冬瓜入りの餡と区別するために「土鳳梨酥(トゥフォンリースー)」と表記されています。食べ比べてみたい場合は、表記に注目して選んでみましょう。※6

台湾には、パイナップルケーキを扱っているお店がたくさんあります。パイナップル餡の味を追求したもの、定番の形から変化したもの、パッケージがおしゃれなものなど、特徴はさまざまです。長年、台湾のお土産として親しまれているパイナップルケーキは、時代とともに進化し続けています。


<参考>
※1:パイン産業にみる旧日本帝国圏を越える移動
https://toyo.repo.nii.ac.jp/?action=repository_action_common_download&item_id=9955&item_no=1&attribute_id=22&file_no=1

※2:台湾産パイナップルの魅力発見!
https://www.koryu.or.jp/about/taipei/staffblog/?bid=23&dispmid=6697&bkid=2197

※3:ラッキーアイテムだらけの台湾の旧正月
https://flymedia.co.jp/%E3%83%A9%E3%83%83%E3%82%AD%E3%83%BC%E3%82%A2%E3%82%A4%E3%83%86%E3%83%A0%E3%81%A0%E3%82%89%E3%81%91%E3%81%AE%E5%8F%B0%E6%B9%BE%E3%81%AE%E6%97%A7%E6%AD%A3%E6%9C%88

※4:【チャイニーズニューイヤー特集】台湾のおしゃれな旧正月グッズを紹介!
https://lifestylinglog.com/chinese-new-year-products/

※5:ジャンル別に探せる!台湾お土産特集
https://shopping.jtb.co.jp/tags/taiwan-omiyage

※6:台湾土産で買うこだわりのパイナップルケーキはこれ!
https://news.arukikata.co.jp/column/shopping/Asia/Taiwan_Province_of_China/TAIPEI/146_466885_1577171968.html