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台湾スイーツの豆花。色々なトッピングで好みの味に


台湾カステラタピオカミルクティーなど、台湾からさまざまなスイーツが日本に伝わり、人気を博しているのはよく知られているのではないでしょうか。今や台湾スイーツは専門店以外にスーパーマーケットやコンビニなど、身近なお店でも購入できるほど身近な存在にもなっています。今回は、台湾で食べられているスイーツの中で代表的なもののひとつである、「豆花」の魅力に迫ります。

なめらかな舌触りがクセになる豆花

豆花(dòu huā/トウファ)は、豆乳に凝固剤を加えて固めたものに、シロップなどをかけ、さまざまなトッピングをのせたスイーツで甘みは控えめ。トッピングのチョイスで好みの味わいやボリュームにできます。※1※2

ところで、豆乳を凝固剤で固めた食品といえば、豆腐を思い浮かべる方もいるのではないでしょうか。豆腐は、温めた豆乳ににがりなどを加えて固めたものです。木綿豆腐や絹ごし豆腐、おぼろ豆腐など、種類によって食感はさまざまで、製造方法や使われる凝固剤が異なります。※3※4

豆花も豆腐と同様に、食感はさまざまです。豆腐に似ているようで異なり、とろけるような舌ざわりで柔らかいものもあれば、豆腐のようにずっしりとした食感のものもあります。お店によって固さや滑らかさが微妙に異なるため、食べ比べてみたくなるスイーツでもあります。※2※5

豆花の独特な食感には凝固剤が深く関わっています。凝固剤には食品用の石こう、にがりなどが使われ、柔らかい食感を出す時に多用されるのは石こうといわれています。石こうの成分は、硫酸カルシウムです。※1※3※6※7

硫酸カルシウムは水に溶けにくい性質があるため、豆乳が緩やかに固まります。また、保水力の高さから、舌ざわりが滑らかな豆花が出来上がるのです。硫酸カルシウムは、豆腐を製造する際に日本でも使われている凝固剤のひとつ。日本では滑らで柔らかい豆腐を作るために使われています。※3

豆花の豆乳には甘み付けがされていないため、食べると大豆の風味が口の中に広がります。大豆から作られる豆花の他に、黒大豆から作られるほんのりと黒い豆花を取り扱うお店もあります。※7

シンプルなスイーツのようで、食感や舌ざわりがお店によって異なる豆花。旅行などで台湾を訪れた時は数多くの豆花から自分好みの味を探しても楽しそうです。

豆花のトッピングは選ぶのに迷うほど豊富


豆花を食べる楽しみのひとつが豊富なトッピング。お店によってはトッピングが決まっていることもありますが、好みのトッピングを選べるお店も多く、種類の多さは選ぶのに迷ってしまうほどです。※2※5※7※9

トッピングの定番としては、甘く煮た小豆の「紅豆(ホントウ)」、ピーナッツを舌でつぶせるほど柔らかく煮た「花生(ホワション)」、小豆の仲間である「緑豆(リュウトウ)」という緑色の豆などがあり、豆類だけでも数種類あります。また、台湾スイーツといえば思い浮かぶ、タピオカも豆花のトッピングにぴったりです。※2※7

さらに、ねっとりとしたタロイモ、甘みのあるサツマイモをのせたり、タロイモで作られたモチモチの団子をトッピングしたりするとボリュームもアップ。乳白色の豆花に色々なものをトッピングすれば、アッという間に見た目がにぎやかなデザートが出来上がります。※2※7

台湾には、「吃喝玩樂(チー・ホ・ワン・ロー)」という「食べて、飲んで、遊んで、楽しむ」という意味の言葉があります。豆花の豊富なトッピングからも、食べて楽しむ台湾の文化が伝わってくるようです。※8

豆花に流し入れるシロップの味の違いも魅力


豆花はトッピングだけでなく、上にかけるシロップでも味わいの違いを楽しめるスイーツです。優しい味の糖水(táng shuǐ/タンシュイ)、黒糖シロップ、ショウガシロップの他、豆乳をかけた豆花もあります。※2※5※7※9

豆花に豆乳をかけるとどのような味になるのか気になる方もいるかもしれません。豆花は豆乳をかけるとまろやかになり、さっぱりとした糖水とは違う味わいが堪能できます。このように、シロップの味はお店によってさまざまです。※7※9

甘みが控えめで味わいが素朴な豆花は、食後のデザートとしても親しまれています。台湾では専門店以外に有名な屋台街などでも豆花を扱うお店があり、お店によって異なる味わいを楽しめて飽きないのも豆花の魅力ではないでしょうか。※2※5※7

温かい豆花もあり1年中食べられている

気温が低くなると、冷たいスイーツは避けたいと思う方もいるかもしれません。豆花には冷して食べるもの以外に、温めて提供される豆花もあります。冷え込んだ日に温かい豆花を食べると、お腹がほんわりと温まって満足感も十分。豆花の原材料は豆腐とほぼ同じですから、温めてもおいしく食べられることが想像できると思います。※2※5※7※9

豆花は台湾に住む人々から親しまれてきました。素朴な味わいにトッピングやシロップの多彩さ、冷製と温製を選べること、こうした選択肢の多さが1年中親しまれている理由なのかもしれません。

豆乳を固めた豆花は優しい甘さを持ったスイーツで、トッピングの選び方によって好みの味が楽しめます。日本でも豆花専門店や台湾料理店で、本場の豆花を楽しむことができます。奥深い豆花の味わいを、堪能してみてはいかがでしょうか。

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<参考>
※1:台湾観光協会
https://jp.taiwan.net.tw/m1.aspx?sNo=0003028
https://www.taiwan.net.tw/m1.aspx?sNo=0000072

※2:まっぷる台湾’21

※3:全豆連
http://www.zentoren.jp/
http://www.zentoren.jp/dish/additive.html

※4:豆腐(とうふ)の作り方をおしえてください。
https://www.maff.go.jp/j/heya/kodomo_sodan/0110/07.html

※5:わたしの台南 「ほんとうの台湾」に出会う旅 著:一青妙

※6:日本の調味料と食材で作る ペギーさんのおいしい台湾レシピ

※7:Howto Taiwan
https://howto-taiwan.com/1502/

※8:2.台湾 - 国土交通省
https://www.mlit.go.jp/common/000116953.pdf

※9:日本豆乳協会 台湾の豆乳事情
https://www.tounyu.jp/tounyu-life/archives/1938