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グルテンフリーとは、グルテンの特徴について理解しよう!!


最近ダイエットの1つとして「グルテンフリー」という概念が確立されています。どういった特徴があるのでしょうか。今回はグルテンフリーについて見ていきましょう。

そもそもグルテンフリーってどんなもの??

グルテンというのは小麦に含まれているタンパク質のことです。大人気の料理・グルメ漫画である「美味しんぼ」の中に、このグルテンを利用して代用ガムを作るという回があるのですが、この話の中で、小麦を手に乗せてゆっくりとした流水でこすり流していくと炭水化物成分が水に流されていき、手のひらにガムのような塊が残ります。これがまさにグルテンです。
グルテンがないとうどんやパンをこねた時に、しっかりとまとまらず、うどんなどの小麦製品のもっちり感を出すためには重要な成分となります。
このグルテンをなぜ抜く必要があるのでしょうか。

グルテンフリーは元々「セリアック病」と呼ばれている小麦アレルギー疾患に悩まれている方用の食事のことで、グルテンを抜くことでこのアレルギー疾患を抑えることができます。小麦を主食としている欧米では、小麦製品を食べると何となく体調が良くないという方の間でこのグルテンフリーが昔から取り入れられていきました。
米を主食としている日本人の中にも小麦製品が合わない方(例えば、小麦製品を食べるとなぜか下痢をしてしまう方など)が一定数おり、こういった方を中心としてグルテンフリーが広まっていったという背景があります。特に戦後、日本人の食生活の欧米化によってパン食が広まっていったのもあり、グルテンフリーも少しずつ意識されるようになっていきました。

ただ、グルテンフリーは小麦に含まれるタンパク質を抜くものであり、糖質制限とは異なるものであるということをしっかりと理解しておく必要があります。

糖質制限についてはこちらをご覧ください。
正しく知りたい!!糖質と食物繊維の関係とは!?
最近よく聞くケトジェニックと糖質制限って何が違うの?

日本ではグルテンフリーに関してはどういった状況か??

日本でも最近、グルテンフリーを実践されている方は徐々に増加傾向にありますが、欧米に比べるとまだまだ少ないです。小麦アレルギーのお子さんをお持ちの親御さんが小麦の代わりに米粉を使ったパンや麺を採用したりするという状況がメインなようです。

米粉と小麦粉の違いについてはこちらをご覧ください。
米粉と小麦粉の大きな違いとは? グルテンフリーを知ろう。

グルテンフリーを取り入れたことによって体調が良くなったなどの声を確かに聞くことがありますが、小麦アレルギーの方を除き、グルテンフリーが健康に良いという科学的根拠は実は存在しません。
体質によっては良いかもしれないという程度でしか説明できないのが現状です。

そもそもグルテンは色々なものに存在する??

グルテンフリーを実践している方はパンや麺類を抜いていることが多いと思いますが、実はグルテンに関しては、多くのものに含まれていて、完全に排除するのは意外と難しいです。
例を挙げると、パンやパスタなどの麺類はもちろん、餃子や中華まんの皮、たこ焼きやお好み焼き、ピザ、天ぷらやトンカツなどの揚げ物の衣、シリアル、カレーなどのルー、ケーキなどのお菓子にとどまらず、お酒でもビールや発泡酒などに含まれています。

意外と盲点なのはそばや味噌や酢に関してになります。うどんの代わりにそばに変えれば良いや、酢は健康に良い、このように思っていらっしゃる方が多いのではないでしょうか。
しかしながら、そばは十割そばでなければ小麦粉が混ぜてありますし、酢に関しても穀物酢では注意が必要になります。

毎日の食事から完璧にグルテンを除くのはいかに難しいか理解できると思います。グルテンフリーを実践する際には、管理栄養士などの専門家に相談すると良いでしょう。

グルテンフリーを上手に実践していくコツとは??

小麦アレルギーではないが、グルテン不耐性体質(小麦製品を摂取すると何となく不調を感じる)気味なので、グルテンフリーを試してみたいという方は、グルテンフリーを上手に少しずつ実践していくコツについて理解しておくことが良いでしょう。
具体的には米食中心にする、食品を買う際に成分表示をきちんと確認するなどがあります。

元々日本人は米食がメインでしたので、今一度伝統的な日本食を見直すことが有効です。また、そもそもどんな食材をどうやって使って作っているかがわかりにくい外食を控えて自炊を心掛けるようにすれば、自分の目で食材を吟味して、グルテン量をコントロールすることが容易になるのでおすすめです。
これらは一見当たり前のことを言っていますが、色々と多忙な現代人にとっては、この当たり前を日々継続することはかなり難しいのではないでしょうか。

この点から、グルテンフリーを始めるということは、根本的に食生活を見直すことにつながるので、たとえ科学的根拠はなくても、健康に対する寄与はそれなりにありそうと言えます。ただし、前述したグルテンを含む食品を再度眺めてみるとわかるように、いわゆる「おいしいもの」が多いため、無理して控えることで、逆にストレスが溜まってしまい、それにより体調を崩してしまっては本末転倒になるので、無理しすぎず、少しずつ行なっていくことが良いでしょう。

ぜひ賢くグルテンフリーを行なってください。

【ライター紹介】

宮川 隆 (みやがわ りゅう)

名古屋市立大学薬学部卒業、南カリフォルニア大学(USC)国際薬学臨床研修修了、東京大学大学院理学系研究科修了
薬剤師ほか第一種放射線取扱主任者、甲種危険物取扱者、調理師など30以上の資格を保有。
現在は、国立大学法人東京工業大学キャンパスマネジメント本部
放射線安全部門 特任准教授
(国立大学法人東京大学医学部附属病院 届出研究員)
(国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構 客員研究員)
(公益社団法人日本アイソトープ協会 講師)