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正しく知りたい!!糖質と食物繊維の関係とは!?


そもそも両者の関係って??

糖質ダイエットなどの中で、「糖質は太るものである一方、食物繊維はダイエットには最適である」といった内容を目にすることがあるので、一見、糖質と食物繊維は全く違ったものであると誤認しがちですが、実は両者とも炭水化物になります。
まとめると、炭水化物のうち、消化されてエネルギーとして使用されるものが糖質である一方、消化されずにそのまま大腸まで到達するのが食物繊維になります。両者は兄弟のような関係ということです。

言うならばどちらか一方だけを摂取するということは完全にバランスが崩れるためおすすめできません。もちろんとりすぎはご法度ですが、健康のためには、まずは大事なエネルギーの源となる糖質をきちんと適量摂取することが重要となります。

さらに食物繊維について詳細に見ていくと??

糖質ではない炭水化物である食物繊維ですが、これにも種類があります。
食物繊維と聞くと、水に溶けないものを想像しがちですが、実は違います。食物繊維には水に溶けるものと水に溶けないものがあります。前者を「水溶性食物繊維」と呼び、後者を「不溶性食物繊維」と呼びます。

水溶性食物繊維に関しては水に溶けてもゲル状になり、体内の余計なものを吸収しながら大腸内をゆっくり移動していきます。どちらであっても、食物繊維は、消化されずにエネルギー源に変わることなく、大腸まで到達した後に、腸内細菌の餌になります。それによって腸内細菌のうち、善玉菌を増やす効果が期待できます。善玉菌が増えることで、整腸作用が発揮されて、便秘解消などにつながるため、食物繊維をきちんと摂取することが推奨されている訳です。

不溶性食物繊維に関しては、それ自体が水分を含むことで膨張し、便の量を増やすことによる排便促進効果にもつながることが期待できます。これらの作用により、食物繊維も重要な栄養素とみなす風潮があり、五大栄養素に食物繊維を含めて、六大栄養素とも言われるようになってきています。そして、糖質の吸収を穏やかにして血糖値の上昇をゆるやかにしてくれるという役割も果たします。

間違った糖質制限ダイエットとは??

前述した炭水化物の分類を正しく理解していないと、間違った糖質制限ダイエットを行ってしまう危険性も出てきます。
糖質制限を炭水化物制限と誤ってしまうと、糖質だけでなく、食物繊維も摂取しなくなってしまうため便通が悪くなり、結果的にダイエットにつながりません。かといって、炭水化物を摂取しなければいけないと言っても食物繊維ばかり摂取してしまっても、糖質が不足することでエネルギー不足になり、代謝も落ちることで脂肪の消費ができなくなり、結果的にダイエットにはつながらないと言えます。

一方で、不溶性食物繊維をよく噛んで食べることは、満腹中枢が活性化されるだけでなく、水分を含んで膨張した食物繊維によって食事の満腹感が増すことで、効率的なダイエットが行えるというメリットもあります。さらに、余分な糖質、脂質、ミネラルなどを吸着して体外に排出してくれる働きもあるため、肥満改善だけでなく、脂質異常症、糖尿病、高血圧などの生活習慣病の予防などの効果も期待できます。

糖質や糖質制限についてはこちらもご参照ください。
ケトン体っていったい何? 糖が不足すると増える危険物質の正体
最近よく聞くケトジェニックと糖質制限って何が違うの?
糖質と糖類って、何が違うの?
自粛の今、糖質を摂らない生活が続くとどうなる?
炭水化物は本当に悪者なの?
糖質制限と血糖値スパイクの関係について

糖質と食物繊維を効率良く摂取できる食品とは??

効率良く糖質制限ダイエットを行うとすると、糖質が低めかつ食物繊維が豊富な食品を摂取することがおすすめです。
代表的なのは大豆や海藻やキノコ類です。大豆に関してはタンパク質が豊富と思われがちですが、実は食物繊維もたくさん含まれています。ただし、豆腐や豆乳などの加工製品になると食物繊維の含有量が減少しているので注意が必要です(納豆やおからなどは食物繊維が豊富になります)。
また、可食部100gあたりで見た際に、白米よりも発芽玄米の方で食物繊維が多く、うどんとそばを比べるとそばの方で食物繊維が多いため、糖質制限という目的で各自後者に置き換えることは理にかなっていると言えます。

ちなみに、年齢や性別で多少は異なるものの、食物繊維の1日の理想摂取量の目安は24g以上されているので、この数値を基準にして考えると良いでしょう。現実的に見てみると、現代の日本人の食物繊維摂取量はこの数値を大幅に下回っていると言われていますので、心持ち多めに食物繊維を摂取してもとりすぎにならないと言えるのではないでしょうか。

注意すべき食品とは??

これまで見てきたように、食物繊維を摂取することは確かに効率的なダイエットにつながることは事実です。

ただしここで注意することがあります。いくら食物繊維が豊富だとしても、糖質も多い食品ならば、食物繊維をとればとるほど、糖質も同じように多く摂取することになり、結果的に糖質過多になってしまうという本末転倒に陥る可能性があるからです。食物繊維が豊富そうなイメージの野菜であるれんこん、にんじん、かぼちゃ、いも類などは食物繊維と同じくらい糖質も豊富に含まれているので、とりすぎには注意したい食品になります。

ぜひ正しい知識を持って、賢い炭水化物ライフを過ごしてください。

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