糖と健康

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黒砂糖やきび砂糖は体にいい? 使い分けたい砂糖の種類と特徴

ひとまとめに「砂糖」といっても、上白糖、グラニュー糖、きび砂糖、黒砂糖などいろいろな種類の砂糖があります。これらの違いは原材料や製造法によるものですが、用途はもちろん成分の違いを知っておくと便利です。ここでは砂糖の種類と特徴について掘り下げていこうと思います。

砂糖の原料に使われているもの

砂糖の原材料は主にふたつで、北海道で栽培されている「てん菜」と鹿児島や沖縄などの温暖な地域で栽培される「さとうきび」です。ただ、現状では砂糖の自給率は約35%で、輸入にも頼っています。

日本の家庭でよく使われている上白糖も、原材料名には「原料糖」と書かれています。原料糖とはてん菜やさとうきびから糖分を取り出して結晶化させたもの。上白糖の白い色は漂白をしているというわけではなく、無色透明の結晶が光を反射させて白く見えているのだそうです。

もうひとつの白い砂糖といえばグラニュー糖です。グラニュー糖はお菓子作りによく使われますが、世界的に見ると上白糖よりもグラニュー糖のほうが一般的です。サラサラとして扱いやすいという点がグラニュー糖の魅力といえるのではないでしょうか。日本で上白糖がよく使われている理由は詳しくわかってはいませんが、醤油や砂糖を使うことの多い日本の和食には色味を出しやすい上白糖が合うからとの説があります。

次に、砂糖とグラニュー糖の栄養価についてみていきましょう。100gあたりのエネルギー量を比べると、上白糖は384kcal、グラニュー糖は387kcalとなっています。構成している栄養成分はどちらもほぼ糖質ですが、上白糖には0.7%の水分が含まれており、グラニュー糖は水分が0です。このことからも、上白糖のしっとり感は水分によって生み出されるものとして考えて良いでしょう。※1

茶色い砂糖にはミネラルがいっぱい?

白い砂糖に対して、茶色をした砂糖もあります。黒糖、きび砂糖、てん菜糖が代表的です。ミネラルというのはカリウムやマグネシウム、リン、鉄などの栄養素のことをいいます。ミネラルは体のさまざまな機能に関与する成分で、例えばカリウムは体内のナトリウムの排出を手伝ったり、鉄は血液の成分であるヘモグロビンを作る栄養素になったりします。ミネラルは野菜や海藻類に多く含まれていますので、普段食事から上手に摂れてないと感じる方は調味料を意識してみると良いかもしれませんね。

上白糖やグラニュー糖のような白い砂糖は精製する過程でこのような栄養素が取り除かれてしまうので、ミネラル分が残されている茶色い砂糖は「体に良い」といわれるのかもしれません。ただし、カロリーに大きな差はありませんし、決して茶色い砂糖を食べれば健康になれる、痩せられるというものではないということを念頭に置いておきましょう。体に良さそうだからといって摂りすぎるとかえって太る原因にもなります。

また、三温糖や中双糖(ザラメ)は茶色をしてはいますが、ミネラルの多い砂糖とはまた別のものです。上白糖の糖液を煮詰めてカラメル化させたものなのでミネラルはそう多くは含まれていません。混同しないように注意しましょう。

砂糖の選び方と使い分け

茶色い砂糖には白い砂糖よりもミネラルが多く含まれていますが、白い砂糖が主流である現状を見ると、どちらにもメリットがあるのは確かなことです。ここでは種類別の砂糖の使い分け方を紹介します。

・上白糖、グラニュー糖
茶色い砂糖よりも安価で購入することができます。色が白いので料理の色に影響しないのもメリットのひとつです。どんな料理もひとつで済ませたい方には上白糖がおすすめです。お菓子をよく作る方は、固まりにくいグラニュー糖が良いでしょう。

・きび砂糖、てん菜糖
同じ砂糖を使うなら少しでもミネラルを多く摂りたいという方にはおすすめです。また、てん菜糖には腸内の善玉菌のエサにもなるオリゴ糖も含まれています。オリゴ糖が善玉菌のエサとなることは報告されていますが、過剰な期待をせず、同時に普段の食事を整えることも意識してみましょう。
茶色の砂糖は色味を気にしない料理やコクや深みを出したいときに役立ちます。きび砂糖やてん菜糖よりさらに強いコクを出せるのが黒糖です。黒蜜など、黒糖にしか出せないまろやかな風味もあるので、ぜひ黒糖を活用してみてください。黒糖は固形で使いにくいイメージがあるかもしれませんが、使いやすい粉末タイプのものもありますよ。

・三温糖
和食と相性の良い三温糖は、煮物や照り焼きなどによく使われます。三温糖の特徴として、上白糖よりもコクや香ばしさがあるので、普段使っている砂糖を三温糖に変えるだけで、いつもの料理が風味豊かに感じられるかもしれません。ただし、三温糖は茶色い砂糖ではありますが、ミネラルが豊富に含まれているというわけではないのできび砂糖やてん菜糖とは混同しないようにしましょう。

砂糖にはいくつもの種類があり、それぞれ特性が違います。違いを知って上手に使い分け、より美味しく見た目も美しい料理を目指しましょう。


参考

※1 食品成分データベース
https://fooddb.mext.go.jp/details/details.pl?ITEM_NO=3_03003_7
https://fooddb.mext.go.jp/details/details.pl?ITEM_NO=3_03005_7


ライタープロフィール

片村優美(管理栄養士)

病院にて給食管理や栄養指導に従事しフリーランスとして独立。webメディアでは健康・栄養系のライターとして記事を執筆しています。その他、食育教室や自治体主催の料理教室、短期大学の非常勤講師などの仕事を通じて、食の大切さを伝える活動をしています。