ひと粒のメッセージ KANRO

過去のハーブエキス研究

ハーブエキスの実験的気管支喘息モデル(受動感作モルモット)に及ぼす影響

気管支喘息は気道平滑筋の収縮、気道粘膜の膨張および気道分泌の亢進を3大主徴とし、喘鳴を伴った呼吸困難の症状を呈する疾患である。動物モデルとしてモルモットは、アナフィラキシーにおける標的臓器がヒトに類似した呼吸器系であり、またアナフィラキシー性ケミカルディエーターの種類およびこれらケミカルメディエーターに対する反応性が類似していることから繁用されている。
感作法には実験動物に抗原を直接投与し、ある一定期間後に同じ抗原を再び投与して喘息発作を誘発する能動感作と、既に感作した動物の血清(抗血清)を静脈注射して感作する受動感作の2種類がある。
今回使用したハーブエキスの抗喘息作用を評価するに当たり、比較的均一な条件で感作が行われ、しかも短期間に多数の動物で喘息発作を誘発させることができる受動感作を用いて検討した。

被験物質No.3は最大投与量の3000mg/kgで若干の抑制作用を示したものの有意ではなかった。No.8は同3000mg/kgで抗原誘発による気管支収縮を有意に抑制した。対照薬のプロカテロールは本モデルに対して有意な抑制作用を示した。本来、プロカテロールなどの気管支拡張薬は吸引投与で用いられるのが一般的であるが、今回の結果から経口投与においても効果を発揮することが示された。

以上、ハーブエキス3検体のうち、No.8は受動的感作モルモットの実験的アレルギー性気管支喘息に対して有意な抑制作用を示した。

受動的感作モルモットの実験的アレルギー性気管支喘息に及ぼすハーブエキスの影響
**p<0.01;対照群との比較(Dunnett法)   N=7-9

ハーブエキスの気道炎症モデル(オゾンガス暴露)に及ぼす影響

Hartley系雄性モルモットを動物室で1週間予備飼育した後、実験に供した。試験動物は実験開始まで自由摂餌摂水下にて飼育。1群8匹とし、モルモットに色素(エバンスブルー:30mg/kg)を静注した後、アクリル樹脂製チャンバー内に入れ、オゾン発生装置により発生させたオゾン(平均3ppm)を30分間吸入させて、気道炎症を惹起させた。オゾン暴露60分後、ペントバルビタールにて麻酔し開腹後、腹部大動脈を切断させ、更に開胸後右心室より生理食塩水(50ml)で灌流し、気管を含んだ肺組織を摘出。結合組織を除去した後、気管及び主気管の各部位に分離し、各器官に含まれる色素を抽出し、吸光度をプレートリーダーにて測定した。チャンバー内のオゾン濃度はオゾン探知装置によりモニターした。
正常モルモット(オゾン非暴露群:注射用蒸留水投与群)の気管および主気管支における漏出色素量は23.5±3.0および23.4±3.1μgであった。これに対し、平均3ppmのオゾンガスを30分間暴露した対照群(オゾン暴露群:注射用蒸留水投与群)の気管及び主気管支における色素量は、それぞれ56.0±6.7および49.0±6.2μgと有意に増加し、血管透過性の亢進が認められた。
ハーブエキスNo.3の1000mg/kgの投与群では、気管および主気管支において対照群のそれと有意な差は認められなかった。3000mg/kg投与群では、気管で42.8±3.7、主気管支で33.5±2.5μgといずれも漏出色素量の減少が見られ、主気管支において認められた減少は有意であった。

A)気管

B)主気管支

ハーブエキスのモルモットオゾン暴露による気道内血管透過性亢進に及ぼす影響
##p<0.01、###p<0.001(Student's t test):正常群との比較
**p<0.01;(Fisher's Protected LSD)、NS 有意差なし :対照群との比較  N=8

ハーブエキスのオゾン暴露後のモルモット発咳に及ぼす影響

Hartley系雄性モルモットを動物室で1週間予備飼育した後、実験に供した。試験動物は実験開始まで自由摂餌摂水下にて飼育。1群7匹の動物を使用した。
モルモットをアクリル樹脂製チャンバー内に置き、オゾン発生装置により発生させたオゾン(平均2.5~3.5ppmの範囲)を40分間吸入させて、チャンバー内のオゾン濃度はオゾン探知装置によりモニターした。被験物質はオゾン暴露直前に経口投与し、40分間の暴露中に誘発する発咳をカウントした。

平均約3ppmのオゾンガスをモルモットに40分間暴露することにより、個体差はあるものの軽い単発の発咳や激しい連続した発咳が観察され、対照群(注射用蒸留水投与群)の平均発咳回数は12.9±2.9回であった。検体No.2、No.3、No.6は1000mg/kgで有意に発咳回数が減少した。
またNo.2、およびNo.6の100mg/kgではNo.3およびNo.6で有意に減少。一方、No.1No.4は3000mg/kgでいずれも優位に発咳回数が減少した。

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